プロローグ:毎朝、毎晩、宙に浮いていた。
これまでも、朝日は美しいものなのだと君に聞かされて生きてきた。朝日を見ると、二度とやってこない今日という一日の始まりを感じることができるのだと。実際、そうなんだろうなと思う。毎朝、日が昇って、昨日とは違う一日が始まって。そういったことをちゃんと実感しながら生きて行けたら、今日という一日がちゃんと人生の一歩になってくれそうな気がするのに、僕はそれを頭では確かに分かっていて、願っている気がしているのに。なのに、僕は、朝日を見ても、君が言っているような実感をいまいち持つことがで