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#映画 アパレルデザイナー/モノづくりの裏側と『価値』と『作り手』が宿すもの

こんにちわ。建築士×〇〇 arisa です。
『アパレルデザイナー』(昨日(1月10日)上映開始)のレビューと感想(ネタばれ有り)について書いています(^ ^)

【あらすじ】
ファストファッションの波に流され、ある老舗アパレルブランドの経営が大きく傾く。社運をかけた立て直しプロジェクト。白羽の矢を立てられたのは1人の天才デザイナー、主人公/藤村雄二(高嶋政伸)。世界も注目する彼はこの会社で育ち、退社した経緯をもつ。藤村は偶然道の途中で知り合った、1人のパタンナー/加世田京子(堀田茜)をチームに引き入れ、3名の若手社員とPRESSのエキスパート片岡(高島礼子)と。そして彼女が見つけた逸材ヒール職人:岸本ゆり子(西村美柚)と共に、社運を賭けたショーに挑む。社運を賭けたショー成功のために『個』の能力、提携先とのをつなぎ合わせ、次々と現れる難題をチームで解決・達成し成功へと導く


『モノを作ることは、ゴミをつくることじゃない』
そんなの、当たり前でしょ!?と思ってしまうけれど。


モノに溢れた今、本当に必要なモノはどれだけあるのだろう?建築も洋服も世に出してみなければ、本当に必要とされているものなのかわからないし。売れなければ、商売としては当然成り立たないです。だからと言って安易にコピペを作りたいわけでも、賞賛なく好きなモノだけバカスカ出せるほど、時間と資金に溢れているわけでもない


作り手の、
こだわりが強すぎれば『自己満足』
こだわりがなければ『無価値』


『良いものをつくる』
『顧客が満足するものを作る』
『2番煎じは飲まない!』


ファストファッションと呼ばれる、安価でオシャレな洋服が溢れた、日本のアパレル業界で。経営が傾きかけたブランドの裏側と。一人のデザイナーを中心とした作り手たちにずーっとスポットが当たっている、珍しい映画でした。

デザイナー、パタンナー、縫製工場
メーカー、PR、ショー、舞台設計、モデル…

様々な職業の方たちの想いが交差しては、絡まり積みあがっていく。こだわりと予算のせめぎあい。こだわりをカタチにするために、繰り返され続ける交渉。積み重なる工程や、必要とされる技術。イメージに合う素材探し、細部調整。考えなきゃいけないことばかり。



伝統、経費、センス、経営方針、時間、仲間、技術、やりがい。決してお金や売上、知名度だけじゃない、モノ作りの価値が問われます。


上映初日♡
まばらな人数ながら、中央付近に座って時間を待つお客さんたちを見ると。なんとなく。同じ作り手側なのかな~なんて、勝手に嬉しくなったりww

『モノ作り』という仕事に共通するであろう出来事に。豪華な出演陣たちが、物づくりの在り方と。一喜一憂しながら仕事への姿勢と喜びを教えてくれる、映画でした。

※この先ネタバレの嵐が吹いてますーご注意ください♡


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映画『アパレルデザイナー』
自戒の念を込めて。

ーわたしが、この世に生み出したモノは
『本当に、価値あるもの』ですか。


“服とは。人間に1番近いアートである”
“靴とは。第二の心臓であり、洋服を彩る最高のアクセサリーである。
服は。人の感情を作り、人の感情に寄り添うものである。

映画『アパレルデザイナー』より

まず、初めに。「え。何それ〜!?」って気になっちゃた方は、この3連休に映画館にGO→して下さい♫と、いいますのも。今回のこの映画、めちゃめちゃ豪華な出演陣なのに、2020年1月16日(予定)までというめちゃめちゃ短い放映期間(予定)なのです。しかも全国放映ではあるのだけれど、まさかの各都市1、2箇所しか上映していないという少なさ(//∇//)何でーーー

▶︎放映している映画館


都心だとお台場のユナイテッドシネマアクアシティ
《神奈川》 イオンシネマ港北、TOHOシネマズ上大岡
《千葉》イオンシネマ幕張新都心 TOHOシネマズ八千代緑が丘
《埼玉》イオンシネマ春日部
《群馬》イオンシネマ高崎
《京都》イオンシネマ京都桂川
《大阪》ユナイテッドシネマほか

