カテゴリー理解が勝敗を分ける~①「最寄り品」「買い回り品」「専門品」の特徴と違い~
はじめに
施策やコンセプト立案に際し、意外と見落としがちなことは商品カテゴリーにより「求められているもの」「購買決定の判断基準」が違うということです。意外とそこを踏まえずに施策のアイデアや面白さだけにフォーカスされた議論が展開される場は多いのです。
逆をいえば、消費者が当該カテゴリーにおいて「何を重視して意思決定をしているか」ということがわかれば、より効果的な施策設計や顧客体験を生み出せます。
ということで今回は「カテゴリー理解」を紐解くカギとなる「最寄り品」「買い回り品」「専門品」の違いをお伝えします!
「最寄り品」「買い回り品」「専門品」の特徴と違い
結論からお伝えします。
カテゴリー理解のコツは「自社の属する商品カテゴリー・価格帯以外のカテゴリーとの比較をすること」です。
みなさんの扱う商品が「どう思われ、どのような買われ方」をしているのかということを俯瞰で見ることができるからです。
◆最寄品
「食品」「飲料」「日用雑貨」などに代表される商品カテゴリー
(補足)
「最寄り品」はその特性上、消費者の最寄店舗に商品を配荷することが大事です。目立つ位置に商品を陳列させるなどの「製品アクセスの機会」を確保することが売上拡大につながることが多いです。
◆買い回り品
「家電製品」「アパレル」「化粧品」などに代表される商品カテゴリー
(補足)
最寄品に分類されそうな消耗品であっても、「特別な肌触り、特別な匂いがするティッシュ」などのこだわりや嗜好性が高い製品は、買回品に分類されるケースもあります
◆専門品
「住宅」「自動車」「高級衣類品」「カメラ」「生命保険」などに代表される商品カテゴリー。
※住宅や自動車など買い回り品といえるものもあるのですが、ここでは便宜上専門品として記載しています
(補足)
PCやスマートフォンのように、市場での普及度が上がるとともに買回品となる例もあります
専門品・買い回り品の重要なキーワード「指名買い」と「ブランド選好」
専門品・買い回り品は、高価格で購入頻度が少ないという構造上、1チャンスで「この商品が欲しい!」と指名される状態でなければいけません。
仮に「車を買いたい!」「家を買いたい!」となった時にまず選択肢として頭に浮かんでくることが欠かせませんし、その中から指名されるには「ブランドが好んで、選ばれること」が肝になってくるわけです。失敗リスクやエンゲージメントが高いからこそです。
指名買いを狙うには「専門品としての競争力」を上げるにはブランド構築・維持を考慮したプロモーションなどが欠かせません。
「最寄り品」と「買い回り品・専門品」の相違点
もうお分かりかと思いますが、大きくは「ほとんど検討しない」「かなり入念に検討する」かの違いです。
①最寄り品はほとんど検討されず、「消費者の生活習慣」に組み込まれている
・売り場で商品を認知してすぐに「カゴ行き」というのがある意味理想です。ほぼ無意識レベルで指名買いされるという「習慣購買」の状態になることが大事なのです。
食品や飲料などの「ロングセラー品」が勝ち続けているのは生活の中の「定番品」になっているからです。
※ロングセラーブランドは、一度上げた知名度は維持し、小さなリニューアルや新用途の提案、TVCMなどで再想起させる施策を欠かしていません
②「買い回り品・専門品」は入念に検討される
・最寄り品と違い「知っているだけ」では買われるハードルが高いため、ブランド・イメージがとても大事になります。
・また、比較検討に備えて「ユーザーレビューの量や質」や「オウンドメディアの充実」なども有効な一手となるでしょう。ただし勘違いしてはいけないのは、大前提として「ブランド力」「信頼感」につながる知名度はベースとして欠かせません。
※認知が取れていない状態でオウンドメディア制作に注力すると、多くの人に届かずに、非効率な施作になりがちです。同時にボトルネックとなっている認知度の向上に着手することが必要です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「最寄り品」「買い回り品」「専門品」の特徴と違いを理解するだけでも、マーケティング費・人といったリソースの当てどころや消費者心理がわかりやすくなり、有効な施策立案につなげることができます。
ぜひ、ご参考になれば幸いです。
~ご一読ありがとうございました!~
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