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フリー声優、ナレーターのギャラ交渉はどうやる?

 フリーランスでお仕事をしていると、必ずぶつかる一つの問題。それは“ギャランティー交渉”です。

 「この作業量なら本当はこれくらいほしいけど、なんて言ったらいいのかな‥」

 「この額で提示したら、予算が合わなくてお仕事自体無しにならないだろうか‥」

 そんな不安もあるかと思います。僕も何度かこのような経験をしたことがありますが、ほんっっっとにご提案は難しいです。今回は“ギャラ交渉はどのようにしたらいいの?”をテーマに書いていきます!


【基準を作っておく】

 基準がないことには伝えようもないので、自分なりの価格表を作っておくと便利です。例えばですが、ペラ1(原稿用紙1枚)なら1万円、何分の動画ならいくらと自分なりに価格を作っておく。

 声優はランク制度がありますが、ナレーションには相場はあっても明確に額が決められているわけではないので、この額!と決めちゃいましょ!

 ネットを検索していると“文字単価”を基準にしている方もおられるようですが、僕はあまりお勧めしていません。

 なぜかというと、文字数が少ないナレーションの場合、CMや短い動画広告になると、2行や一言なんてこともあるからです。

 1文字2円など設定にしてしまうと20〜30円になってしまいますから、なるべく“動画の時間(尺)”や“使われる媒体(YouTube、CM、ウェブなど)で決めておくとちゃんとした収入になっていくかとおもいます。

(ランク制度など詳しくはこちらの記事に)


【額は言い切ってしまう】

 「この作業量でこれだけ取るのは申し訳ないから○万円にしようかな‥」

 フリーランスになりたての頃に思っていたことです。ですが、今ではきっちりと「この文章量、動画の尺であれば○万円からやらせていただいております」とお伝えしています。

 そうしなければ、足元を見られてしまい「今回は予算がなくこのくらいの額で〜」と言われ続けてしまうからです。

 もちろん、その額を請求できるだけのパフォーマンスができることが前提になります。低い額にしてしまう気持ちもわかりますが、自分のレベルも上がりませんし、先程言ったように足元を見られてしまうので、ちゃんとした額を提示してください。

 そのぶん(低い額の案件は来なくなるので)時間もできますから、必死で読みの練習をします。


【価格を上げるタイミングは?】

 新規のお仕事のタイミングであげてきました。決まりかけていたお仕事が提示した予算の関係で、別の方になってしまったなんてこともあります。ですがそれはそれ。縁です。正直、くやしぃぃぃと思いますよ!でもしょうがないです。

 夢や目標も大切ですが、意気込みだけでは食べていけません。辞めていった同期たちの1番の理由は“「経済的な問題」”が圧倒的です。

 ここを考えていくとやったらいけない額のお仕事が見えてきますね。最後に参考程度ではありますが、新人の最低額はこのくらいという額を書いておきます。

【企業VP】2分〜3分 使用媒体 Web
25.000円〜30.000円

【動画広告】1分以下 使用媒体 YouTube
10.000円〜

 伝え方は大切ですよ。この条件であれば質のご提示(と、自宅収録であれば音質などと加味して)を含め○円からやらせていただいておりますと丁寧に。

 最初のうちは経験のために一本5.000円でもいいかもしれませんが、お仕事のやり方、方向性がわかってきたらすぐに切り替えてやっていきましょう。言える自信は、これまで担当したナレーション、キャラクターに支えていただくことになるので。


 具体的にどんなところへ営業したらいいの?ボイスサンプルの作り方は?などは、“noteメンバーシップ声と喋り研究所”に書いています!こちらもよろしければ是非。



聲優・ナレーター
有野優樹(ありのひろき)

カクヨムにて連載中「知らなかった人」中学生の淡い恋愛物語です!



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