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眺めているうち、いつの間にやらどれにしようかなと選んでいた

郵便受けにトイザらスのおもちゃカタログが入っていた。
表紙には「トイザらクリスマス」とある。
いよいよ、そんなシーズンだ。

今から40年以上も前、この時期には僕も同じようなカタログでクリスマスのプレゼントを品定めしていた。
もちろん当時はトイザらスなどなく、町のおもちゃ屋さんのだけど。
その中から迷いに迷って選び、カタログはイヴにはもう古文書みたいにボロボロになっていた。
トミカ、プラレール、野球盤、ラジコン、人生ゲーム。
小さい頃、だいたいそんなおもちゃを選んだ。

ネット全盛の今、まだこうして紙の冊子があるのが嬉しい。
今どきはどんなおもちゃが載っているのだろう。
トミカ、プラレール、野球盤、ラジコン、人生ゲーム。
え、いっしょやん。

もちろん昔はなかったタマごっちやスイッチなどもあるが、それらにしても当時のゲームウォッチやファミコンの置き換えだ。
おもちゃの大筋が40年前と変わっていないことに驚いた。
もっとバーチャルでエレクトリカルな変貌を遂げていると思っていたのだ。

眺めているうち、いつの間にやらどれにしようかなと選んでいた。
もう天にお願いしてもおもちゃなんて届かないけれど。
僕の目が向いたのは、トミカやプラレールなどではない。
リカちゃん、メルちゃん、シルバニアファミリー…
当時、お願いできなかった女児向けのおもちゃに釘付けだ。

今もしお願いするなら、「ゆめみるリカちゃんギフトセット」という着せかえセットかな。
などと書くと変態と思われかねないが、僕は小さな頃から着せかえ遊びが好きだった。
子供向け雑誌の付録にあるような、服に小さなツメがいくつかついていて、それを折り曲げて体に引っかけるタイプの着せかえだ。
それだけでは飽き足らず、同じサイズの服をいくつも自作して着せかえのバリエーションをどんどん広げていったものだ。
ペラペラの2次元だけでなく、人形の着せかえもやりたかったのだけど、ついぞ親にそれをお願いすることはできなかった。

雛人形が欲しくてたまらなかった話は、以前この記事にも書いた。

大きくてかっこいいものより、小さくてかわいいものがずっと好きなのだ。

いくら頼んだところで親もさすがに男児に雛人形を買い与えることはなかったが、もしかしたらリカちゃんなら許してもらえたかも…ダメか。

(2022/11/29記)

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