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誰しも三田グルメに終日どっぷり

兵庫県三田市。
これを正しく読める人は東京にはいないと聞いたことがある。
東京では「ミタ」だが、ここは「サンダ」なのだ。

兵庫県サンダ市にその店はある。
「スイーツのテーマパーク」と称される〈パティシエ・エス コヤマ〉だ。

閑静な新興住宅街の中、1500坪もの広大な土地に本店、カフェ、ショコラ工房、パン工房などが林立し、中には12歳以下の子供しか入館できないパティスリー〈未来製作所〉などもあって、遊び心が満載。
大人気で、常に行列に並ぶ覚悟が必要だ。

代表作・小山ロールで知られる小山進氏は、〈インターナショナル・チョコレート・アワーズ〉でも金賞を連発、ショコラ界の風雲児とも呼ばれる。
残念ながら最近は違法残業で是正勧告を受けたニュースで有名だけど。

10年ほど前に氏の講演を聴いたが、まるで子供がそのまま大人になったようなアーティストと感じた。
それがこのテーマパークに表れているし、妥協のない楽しい商品パッケージにも表れている。

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〈未来製作所〉
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本や裁縫箱をイメージしたパッケージ

以前、カフェ〈eS LIVING hanare〉を訪れた。

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予約をしておかないと、「あ、今日は空いてる!」と思っても次々予約の人が通され、ほぞをかむことになる。

小山ロール、ボンボンショコラ、アイスクリームのセットプレート。

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弾力があるのに口の中でホロホロと溶けていくスポンジは確かにうまい。
長蛇の列に並んで1本買いをし、その場で恵方巻きのように食べきったこともある。

ボンボンショコラはおそらく小山氏がもっとも注力するジャンル。
一時期、百貨店のバレンタインフェアで出る新作を毎年楽しみにしていた。
チョコレートはそれほど得意ではないが、味噌、日本酒、山椒などの和素材を練り込んだ〈ショコラ ジャポネ〉シリーズが好きだったのだ。

スイーツ好きならサンダのこのテーマパークできっと1日過ごせる。

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サンダまで行ったなら、あわせて訪れたいのがステーキ〈三田屋〉。
〈三田屋〉には、兄弟が無関係に経営するステーキハウス〈三田屋〉〈三田屋本店〉、ハム〈三田屋総本家〉〈丹波三田屋〉があってややこしい。

能舞台併設の〈三田屋本店〉へ。

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日本庭園のようなアプローチを進んで店内に。

客席に通されていきなり眼前に開ける能楽堂。

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能の公演は月に一度なので観たことはないが、代わりに店内のピアノの生演奏で十分優雅な気分に浸れる。

最初に出てくるロースハム、これがたまらなくうまい。

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特製ドレッシングがハムをさっぱりと仕上げる。

黒毛和牛ヘレステーキ。
関東ならヒレステーキというのだろうか。

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側面だけ焼かれたレア状態で運ばれ、あとはお好みで熱々の鉄板の上で焼きを入れる。

もうね、たまらんね、これ。
ワインが進み、ピアノの音色と相まって…ふと気づいたらまどろんでいた。

誰しも三田グルメに終日どっぷりなことだろう。

(2022/8/17記)


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