とりあえず、ココで気になった方がいましたら読むのやめて映画館行ってくださーい。そして、ココで感想を語りましょ♡
(昨日言ってよ!って文句は後で聞きまする(//∇//))


そんな劇中の踊って歌う、ファッションショーの様子がチラ見出来できちゃうショートムービー♡はこちら↓↓SORAさんとTiaさんの美声が、ショーの形に捉われないショーの演出も好きです♡



歌い手のTiaさんのステキな挿入歌は、耳に残ります♬
劇中のファッションショーの様子など。出演陣等の詳細情報は↓公式HP↓を見て下さいね♡
http://apparel-designer.tokyo
ー※ー



洋服を作るー。それは、ただのオシャレではなくて。

ただ着るモノ、ではなくて。

誰かの人生の、支えになる。戦闘服にも、癒し服にもなる

『服は、人を変えることができる』

真新しい服に袖を通したときの、フィットする着心地の良さ。あのワクワクする高揚感。鏡の前で何度も見てしまうけれど。メイクも髪型も、するすると勝手に決まっていく。心と身体がふわっと、軽くなる感覚。

女子には必須の、勝負服。たった1着でもあるのと、ないのとでは大違い。
常に側で励まし、着る人の人生を色鮮やかに、盛り立てることができるもの。


"始まりの1枚の絵"から始まる、そのスタイルは。

それに似合う、テキスタイルと手触りをもつ生地を選び抜く
始まりの一枚から、立体的にカタチを切り抜くパタンナー
作りあげる空間認知、見えない縫製技術。

まだ見ぬ、最高のモノを信じ広めるために。営業に走り回るプレス。

揃えられていく小物やモデル、ヘアメイクデザイン。
世界観が重なり合う、音響や照明設計。

“本物”が仕上がり
選び抜かれた”彼女たち”が袖を通す、その時にー
洋服に、命が宿る。



▶出逢いと、伸びる才能

人って、やっぱり出会いで人生加速する。

主人公 藤村(高嶋政伸)が雨の中、黒猫ちゃんを通してパタンナー 加世田(堀田茜)と出会いますが。こんな偶然ってどんだけの確率ですか??って思ってしまうけど。以外と日常に溢れてる。

どしゃ降りの雨の中。捨てられたらしき子猫を追いかけた先にあった小さなブティック。ショーケースに飾られた洋服に惹かれて、ふらっと入ったお店の奥で、真剣な眼差しでハサミで布をチョキチョキ切り進めていた加世田。あまりの集中力にふらっと自分のお店に入ってきた怪しい人に気付かない。

突然自分が作っていた生地に手を出され、驚く加世田。そんな加世田を横目に藤村は何も気にせず、ただただ生地をチェックし始める。


うん、良いね!キミ、うちにこない?


藤村(高嶋政伸)の名刺を受け取った加世田は、相手が有名デザイナーだと分かり、テンションMAX。大喜び(めっちゃかわいぃ♡)


技術者冥利につきる、羨ましい場面。
やっぱり何でもカタチにして、触れることが出来るようにしておくことは、とっても大事だなーと思った瞬間。


▶︎仕事のカタチ


「…お前のこだわりって、何?」

アシスタント時代って、学び多き期間。でも、じぶんらしさにモヤモヤする時期でもある。藤村(高嶋政伸)が自分のアシスタント、吉野(飯島飯島寛騎)に、ふと向けた言葉はちょっと手厳しい。


吉野「んーーカッコよさ、とか?」「動きやすさ…とか?」

吉野くんが自分が着ている服を触りながら、出した答えはちょっぴり曖昧で。自信がなさげ。

藤村「着心地は、どうだ?」
「少し動かしずらいんじゃないか?」

続ける藤村に「…」
言葉に詰まる、吉野くん。


どうして今。それを選んで、ここに着てきているんだ?」


別にダサいとか、似合ってないとかでわたしを責めているわけではなくて。『何の意図を持って、選んできたのか、理由を述べよ』ってことだとわかる。イメージや、伝えたいことを、ちゃんとカタチに出来ているか確認されてる。

