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歴史 「初期ヴァイオリン」の完成形

 ヴァイオリンボディの中腹断面は、円に近くなり、
駒はボディを「押し下げる」のではなく、「ねじる」ことになった。
この仕組み、初期ヴァイオリンの完成形として下図に示す。

駒は、中心に空洞のある回転しやすい形になり、
ボディを「ねじる」ための回転運動の核となる。

駒右足は、魂柱経由で裏板ねじれの内転を作る。
駒左足は、バスバー経由で表板コーナーに力を加え、
横板を押し曲げることで裏板をふちから押す。
これが、裏板ねじれの外転を作る。
 
よくできた仕組みだと思う。
回転半径の小さい内転には、張力の高い駒右側(E,A線)の力をのせている。
バスバーは、駒左足の張力をコーナー付近まで運べばよいので
上図ぐらいの長さで足りるはず。
 
では、ヴァイオリンボディを「ねじる」ことで、
演奏にどんな効果があるのか。
すぐに思いつくのは、余韻が長くなること。
 
「ねじれは急に止まらない」
 
古楽では8分音符を弓をのせたまま短く音を切るように演奏するが、
このねじれを止めるための奏法とは言えないだろうか。
 
もう一つは、「メッサ・ディ・ボーチェ」。
私は意識的にはやったことはないのですが、
ねじれで音を出すのなら、長い音で弓厚を加え続ければ、
音はかってに中ぶくらみしそうな気がするのですが、
どうでしょうか。
 
その当時の演奏様式と楽器の特性が相性が良いと、
信憑性が高まってきますね。


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