Mr.Xはゲームが終わると、しばらく動けないほど疲弊する
「スコットランドヤード」というゲームをご存じだろうか。
ロンドンが舞台のボードゲームだ。
ロンドン市内に潜伏する怪盗Mr.Xを、スコットランドヤード(ロンドン警視庁)の刑事が捕まえるゲーム。
Mr.X担当は1名だが、刑事は複数名が担当し、チームでMr.Xを追う。
盤面は、無数のマスとそれをつなぐ交通路線で構成されている。
各プレイヤーは自分のコマをマスからマスへと移動させるのだが、Mr.Xはコマがなく、どこにいるのかが分からない。
これがこのゲームの最大の特徴だ。
交通路線にはタクシー、バス、地下鉄の3種あって、どの交通路線が使えるかはマスによって異なる。
Mr.Xは移動のたび、どの交通路線を使ったかを示さなければならない。
刑事はそれを元に、地下鉄を使ったということはあそこにいたのか? などと推理するわけだ。
さらにMr.Xは、何回かに一回は所在を明らかにしなくてはならない。
刑事はそれらの断片的な情報を総合し、チームとして相談しながらMr.Xを追い詰め、24ターンのうちに捕まえるのだ。
逆に24ターン逃げおおせられればMr.Xの勝ちとなる。
…というゲーム。
かなり端折ったが、イメージいただけただろうか。
簡単に言ってしまえば、鬼ごっこ。
でもこれがもうめちゃくちゃにハマる。
このうえなくスリリングなのだ。
ワンプレイ終わるとヘトヘトになる、いやヘロヘロになる。
刑事はあれこれ推理で頭がドンヨリ疲れるが、Mr.Xの疲れはその比でない。
見つからないよう捕まらないよう常にドキドキで、ボードに向けた視線で居場所がバレないよう、手で目を覆って指の隙間から様子を窺ったりもする。
刑事同士の会話を聞いて、自分が逃げる道筋を決めなくてはならない。
Mr.Xはゲームが終わると、しばらく動けないほど疲弊するのだ。
いちばん下の子が小学生の頃のクリスマスにもらい、それ以来、正月の定番ゲームとなった。
今年は攻守交代して2回やろう、といつも言いながら始め、2回目やったためしがない。
これほどまでにグッタリするゲーム、他に知らない。
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昨日の記事で、二黄卵から広島のお好み焼きの話になり、冒頭の神泡ビールの話とくっついて、夜はお好み焼きとビールにしよう、と書いた。
で、作った。
麺がなかったから関西のお好み焼きだ。
ふんだんに入ったキャベツの甘みがたまらないやつ。
水分は山芋と卵だけだから、いっそうキャベツの味わいが濃厚だ。
はい、できあがり。
久しぶりに焼いたけど、めっちゃおいしかった。
(2021/5/31記)