感性は大事だけど、なんとなくじゃ、ダメ。

プロは。作り手は、『ただ、なんとなく』でモノを選んではいけない、作ってはいけないという厳しさ。何のためにそれを生み出すのか、選んだのか。答えられなければいけない。たとえ、つたない言葉でも。想いをカタチに乗せること。


この場面-ちょっと息止まりそうになりまして。胸がえぐられるように痛かったのですが。その日に私が着ていた洋服は、ニットのワンピース。何かこの映画に、場所に意図があって着ていた訳でもなく。ただ着たいと思ったから着てきたStyle。そして、思い出してしまった師匠の言葉。


「どうして今日、その服を選んできたの?」


すっかり記憶の隅にやられていたことに恥ずかしくもなり。


デザイナーとは何を考え、何を想ってどんな問題解決を、世界観をデザインするべきなのか。モノづくりとは…何にこだわり、カタチに落として伝えていくのか。モノづくりに関わる者は、何にこだわり、この場にいるのか


洋服で言えば、ラインや生地感。着たときの肌触りと着心地。
デザイン、縫製のキレイさ。デザイナーが何のメッセージをメインに込めて、この服を送り出したのか。それに合う空間はどんななのか。

自分自身のキャラと良さを引き出しているか?
何だかんだといいながらも。「コレいいかも♫」って直感で選んで、買える金額の服をただ、買い集めて組み合わせていただけで。作り手の想いを汲んで、生かしてたことなんてあったかな?なんて思いが走馬灯のように駆け抜けた瞬間。


▶︎『働き方』と『質』は、誰と過ごすかで変わる

「もう、ヤダ!!!!」

加世田(堀田茜)が藤村(高嶋政伸)から受け取ったデザイン画。それをカタチにする為に、試行錯誤で夜通しで仕上げたパターンと仮縫いのお洋服。

丁寧に、早く正確にカタチに出来る人は、そうそういない。
行動力と実力がある人が、何よりも優先されるのはピンチの時こそ。


藤村はその出来を見て、「良いね!」って褒めるのですが…
「やっぱ、このデザインやめるわ」って鬼の一言を放ちます。


そして、あっさり違うデザインに変更しちゃうのです。
仮縫いまで仕上げられた、ドールが着ている服をもう見ることもないまま。


「こっち、作っといて」
ピラッと渡されるデザイン画

ザ・ありがち自己中ーー上司ーーーっ。

ブツブツ文句を言いつつも。すぐに次を仕上げちゃう、加世田(堀田茜)に惚れてしまうシーン(堀田茜ちゃんも大好きなので)

建築と洋服に共通するモノ。それは決して延ばすことの出来ない『納期』と言う名の締め切り。おして一定ラインの『質』何か異常事態が起きたなら。眠らず、現場で朝を迎えるなんて珍しいことじゃない。今の働きかた改革とは、めちゃくちゃ逆行し続けてますけど…

だからこそ。ここまで、無茶振りしても、けちょんけちょんにされても。想いを組んで、対応してくれる相棒に出会えたなら。もう、それだけで最強な気がしません?もはや一生、大事にした方が良いと思う。

『限界』って誰が決めてるわけじゃない。
ただ自分が、『もう、限界だ』って決めて、降りていくだけ。
だからって、それも悪いことじゃない。道は1つじゃないから。


でも、きっと。本物の『作り手』たちは就業条件なんか考えてない。きっと、最後まで務まらない。想いを乗せて腕を磨き、自分を立たせ、時間と質のコントロールすることのできる人が、最後まで生き残るのかもしれない。と思いました。


しかも、それを楽しめる人は最強ww

加世田のように、こだわるところは決して譲らない。中途半端じゃ気にいらない。頑固とも捉えられる、その特性は。より、良いモノを作り出すのに、絶対に培う必要のある『信念』と同意語だと思うから。だから、それを受け入れてくれる上司や環境があって、やり続けて初めて眠れる才能が開花する。


