自分の機嫌は自分で取る!
試練に直面したとき、自分の心をコントロールし切れるかどうかでその人の信用は決まります。
不機嫌が「譏嫌」を招かないように
「譏嫌」とは
実はこの“機嫌”という言葉は仏教に由来しているそうです。
調べてみたところ、もともとは「譏嫌」と書いたようで、これは「息世譏嫌戒(そくせきげんかい)」という仏教の戒律から来ています。
「譏」には「そしる」という意味があるため、この言葉は「僧侶は世間の人々からそしり嫌われるような行動を取ってはいけない」という戒めになります。
仏教の出家者たちは世間の人々からお布施をいただいて生活を送っており、世間から嫌われてしまうと出家生活が成り立たなくなってしまうため、このような戒律が制定されたようです。
その後、「気持ち」の意味を持つようになった「機」の字を当てることで、「気分の良しあし」を意味する“機嫌”へと変化していきました。
誰にでも起こり得る
どんな人でも日によって機嫌の良しあしは当然あるものですが、世の中には、自分の機嫌が悪いことを周りに悟らせて、無意識に周囲をコントロールしようとする人がいます。
機嫌が悪い様子を示すと、たいてい周りの人が気を使ってくれるので、本人としては不機嫌なほうが物事を進めやすくなるというわけです。
フキハラ
フキハラとは
不機嫌になった方の態度や言動などによって、周囲のスタッフに悪影響を及ぼすハラスメントです。不機嫌になっている方に対して周囲のスタッフが気を使ったり、遠慮したりするため、人間関係のトラブルに発展するケースもあります。
例えば、自分の上司や先輩が不機嫌そうな顔でずっと黙っている姿を想像してみてください。なかなか声をかけづらい雰囲気になるかと思います。もちろん、人間誰にでも機嫌が悪くなる日はあるでしょう。しかし、こうした状況が慢性的に続く場合は、不機嫌ハラスメントを疑う必要があります。
自分の機嫌をコントロール
周囲の人々からすれば甚だ迷惑な話ですが、それが本人の中では勝手に成功体験のようになり、不機嫌な態度を示すことが常態化してクセになっている人も数多く存在しています。
とはいえ、そういう人は目上の人や先輩に対しては決してそのような態度を取ることがないものです。結局のところ、不機嫌な態度を示すのは、周囲に対する甘えにすぎません。不機嫌な態度を取ることで周囲をコントロールしている気持ちになり、得をしているつもりなのかもしれませんが、その人の信用度は確実に大きく下落していきます。
具体例
無言のプレッシャー
不機嫌そうな顔のまま、ずっと黙っている無言のプレッシャーは、不機嫌ハラスメントの代表的な事例です。
無言のプレッシャーを放つ方は基本的に何も言わないため、周囲の人に具体的な指示をすることもありません。そのため、どのように対処したらよいか分からず、周囲のスタッフを困惑させるというデメリットが生じます。
特定の相手に対してだけ攻撃的
機嫌が悪くなると、自分より立場が下のスタッフに対して当たり散らす行動も、不機嫌ハラスメントに該当します。
また、このケースの厄介なところは、特定のスタッフだけに対して不機嫌さをあらわにし攻撃的になる点です。なお、不機嫌ハラスメントの被害にあいやすいのは、立場が弱い方や不機嫌な態度をとっても反抗しなさそうな方が多いようです。
発生原因として考えられるもの
いったい何が原因で起こるのでしょう。考えられる原因を挙げてみました。
相手を支配したい
一方的に相手を攻撃する不機嫌ハラスメントは、相手のマウントをとりたいという支配欲からの可能性があります。相手を自分の思い通りにするために、不機嫌というネガティブパワーを活用するのです。
つまりこのケースでは、相手をコントロールしたいという感情が不機嫌というツールを利用させるものだと考えられます。
相手にかまってもらいたい
「誰かにかまってもらいたい」という感情から、不機嫌ハラスメントに発展する場合もあります。「今、私は不機嫌ですよ」という態度をアピールすることで、周囲に気づいてもらうことが目的です。
つまり、誰かに自分の機嫌をとってもらいたいという、いわゆる「かまってちゃん」的な感情が原因になることも、不機嫌ハラスメントの特徴といえるようです。
ストレス
ストレスが不機嫌ハラスメントの原因になる場合もあります。ストレスによるイライラが原因で不安になり、精神的な余裕がなくなるためです。
例えば「仕事でまったく成果が上がらない」「一生懸命努力しているのに成果に結びつかない」と感じる方は、追い詰められて精神的な余裕がなくなります。
そのため、周囲に不機嫌な態度をとることが増え、不機嫌ハラスメントに発展する可能性が高いでしょう。
体調不良
寝不足や過労、または病気などが原因で、不機嫌ハラスメントが発生する場合があります。過度な疲労や精神的な負担が続くと、肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまい、周囲への配慮ができない状態になるからです。
例えば、長時間残業が続く職場や、なかなか休みが取れないような職場では、このタイプの不機嫌ハラスメントが発生する可能性があります。休養をとらせたり、職場環境を改善したりすることが必要です。
おわりに
不機嫌ハラスメントは周囲に伝染しやすいため、早めの対処が必要です。
どんな人でも不機嫌になるときはあります。
しかし、周りの人々はしっかりとその行いを観察しており、決して忘れることはありません。自分の“機嫌”を自分で取ることができない人は信用をなくし、最終的に周囲から「譏嫌(そしりきらわれる)」ということを、不機嫌なときこそ忘れずにおくのが大切です!
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