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なんだかとても満たされた、アマトリチャーナの夜

2か月ほど前、8年越しで作った〈イワシのブカティーニ〉がこれまででいちばん旨かった記事をあげた。

ブカティーニとは、中心に穴が開いているロングパスタのことで、濃いソースとの相性が抜群。

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その時のブカティーニがまだ半分残っていたので、〈アマトリチャーナ〉を昨日初めて作ってみた。

アマトリチャーナとは、イタリア中部・アマトリーチェの羊飼いたちの伝統的なパスタ料理で、保存肉のグアンチャーレ(またはパンチェッタ)と羊乳のペコリーノチーズ、そしてブカティーニを用いて作る。

グアンチャーレ 豚ほほ肉(豚トロ)の塩漬け
パンチェッタ 豚バラ肉の塩漬け

よく知られたカルボナーラも、これらの塩漬け肉を使うパスタの代表格だ。

残念ながら近場ではグアンチャーレもパンチェッタも手に入らなかった。
そんな時はベーコンで代用することが多いが、煙で燻すベーコンは塩漬け肉とは別物であり、本来ないはずのスモークの香りがジャマをする。

ないなら自作するしかない。
グアンチャーレを作ってみたかったが、なかなか豚トロの塊は見かけないから、こちらの記事を参考に、パンチェッタにチャレンジ。

「仕込みは5分」とあるように、塩コショウをすり込むだけの簡単さ。
ただし冷蔵庫で最低1週間の熟成が必要だから、今日の今日とはいかない。

ちょうど1週間前に、5分かけて仕込んだ。

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いこまゆきこさんのレシピに従って5%の塩をすり込む。

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そして冷蔵庫で1週間、自家製パンチェッタはこんな感じに。

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おぉ! 肉がピンクから飴色に熟成されている。

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断面もいい感じじゃないか!

この自家製パンチェッタで作った昨日のパスタがこちらだ。

アマトリチャーナのブカティーニ
Bucatini all'Amatriciana(ブカティーニ・アッラ・マトリチャーナ)

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パンチェッタの塩がガツンときいている。
このしっかり系の味は、そんじょそこらのヤワなスパゲッティではムリなヤツ、太いブカティーニでなければ受け止められない。

もう一品、エビと菊菜のガーリックソテーを足す。
これもネットにあったレシピを参考に作ったものだが、5分ほどで作れる。

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菊菜の苦み、シャキシャキの食感、そしてプリプリのエビの旨み。
ちなみに菊菜は関西の呼び名だが、関東名は春菊だろうか。

酸化防止剤無添加の有機ぶどうワインとともに、ゆっくりと味わった。
なんだかとても満たされた、アマトリチャーナの夜。

(2021/12/6記)

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