▶︎責任と腕前の先にあるもの

チームプレイである以上、個人のちからだけではどうにもならないことは、必ず訪れます。どの仕事もそうですよね…順調そうに見えたって、事件は突然起きる。

加世田(堀田茜)が、先輩女性をごぼう抜きで突然チームリーダーに任命されちゃう、嬉しい場面はプチ事件発生です。

藤村「コレがお前らの限界か〜??
どれもイマイチだなー」

ドールに着せられた洋服を見ながら、酷評を繰り返す藤村。最後の1枚のワンピースの前でふと立止まると…

藤村「コレ、作ったの誰だ?」

「はい、わたし…です」

と、恐るおそる手を挙げた、加世田(堀田茜)。
藤村に散々酷評されまくったあと、くら〜いムードが漂う中、1人褒められてしまう気まずさと嬉しさ。

「よし。じゃあ、今から加世田がリーダーだ!」

(当たり前の出来なのですが…)大ブーイング!!力の差は歴然ながら、認められない3人の若手社員からは結果、そっぽを向かれるハメに…


『実力社会』は技術の世界では、よくあることだと思います。そして、同時に年功序列じゃないことにちょっと希望を感じちゃう。実際は、上にいけばいくほど年功序列の波に飲まれてしまうと思うのですが。


認めて欲しい、任せて欲しい。
「年齢的にも、立場的にも次は“わたし”のはずなのに!!なんであの子が」

何だかどの会社でも、わたしがいた建築業界でも。何度も目にしたこの場面に。そっぽを向く方の気持ちも、そして向かれる側の気持ちもわかってしまって、なんだか微妙な気持ちでしたww

そんなチームの状態に悩む加世田(堀田茜)には、心理的ストレスと。3人不在による仕事量増加で、イライラノンストップっ。そんな悩む加世田(堀田茜)に原因を作った藤村がかけた、思いがけない言葉はーー

「俺、〇〇じゃないし」
(確かに!!そして、深い言葉…劇場で見て下さいね♡ww)


そっぽを向きたくなるのは、経験年数を積み重ねてきたからこそ。与えられた仕事に自分に、納得出来なくなったとき。もっと上の仕事がしたいし、認められたい経験者たちの苦悩。

「こんな仕事、わたしじゃなくてもいいんじゃないですか!?」って思う気持ちと、もっと上司に頼られたいと思う気持ち。いつまで雑用係なんだ!?って、役立たずのレッテルを貼られているような気持ち。


ありました、ありましたww仕事の小さい、大きいで選んでいるわけではないけれど。「やらせてさえくれれば、結果は出せる!」って強気な時期も。きっと、働くマンは誰でも1度は通る道かな、と。


逆に、昇級意欲とかないし、そんなつもりも教育もされてないのに、突然加世田(堀田茜)のように、管理職を言い渡されて困惑したまま鬱になってしまう人とか。クリアしていくには、やはり周りの環境と自分の心構えが必要不可欠。

加世田(堀田茜)に課せられたのは、日が浅い同僚たちとの関係、仕事量の多さ。

ただ、良いモノを作りたいだけなのに。生み出す職人タイプの人にとっては『マネジメント』という課題は重荷になりやすく。
『作ること』に集中出来ずに、溜まっていくフラストレーションに足を引っ張られる。そこをどうやって乗り越えて、良いものを作るのか?

この時、救ったのは専務、平方(前川泰之)。藤村の過去の苦ーい思い出を知る、唯一の人。

『広い倉庫に敷き詰めれた段ボール。投げ出された洋服の数々。タグにハサミを入れ続ける仕事。自分が愛した、この会社の命とも言えるタグを切る。絶望に等しいバイトをしたことがあった。着られないままゴミとなる、洋服をたくさん見てきた』

タグにハサミをいれる苦しみは、いかほどか。自分たちが作り上げたモノは誰かの手に渡り、時を重ねるはずだと信じてる。生み出したものがそのまま着られることなく、最後はブランドの命であるロゴもタグも外されゴミとなる。

つくり手として、こんなショッキングな光景はない。


会社の社員を食べさせていくために"ただ売れれば良い。誰かの2番煎じでも、売上さえ経てばそれで良い"、細部にこだわり時間をかけることは無駄。時短こそ、売れてるものを真似してでも。早く結果を出す事が、正義!


