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Investigation

蛍光灯が鈍く光ってた.
時間は9時を回っていた…
薄暗い面会室だった.

「国選弁護人のKobayashiです」
「ああ,はじめまして」

逮捕されて,次の日の夜に,その弁護人はやってきた.
私選弁護人を雇うつもりはなかった.
有能な弁護士以外はそう判決は変わらないことを知っていた.

まず,これからどうなるか?などを尋ねたとおもう.

「自分のわかる範囲で証拠となるものはありますか?」
「ないよ」

押収されたものには証拠となるものは何一つなかった.

「どうして逮捕されたかわかりますか?」
「さぁ,憶測ではモノは言えないからなんとも言えないけど,ネズミとネコが話しをしてるんじゃないですか?ただこの事件についてはオレはわからないんですよ…あと刑事がオレが言ってないことも調書に書くんですよ…コレって手印押していいんですか?」

弁護人の顔が変わった
「ソレは絶対駄目ですよ!自分が納得したものであれば手印してください!相手は不利なコトをやってきます」

「ああ,そうなんですか.明日からは手印も押しませんね,あとは頼みます」

はじめての弁護人との面会が終わった頃には10時を超えていた.

薄暗い留置所の薄汚い布団の中で長くなりそうだなぁと考えていた.

取調べは約2ヶ月続いた.
はじめの取調べでは,ネズミとネコのコトをこっちから聞いた.
なんとなく自分の状況が理解できた.
刑事はオレが事件を認めないので,高圧的な態度だった.
刑事の質問には,すべて言いたくありませんと答えた.
確か記憶では4日ぐらい言いたくありませんと答えていた.
言いたくありませんというセリフを1000回ぐらい言ったとおもう.
5日目あたりから,ソレすらも面倒になった.
そのあたりから会話はなくなった.
刑事は質問だけをするようになった.

情報が入ってくるだけだった.
オレは椅子に手錠をかけられたまま,笑っていたとおもう.

黙っていると目の前にストーリーがなんとなくできあがっていった…


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