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古元素
2020年7月3日 11:48
果てしなく透明で、きゅっと胸を締め付けられる。しかしそれは苦しくなるほどではない。あくまで「きゅっ」だ。なんだか立っていられない。気づけばしゃがみ込んでいた。そして手を組み、祈っていた。人生で様々な恋に関する物語を読んできたけれど、これほど純粋無垢な恋心はないと思えた。何にって、他でもない。本、特に文芸書たちにだ。その日は、天気も私の感情も晴れていなかった。私に若干の好意を見せる異性と食事に行
2020年7月2日 23:20
昨晩からずっと読んでいた作品がある。題にも示している通りだ。ブクログにも記したが、あまりの衝撃に全文ペーストして再掲。今作で村田作品を読むのは二作目。初めては『生命式』。そこで村田沙耶香の文才、発想力、生々しいけれど共感でき、かつ純粋さを感じる世界観に圧倒された。そんなときに本屋でふと出会った今作。読んでみた。凄い。ひたすらに凄い。今まで私は文章を書くことが好きだった。自分で少し小説を書く