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その欠点、出す場所によっては“長所”になるんです。

 お仕事、旅行、遊び、なんでもそうなんですが出かけるときには準備をめちゃくちゃしてしまうんです。え?いいことじゃないの?と感じてくださったあなた、ありがとうございます。

 石橋を叩いて叩いて、念のためもう一回叩いて渡る僕は、持ち物を何度も指差し確認したり、電気を消して布団に入っても「ほんとに平気だよね‥?」とまた不安になってしまうくらいなので、結構な心配症なんです。

 これは小学生のときに“忘れ物リスト”が教室に張り出されていたトラウマがあるんだと思います。



 忘れっぽい僕は、1日に最低1個は忘れ物をしていました。教科書は全部ある!という日は筆箱を忘れ、教科書も筆箱もある!という日は給食で使うナフキンと箸を忘れたり。

 みんなのことがすっごく不思議だったんです。何で毎日ちゃんと持ってこれるの?って。先生の机に忘れ物表があったんですけど、忘れ物をするとここに晒し者のように書かれていくんです。

 紙の左側に名簿順に名前があり、忘れ物をすると右側に、国教(国語の教科書)、算ノ(算数のノート)、箸、筆箱、と書かれていくと棒グラフのようにどんどん伸びていくんです。なので、目に見えて誰が一番忘れ物をしているかというのがわかるようになっていました。

 これが本当に嫌で嫌で。何が嫌って(さらされることではなく)何度もチェックしているのに必ず忘れ物をしてしまう自分に対してです。

 忘れ物をしたくないが為に学校を休もうかと思ったこともありました。学校に行かなければ忘れ物も何もなくなると。でも、まぁ具合が悪いわけでもないのでそんなわけにもいかず。


 忘れっぽい。これが凄くコンプレックスでした。自分は、みんなができていることができない。だから、ダメなんだ‥と、今思えば忘れ物くらいで落ち込みすぎだよという話しですが、当時はこのくらい酷く感じていました。


 だいぶマシにはなりましたが、今でもこの忘れっぽさは残っていると思います。家を出るとき

 『あれ?鍵どこしまったっけ?』

 と探し回ったり、読んだことを忘れて本を買ってしまい途中で

 「‥ん?この先ってこういうことが書いてあって‥あれ?これ、読んだな?」

 と後から気づいたり、帰り道コンビニで買ったアイスをカバンに入れっぱなしにして溶かしてしまったり。



 情けない‥と、思うこともありますが、逆にこの忘れっぽさが役に立つこともあります。

 Amazonでまとめて何冊か本を買うんですが、何の本を買ったか忘れてしまうので、ある日急に届いたときに「あ!これ読みたかったやつ!」とセルフドッキリになったり。(頼んだから届くのは当たり前なんですけど)

 あとは嫌なこと。嫌なことってされると結構覚えてない?と言われるんですが、ある種の自己防衛なのか、しばらくしていると全然覚えてなかったりします。(きっかけがあれば思い出すこともありますけど)


 今自分が抱えている欠点だと思っていること。出す場所や使い方を変えると良いものになったりするんですよね。忘れっぽさは学校においては欠点でしたが、人生においてはストレスを溜めない長所になりました。

 忘れっぽさをという性格?特徴?を例にしましたが、お仕事でも話し方でも好みでもできることできないこと、なんでもいいですが、直接直そうとせずにどうにもならない場合には“場所を変えてみる”のも一つ、手かもしれません。まっ、忘れ物はしないにこしたことはないですけど。



聲優・ナレーター
有野優樹(ありのひろき)


・noteメンバーシップ“声と喋り研究所”では、声のお仕事をしていくのに大切な(ボイスサンプルの作り方、営業の仕方など)ことを発信しています!

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