【営業する時に伝える3つの大切な事】


声優・ナレーターの有野優樹です!

みなさん、こんな台詞を言ったこと
または、言われたことありませんか?


『あの人は多才だよね』

『マルチに何でも活動できる表現者になりたい』

『才能がないからできないんだ、あの人には最初から才能があったからできたんだよ』


【多才、マルチ、才能という言葉の違和感】

 使い勝手がいい言葉だけあって、ラフに気軽すぎるくらい使えます。僕はあまり使いません。なぜかというと、これらの言葉ってその人のそれまでの頑張りを無視して言っているように聞こえてしまうからです。

 才能があれば学校にも養成所にも通う必要はなく、マルチに色々できるようになったのも、悔しい思いをしながらあーでもない、こーでもないと考えながら試行錯誤したり、レッスンにお金をかけてやっとの思いでできるようになったことばかりです。(たまに本当に最初からパッとできてしまう人もいますが‥)

 こんな僕でもここ最近、才能あるんですねなんて言われる事があったり、マルチに色々活動されているじゃないですかと、言っていただける事があります。

 おそらく褒め言葉として言ってくださっているのでしょうけど、才能があればもっとお仕事できているでしょうし、僕のどんな活動状態をみて『マルチに活動している』と判断したんでしょうか?

 お世辞も行きすぎると、違和感になってきてしまい下手したら「茶化してるのかな?」と、思われてしまいます。なので、その人のことをよく知らないでやたらめったら褒めちぎったりするのは「間が悪いなぁ」と思います。

 この『間』とは、日常生活の会話の間、お芝居の間二つの意味があります。この場合は日常生活の間です。

【間に関して詳しいことはこちらに】


 そして『才能』という言葉。『才能がある』というのは、いわゆる上手い人に使われがちな言葉です。でもその人は、いろんな練習をして、反復反復をして体得した能力であり、無責任に『才能がある』と言ってしまうのは、なんだか失礼な気もします。

 なにが上手くてなにが下手なのか?これも人によって差があり、この人には上手いと言われたのにあの人には下手と言われたなんとことも。じゃあ上手い下手ってなにで決まるの?

【上手い下手は〇〇で決まる?!?】


 ここから『才能』という言葉に関してすこしシビアに話していきたいと思います。結論から言うと『才能という言葉を使うのは、努力を怠る人の言い訳である』と思っています。



〜過去の記事一覧〜

【声のお仕事につなげる 誰も言わないリアルな営業方法】


【マイクにこだわる理由】読みの鍛え方


〜朗読〜

【宮沢賢治作 『手紙』】

【マッチ売りの少女】

【注文の多い料理店】

#コラム #フリーランス #営業 #声優 #ナレーター
#note    #私の仕事 #言葉  



【才能という言葉】

 あの人は才能があるからできたんだよ、自分にはないからさ。と、いうのは才能云々ではなく「努力、もっと言えば努力の仕方が悪い」んだと思います。

 ホームランを打ちたいのに、生クリームのキレイな絞り方を練習しているようなもので、それはそれで無駄にならないかもしれませんが、今やる努力ではないですね。

 才能のせいにしたり、自分ができない理由を探したり、できる人の評判を落とす作業に一生懸命になっていても、自分の腕が上がるわけでありません。
 学生の頃、どんな声優になりたいか?という質問に『マルチに活動できる声優になりたいです』と、答えている時がありました。なんでもやりたいです!と言われても、じゃあいざお仕事を頼もうと思った時、どんな内容で頼んだら良いのかわからないですよね。

 なんでもやりたい気持ちはわかりますが、なんでもできるわけではないですし、お仕事をギャンブル的に一か八かで頼むこともできません。


【営業をする時伝えた方がいいこと3選】

 これは営業をするときにも言っていることですが
・まず何者なのか?
・これまでなにをしてきたのか?
・そしてなにができるのか?

