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僕はもちろん、サンタクロースを今も信じている

クリスマスイヴの昨日、用あって電器店に行ったが、レジは長蛇の列。
見ればすべて親子連れで、子供の手には皆一様におもちゃがある。
電器店の一角におもちゃコーナーがあり、列はどうやらそこからレジに向かって長く続いているらしい。

遅々とした列の歩みに、親の顔にはうんざりの表情も浮かんでいたが、破顔一笑の子供たちの顔からは、楽しみでたまらない様子が伝わってくる。
クリスマスやもん、おもちゃ買ってもらうんは楽しみよな。

でもその一方でこうも思った。
この子たちの家には今晩サンタクロースは来ないのだろうと。

サンタクロースを今もまだ信じている。
というのは昨年のこの記事に書いた。

1年経った今も、もちろんまだ信じている。

友人同士、恋人同士、夫婦同士、多くの人たちがきっと昨晩ステキな贈り物を交わしたことだろう。
でもそれらは直接渡すのであって、そこにサンタは現れない。

サンタは子供専門だから当然?
いや、子供だって友達の家のクリスマス会に呼ばれて、ドキドキしながらプレゼント交換する時は直接手渡しだ。
子供だからといって、いつもサンタなのではない。
サンタは、親から子へ贈るプレゼントのみを引き受ける。

でも、もちろんどんな家にもサンタが来るわけではない。
サンタなんていない、という家にサンタは来ない。
サンタって実はお父さんとお母さんなんよ、という家にも来ない。
冒頭の、レジに並ぶ親子のところにもサンタはきっと来ない。

じゃあサンタってやっぱり本当はいない?
うちに来てくれるサンタはニセモノ?
――ううん大丈夫、サンタはいるよ。ニセモノじゃない。

でも学校の友達は、サンタなんていない!っていうよ?
最近、親からプレゼントもらってる、といってるよ?
――それはその家のクリスマス。いろんなクリスマスがあるんだよ。

サンタは、親と子が紡ぐ「物語」。
「今年も来てくれるかな」
「いい子にしてたらきっとね」
そんな物語の中にサンタはいる。
そんな家にはずっとサンタがやって来る。

僕はもちろん、サンタクロースを今も信じている。

(2022/12/25記)

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