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女性の地位は1世代で向上できる〜 台湾に学ぶ

先日、仕事で台湾を訪れました。私が以前、仕事で台湾を頻繁に訪れていたのは1999年ごろ。既に20年も経過していたことで、台湾の様々な変化に気づくことのできる旅となりました。その中でも特筆すべきことが、目覚ましい女性地位の向上です。

1999年当初、台湾へ仕事に行き取引先やお客様との会議・会合では、男性の管理職に男女の社員という光景が、恐らく9割を占めていたと思います。太平洋戦争当時、日本の占領下にあり、日本教育が実行された背景もあり、数十年前は日本の社会と同じような感覚でしたので、あまり違和感はありませんでした。ところが、2019年の今回、その光景は激変していたのです。

まず、台北の空港での入国管理の列に並んでいると、管理官を監視して監督している方は見るからに権限の強そうな女性。逆に監督されている人は若い男性入国管理官たちでした。監督していたその女性のアシスタントたちの殆どは女性でした。仕事上のパートナー企業、お客様に向かうとその会議での光景も同じように、女性の上司、男女の部下という構図です。私の働いている企業の台湾支社は、台湾では外資系のスタートアップのような状況で、まだ決まったオフィスも構えていません。日夜、台湾中を走り回ってくれている営業・営業支援のメンバーは殆どが女性で、彼らが私を客先やパートナー会社へ案内してくれたのです。

あまりのキャリア女性の多さとパワーに、思わず現地営業社員の一人に訪ねてみました(その女性には3人の小さな子供がいます)。私が、「20年前に台湾に来たとき、男性上位な社会だったと思うけど、あなたのお母さんの世代の人たちもこんなに外で働くことができたの?」すると彼女の答えは私の予想通りで「いえ、家にいてご飯を作ったり家族の世話をしていました」

ここまでお話しすると、日本の皆さんはきっと行政のサポートなど税金によって色々と構造を変えたからではないか?などと予想するでしょう。子育て支援が日本のレベルに達したのは、確かのようです。しかし、そうした細かいサポート以外にそれほど日本との違いは見えないのです。毎年、マスターカードが全世界で発表している「女性の社会進出度調査」というものがあります。この10年ほどは、台湾はアジア大洋州の中で、オーストラリア・ニュージーランド・シンガポール・フィリピンに続いて常に5位以内という快挙を遂げています。(日本が韓国やインドと共に同地域の最下位を争っていることは言うまでもありません) 参考資料

この変化がどのように起きたのか、台湾滞在中に働く女性たちをつぶさに観察してあることに気づきました。彼らのキャリアはシステムや男性社会のルールに従っていないのです。「女性の社会進出度調査」でも触れられていることですが、女性は女性の社会を作りそこで起業し、男性システムに負けないビジネスシステムを作っていく。また、女性は家で家事や子育てをするような古き常識を、殆ど無視しています。かなり昔から台湾では「夜市」と呼ばれるストリートフードによる外食が発達していますが、このところこの発達が更に目覚ましく、聞けば女性は外で働くので夕食は、そうした夜市で済ませるか、買って帰るのだというのです。話をしているとそれが何が悪いのか?といった感じさえします。

ここで私たち日本人が学ぶべきは、

1. その気になれば1世代で女性の地位を変えることができる
2. 男性の作り上げたシステムに乗る必要はない
3. 女性の社会進出をサポートするのはシステムではなく、女性起業家の力が大きい

ということになるでしょう。

私は日本生まれの男性ですが、日本を出て様々な人種の人たちと仕事をした今、日本にいらっしゃる女性たちに本当に頑張って地位を向上して欲しい、そう思っています。仕事をしているとわかるのですが、実は仕事の能力というのは総じて男性よりも女性の方が優れています。それは責任感が生まれ持って女性の方が強いという背景があると思われます。

日本の今を生きる女性のみなさん、頑張って世代をまたがずに社会を変えていきましょう。

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