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声優・ナレーターは、学校や養成所に行かなくともなれてしまう時代

声優、ナレーターの有野優樹(ありのひろき)です。高校生の頃に養成所に通い始め、現在はフリーランスで喋りのお仕事をやらせて頂いております。勉強期間から含めれば10年。ようやくスタート地点に立てた気がします。何にそんなに時間がかかったのか

“プロ視点で物事を考えること”

技術や腕が云々というよりも、「今そこ悩むところじゃないよーまだ早いよー」に気づけなかったんです。誰よりも下手なのはよくわかっていました。わかっていたからこそ“技術を高めようとすること”で、基礎練習や“下手な自分を認めること”から逃げてしまっていたんです。

今回は、声のお仕事をしていくのであれば「これしかないと決めつけないこと」と「これから始めるのであれば、まずここに意識を向けよう」ということについて書いていきます!


【学校や養成所に行かなくても】

クラウドソーシング、SNSの投稿によるお仕事募集、配信のランキング戦、自主制作、YouTubeや TikTokなど動画を通して‥と、声のお仕事をやり始められるきっかけはたくさんあります。極論、養成所や学校に通わなくても声優・ナレーターになれてしまいます。

ですが基礎や基本は“できている人に見てもらわなければ”いけません。ただこれが難しくて、基礎ができたからと言ってお仕事があるかどうかと言われればまた別の話ですし、腹式じゃない呼吸だからこそ良いなんて言われることもあります。

ま、ここは好みの話なので置いといて。

まず知らなきゃいけないのは“お仕事の相場”です。お金、ご依頼の仕方、現場での立ち居振る舞い。これらを総称して相場という言葉を使います。

お金(ギャランティー)。先ほど申し上げたように、クラウドソーシング系のお仕事募集はこれでもかというほどにたくさんあります。ありますが、プロを目指すのであれば、正直あまりやらない方がいいかなと感じているんです。(全部が全部じゃないですよ。中には相場感にあったお仕事もあります)

理由は“安すぎるから”。たまに感情的に「一生懸命やってるんですよ!実績がないからって〜!」と言われてしまうことがあるんですけど、そんなことは言っていません。本人が良いと思っているのであればいいんです。

僕は、お仕事としてやり続けていくのであれば、その価格帯で受けることはお勧めしないと言っているんですよね。具体的な額で言うと、3桁か4桁(4桁でも2000〜3000円)。インボイス制度が来るとかこないとか言われている中、この額でやっていくのは厳しい。だいいち、業界の価値を下げることに加担してしまうことにもなります。

かなしいかな、宅録なら安くてもいいですよねと言われてしまうことがあります。宅録というのは、収録方法の一種なだけであって、安く頼めるシステムではありません。

お仕事がもらえるならそれで良い。これも一つ、個人の考えでしょう。しかし、そのせいで“業界の価値を下げていること”になっているんです。お仕事が好きなのであれば、もう一度、よく考えてみてください。なぜこんなことになってしまうのか?それにはこんな原因があるからかと思っています。


【やり始めのときほど“結果”を求めたがる】

上手くなる方法はありますか?どうやったら滑舌が良くなりますか?最初の頃だからなんなのか、答えを求められることが多いんです。表現には正解がないから〜などは言うつもりはありません(これもありますが)が、その前に一つ。

「自分で何かやってみたことがあるか?」

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