【青ヶ島滞在記】青ヶ島の天然プラネタリウム
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〜あらすじ〜
青ヶ島の観光地を巡った後、焼酎の試飲会へ。11種類の焼酎と青ヶ島だけで製造、販売が許されている貴重なお酒「初垂れ(はなたれ)」を味わう。
8月1日 島の人へご挨拶
朝9時。八丈島空港で友達になり、漁船で一緒に来たひよりさんをヘリポートでお見送り。
八丈島まで20分。早いですねぇ。お見送りが終わったと思ったらすぐに無事に着いたとの連絡。またどこかで会おうね。
さてっ。気持ちを切り替え、この日は歩いて行ける範囲内の施設、3件へ挨拶回りに行きました。まずは郵便局。次は青ヶ島役場、最後に図書館。
役場ではこんなやりとりが。
「お仕事中失礼します!民宿かいゆう丸さんで1か月お世話になります有野優樹と申します!」
「よろしくお願いします。いつ来られたんですか?」
「30日に漁船で」
「ああっ!漁船の方!」
年に一人、漁船で来る人がいるかいないか。漁船の方で覚えていただけたこと、光栄です。(名前も覚えてもらえるように頑張ろう‥)今考えてみると、郵便局の局長さんや役場の方とお話しさせて頂いたことはすごく稀有な時間だったと思います。
図書館へご挨拶をしたときのこと。ぼくが埼玉から来たこと、普段どんな仕事をしているのかなどの雑談をした後に気になった本を読み漁っておりました。
痩せた人のことは「しゃみせん」、意表をつかれたときの「まぁ!」を「ハゲ!」、ひどく陽に焼けることを「ひんやけこうじ」と言うなど、興味深い言葉遣いがたくさんありましたが、特に惹かれたのは「カナシ」という言葉。
一見、寂しいときに使いそうな言葉に思えますが、この本によると「かわいい(いとしい)」意味。可愛い子と言うときには「カナシゴ」というらしいです。言葉の響きとは対局にある意味。
印象的だった言葉を羅列しましたが、青ヶ島方言のまとめがこの本を後ろに記載されているので、共通語との差を確かめてみるのも面白いですね。言葉の歴史で楽しむ青ヶ島。(この本は持ち出し厳禁なので是非、図書館へ!)
夕方。宿泊先へ戻るためトボトボ歩いていたら‥
綺麗でちょっぴり切ない空に遭遇。いつもはただの鳴き声でしかないツクツクボウシも、島の魅力に参加してくれている気がします。
海や空、山の様子はその時々にしか出会えません。写真も良いですが匂いや気温、肉眼という名のレンズを通した方がより、青ヶ島の魅力を感じられます。頭の中には井上陽水さんの少年時代。まだ夏は過ぎてませんけどね。
そうこうしていたら疲れたのか、甘いものが食べたくなったので、島唯一の商店「十一屋酒店(じゅういちやさけてん)」さんでお買い物。
初めてなのにも関わらず、幼い頃を思い出すようなノスタルジーな店内。馴染みのあるお菓子や飲み物もたくさんありますが、島といえば“あしたば”だと思い
“あしたばチーズブッセ”を購入。チーズブッセって美味しいですよね。初めて食べましたけど。
夜は海と山が見渡せるこちら「じょうまん」へ星見に行くことに。都内では見られる機会がないので(というより初めてかな?)どんな景色があるのだろう?と思っていたら‥
口をあんぐり開てしまったこと、それが星空の感想。
カメラと星に詳しい方が先にいらっしゃったので撮っていただきました。
天然のプラネタリウム。
少し雲がかかっていたんですが、それでも充分すぎるくらいの美しさ。
「今日はモヤがかってる(雲が出てる)から40%くらいかな」
「え!?この美しさで!?」
しっかり晴れている時はもっと鮮明に星を写せるそうなので、いつかのタイミングでまた見にいきたいですね。
というわけで今回は、歴史と空で感じる青ヶ島滞在記でした!
次回「配達のお手伝い。島を隅々まで周る!」
ナレーター
有野優樹(ありのひろき)
青ヶ島到着の様子
正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。