稼がなければいけないことぐらい、誰でもわかってると思います。顧客を満足させ、社員を食べさせていかなければいけない社長の苦しみも。プレッシャーも相当なもの。

でも、本当にそうなのかな?
結果だけを、利益だけを見てものづくりをしているの?

モノ作りって、きっとそうじゃない。
もっと、人々の笑顔と自由を増やすものじゃないのか。


『だってしょうがないじゃん?
上長がそう言ってるんだから』


どうして?納得できない、1番キライな言葉だけど。
だけどついつい、口にしそうになるこの言葉に。
何度やられそうになったか。


「手を抜くなよ〜!お前らの作っているのは、ただのゴミだ」


穏やかにも見えながら、怒りが籠る、藤村(高嶋政伸)の言葉に。チームの雰囲気が一気に悪くなります。誰でも自分の作ったものを『ゴミ』だなんて思いたくないから。ちゃんとやってる!って思っているから。

でも、求められているのはそこじゃない。自分が怒られているような気がしてしまったのは。きっと自分の中に言い訳をしている分身がいたから。

でも、うらやましくもある。
だって。個人のことをよく観ていてくれていなければ「本人が実力を出していない」なんて、まず気付けないはずだから。

手触りと質感で生地を選び、糸を選ぶ、パターンを引く、シワの寄り。着心地にこだわって縫い合わせるー。歩くたびに揺れるそのスカートが。彼女を、1番キレイに飾るように何度も修正が重ねられる。


生地によって、糸とミシンを変えていく丁寧さ。
工程が増えても、手染めでしか出せない、その色合いと質感を実現させる。


1つ1つに魅了される、職人の技と想い。どんな業界にも必ずある、見えない仕事のきめ細やかさ。技術と成果を支える、職人さんたちの後ろ姿。苦悩と、喜びの連鎖のカタチ。


裏腹に。細部にこだわれずに世に出たものは、買われることも気付かれることもなく、やっぱりただのゴミに成り下がっていくのかもしれない。どんなに、真新しくても。『価値』がつくことがないまま。


『自分が作り出したものが、ゴミであるはずが無いー』


もしかしたら多くの作り手が、目をそらしているだけで。『価値』がない、自己満足なモノを作り続けているのかもしれない。生活の為だけに。

年間100万トンを超えるとも言われている、日本の洋服の廃棄量。年々増加してきた原因は、とにかくコストを下げるために必要以上の大量生産を行ったことによる副産物と言われています。

そして、もちろんわたしがいる建築業界も。ファッション業界と並んで、建設・解体時のゴミが深刻な環境問題になっています。その過程で大量に出る二酸化炭素と、混合廃棄物が問題の種。その為に、価値を作り直す為に。リノベーションや古民家再生に力を入れている方々がいるのだけれど。日本では人口に対して家が過剰に余っていく『空き家問題』は避けられない。

最近では、洋服は燃料に変換出来ないか、とか。「そもそも過剰に作らない為にはどうしたら良いか」など、各メゾンやブランドがそれぞれに取り組み始めて数年。まだまだ課題は山積みでも、少しづつ変わってきている。

ーやっぱり、作り手側としても考えることが多いと思った。『必要なモノを、必要なだけつくる』自己満足ではない、モノづくりと革新をどう表現し、必要としてもらうのか。
※↓商社である伊藤忠の戦いも↓深いです!※



▶一流って、なにか

必要なら、自分の足で生地を探し工場へ交渉に出向く。自分の手で広告を作り、コンセプトを練る。そこに立場や役職は一切関係ない。


「一流への道に、コレだけやってれば良い。なんて近道はない」

アシスタントの吉野(飯島寛騎)が一流への道順を尋ねた時の、藤村の答えが示している。

常に腕を磨いておかなくちゃ、いざと言う時に何も出来ずにきっと。その場に立ちすくむだけ。おろおろなんてしたくはないし、そこから簡単に逃げ出したくもない。


そんなの、死ぬほど後悔することぐらい、想像しなくてもわかる。だから、その為の準備とも言える日々を毎日『やるか』『やらないか』を積み上げるだけ。その違いが、最後に表に出るだけ。


