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源氏物語 色々

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noteの中の源氏物語を集めてみました
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記事一覧

源氏物語の色 19「薄雲」 ~無彩色の中の心情~

「薄雲」のあらすじ ―――前帖「松風」で大堰川のそばに居を移した明石の君とその姫君だが、…

shibunori
3年前
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源氏物語の色 18「松風」 ~暁~

「松風」のあらすじ ―――光源氏は明石に隠棲していた時に結ばれた、明石の君とその姫君を京…

shibunori
3年前
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源氏物語の色 17「絵合」 ~赤と緑~

「絵合」のあらすじ ―――光源氏と藤壺の間に生まれた皇子、冷泉帝の御代になった。冷泉帝の…

shibunori
3年前
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源氏物語の色 16「関屋」 ~紅葉の色々こきまぜて~

「関屋」のあらすじ ーーー須磨から帰京した光源氏は、内大臣に出世した。一度失脚したにもか…

shibunori
3年前
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源氏物語の色 15「蓬生」 ~千年前の蓬の色~

「蓬生」のあらすじ ―――光源氏が須磨明石にいた間、頼る者が誰一人いなくなり末摘花の暮ら…

shibunori
3年前
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源氏物語の色 14「澪標」 ~空の色~

「澪標」のあらすじ ―――須磨・明石の隠退生活から、帰京の宣旨が下った光源氏は都へ戻る。…

shibunori
3年前
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源氏物語の色 13「明石」 ~恋文の色~

「明石」のあらすじ ―――光源氏が隠退していた須磨に嵐が襲い、落雷により邸も炎上するなど、この先どうなるかという時、光源氏の夢枕に亡き父桐壺院が立ち、須磨の浦を去るように告げる。同じように夢のお告げがあったという明石の入道が、光源氏を舟で迎え、光源氏は明石へと赴く。明石の入道は、娘を光源氏にと願い、文のやり取りを通して結ばれる。そして、光源氏には帰京の宣旨が下る。――― 前帖「須磨」を月の光の明るさと表現したが、やはり光源氏はそれでは終わらない。 現代では須磨も明石も単なる

源氏物語の色 12「須磨」 ~月の光から見える色~

ーーー政敵である右大臣の娘、朧月夜との関係が発覚し、自身の情勢が不利になりつつある光源氏…

shibunori
3年前
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源氏物語の色 11「花散里」 ~やすらぎの白~

ーーー橘の花が咲き、ほととぎすの鳴く五月。朧月夜との逢瀬が発覚し、光源氏の周りには不穏な…

shibunori
4年前
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源氏物語の色 10「賢木」 ~二藍の意味するところ~

「賢木」のあらすじ ―――光源氏の正妻の葵亡き後、六条御息所は光源氏を忘れるために、娘と…

shibunori
4年前
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源氏物語の色 9「葵」 ~鈍色に込められた思い~

「葵」は、能「葵上」としても長く上演されるなど、源氏物語の中でも有名な帖の一つ。 六条御…

shibunori
4年前
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源氏物語の色 8「花の宴」 ~ふたりをつなぐ桜色~

春、光源氏の父である桐壺帝主催の桜の宴が開催された。 その夜、光源氏は藤壺に会えないかと…

shibunori
4年前
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源氏物語の色 7「紅葉賀」 ~うつろいの美~

「紅葉賀」の帖にはいろいろな話がちりばめられている。 まずは朱雀院の行幸とそのリハーサル…

shibunori
4年前
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源氏物語の色 6「末摘花」 ~色は語る~

はかなく亡くなっていった夕顔を忘れることができず、思い返す日々の光源氏。夕顔のように、身分は高くなくても気を張る必要のないかわいらしい女性はいないものかと、懲りずに探している。 そのような折に、亡き常陸宮の残した姫君がひっそり暮らしているといううわさを聞き……。 有名な「末摘花」の帖である。 念願かない通い始めた光源氏であるが、末摘花は想像していた理想の中流女性とは違っていた。古いものを頑なに守り続ける時代遅れの姫君だったのだ。 しかし、気が進まないとはいえ無下にはできない