(時間が許されればこれからどんなことをやっていきたくて、そのためにどんな練習をしているのかを話す)


 相手は自分を知らないことを前提に話を進めていきます。なのでいきなり『話を聞いてください!』と言われても『なんで見ず知らずのあなたの話を聞かなくてはいけないの?』と、なります。

 だからまずは当たり前ですが、内容よりも自己紹介。長々とするとではなく「フリーランス(日本俳優連合会員)で声優・ナレーターをしております有野優樹と申します。御社の〇〇を拝見し、お力添えをさせていただけると確信しご連絡いたしました」くらいの長さで、あなたにメリットがありますよ、だからすこしでいいので聞いてくださいということをお伝えします。

 営業とは自分のお仕事につなげるための行為なので、正直にいうと、自分のためが強いです。しかし、相手には関係ないことなので「僕を使ったらこんな得があります!」や、一緒にお仕事したら楽しそうかも!と思っていただけるように、自分の魅力を伝えます。だから、自己分析が大切なのです。

 そして耳を傾けてくれたら次は、自分は今までこんなお仕事をしてきました、とくにこんなお仕事が多かったですと説明します。これは『耳を傾けてくれている』というのが重要です。
 聞く姿勢になってもらっていないのにも関わらず話してしまうと『あぁ、自分語りばかりする人なんだ』と思われ、かえって良くありません。
 営業はお仕事につなげるための行為なので、これでは逆にお仕事を減らしてしまうことになりますね。せっかく時間を使って営業するのにこれではいけません。
 『耳を傾けてもらい、自分の話を聞いていただける状態になったら』スタートです。


【失敗談】

ここで僕の失敗談を。とある製作会社様へ営業連絡したときのことです。一度ご連絡してお返事がなかったので、同じ文章を3度ほどお送りました。すると

 『スパムメールのような文章を送らないでください、迷惑です。これ以上のご連絡はそれなりの措置を取らせていただきます。返信は入りません』と。

 文章を変えたり、前回お送りさせていただいたのですがとせめて前置きをつけるべきでした。最低限、一箇所に自分で自分の悪評価をつけてしまったことになります。しつこすぎる連絡にはみなさんは、注意しましょう💦

 最後に。『なにができるのか?』
これもあれもそれもできますではなく、有野優樹はなにができる人間なのか?と覚えていただく、そしてお仕事依頼をしたいと思った時に「あ!これなら有野ができそうだ!」と、思い出してもらう必要があります。

 僕は「明るく落ち着きのあるナレーション、たとえば不動産系や30代〜40代のすこし大人向けの商品・サービス紹介の動画にはぴったりです」とお伝えしています。

 なのでドキュメンタリーのような重く説得力のあるものや、報道系のような真面目にしっかりと読むものなどの依頼はありません。そのかわり、若い男性の声(少し素人っぽい読み)の場合、決まりはしなくとも候補には挙げていただきます。


『この雰囲気にはあの人の声が合いそうだ!』

 自己研究をして、なにが向いていそうなのか?自分にはなにが求められているのかを考えてボイスサンプルを作り、営業をします。

 自分がお仕事を頼む側になって考えみたり、どのタイミングでナレーターが欲しいと考えるのか。自分のやりたいことをど返しして、プロデューサーやディレクターになったつもりになって考える。

 僕が営業で失敗したように、自分主義の考えではなかなかお仕事につながりません。今ではいろいろな製作会社様、動画制作者様とつながりお仕事のご相談をいただきますが最初からあったわけではありません。

 専門学校を卒後して、事務所に入りなんのツテもないまま一年で事務所をやめて怪しいそうなオーディションをいっぱい受けてきて、これはまずい、これは大丈夫そうと文言や相手の受け答え方でわかるようになってきました。

 “何事も経験”と言われたりしますが、この言葉あまり好きではありません。たしかに経験は大切なんですが、なんのためなのか?新しいことをやって仲間内で褒めあって、慰め合うことはしたくなく、次に活かせることが『経験』だと思っています。

 飲み会に頻繁に参加しているとき、監督さんやプロデューサーさんには挨拶をするのに、新人には挨拶をしない先輩がいらっしゃいました。ある意味賢いです。よくわからない僕みたいな新人に挨拶するよりも、お仕事につながりそうな人に話に行く。ボイスサンプルを聞いてくださいと言ったり、こんなことをやりたいです!と伝える。

 僕はそれを卑しいと思っていました。でも、変に斜に構えている新人なんて可愛くないんですよね。愛嬌もないですし、1人でできると思っているんだろうなと思われてしまう。それよりも、聞いてください!と、勢いよく来てくれた方が新人ぽくて、まだ荒いお芝居でも、ちょい役でもいいから話を振ってみようかな?となります。

 これからはもっと正直に斜に構えずアピールしていきたいです(⌒-⌒; )💦

 と、いうわけで最後までお読みいただきありがとうございました!


声優・ナレーター
有野優樹(ありのひろき)


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正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。