欲しいものが1クリックでいつでも手に入るからこそ。
簡略化&効率化の波に飲まれることなく、どれだけ“本物“を守り、新しいものと掛け合わせて。売り上げを伸ばし続けることができるのか。

自分の仕事に葛藤しながらも、夢を追い服作りに勤しむ加世田(堀田茜)。実家の呉服屋後継問題で、父親に京都に呼び戻されてしまいます。母親の遺影に手を合わせている加世田に「いつまでこんなことやるつもりや」と言い放つ父親。手には藤村と手がける1枚のチラシ。


「今はただ。服作りが楽しいねん!…だから、もうちょっとだけ待って」

真剣な加世田の眼差しを受け止める父親とのシーン。

自分の覚悟も何も。1つも親に相談せず、何もかも勝手に決めてきたわたしには。『継ぐもの』と、この『やりとり』が何だか羨ましくもありました。

「しゃーないな」って。ふっ、と笑みを浮かべ

「はよ、東京帰れ」

と、その気概に満足したかのように加世田(堀田茜)を送り出す父の横顔は、好き過ぎました。そんな加世田のメイクが、普段のお仕事中と全然違うので要チェックポイントです♡ww


▶経営者の度重なる苦悩と、作り手の限界

ショー開催までカウントダウン。順調に進んでいたかに見えたプロジェクトに強制終了の鐘が鳴り響く。社長(西村まさ彦)の権力で、メーカー、会場、プロデューサー、雑誌社などからキャンセルの電話が鳴り響きます。

そして、必死に想いを伝える藤村の言葉は届かず、ショーに使われるはずだった洋服は社長(西村まさひこ)の手によってズタズタに切り裂かれ。社長のいうことを聞くしかない社員たちは、去っていきます。

さすがの藤村も立ち直れず。家で一人お酒に浸り寝てしまう。そんな藤村の元に現れたのは、ふらふらになった岸本(西村美柚)が持ってきたヒールを見るまでは。


「だって約束しましたから。藤村さんの服に合う、靴をつくるって!」


復活した藤村が会社へ向かうと、そこには加世田や吉野の姿が。
誰もこのプロジェクトを諦めてはいなかった。
必ず成功できると、確信してる。


ー・-----・--・--------・-
とあるガレージの中で開かれるラストシーン
歌と光に包まれたファッションショーは必見です。
歌と靴に隠されたメッセージもぜひ読み解いて見てください♡


「いつか、お前もココに名前を出せー
お前ならこの世界で、しぶとく生き抜いていけるよ」


ショーの片付け中に、Yuji-Hujimuraの名前が書かれた看板の前で。片付けをする加世田に、藤村が送った最高の褒め言葉。
新たな目標や、夢をくれるのは。いつでも先をいく先輩の背中


"真剣"って、行動で応えてこそ
その先の、結果を出してこそ

信じてくれた人の期待に。最大限の努力で応えることが出来てこそ、自分の志事ー


ワンシーン、ワンシーン
なぜか、涙が溢れちゃう。
心が動く。もはや、何かせずにはいられないww


『本物』を作る!そんな心意気のあるチームで仕事が出来る様に、必要とされるよう。ただただ、愚直に腕を磨き続けようと思えた映画でした。

是非、映画館でご覧ください♡


ーあなたが手にしたその『モノ』は
本当に、"あの人"を彩る『価値のあるモノ』ですか


誰かの人生を照らす、『光』となれー
作り手の、確かな『価値』が、必要です


“服とは。人に1番近いアートである”
“靴とは。第二の心臓であり、服を彩る最高のアクセサリーである。
誰かの人生を彩り濃く、飾るアートであれー


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
新しいショーの形に乗せ、魅せてくれるファッションショー
ラストのショーを飾るモデルたちと、歌は必見です〜♡

この映画に関われたことに、感謝♡

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