ヴィーノサローネ主

ーーイタリアワインの”本質”にであうーー イタリアワインに特化した通信販売店「ヴィーノ…

ヴィーノサローネ主

ーーイタリアワインの”本質”にであうーー イタリアワインに特化した通信販売店「ヴィーノサローネ」の主です。 ワインの味わいは、人それぞれの感性で違いはあっても、ワインを共に楽しむひとときは、かけがえのない豊かな一体感をもたらしますね。

最近の記事

五感の満足に近づく、ワインの役目

Vol.039 以前、「ファッションとワインのであい」を言語化するーーというタイトルでその考えを記しました。今回は、一歩進んで、「ファッションとワインのであい」を五感からとらえてみます。「視覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」からなる五つの感覚を、あるひとつの場所や空間で、すべて堪能できるとしたら、この上なく満足するのではないか、と。 ファッションを感覚的にキャッチできるのは、圧倒的に「視覚」です。次に「触覚」。このふたつが大半を占めていて、「味覚」はほぼ例外なく認知でき

    • マーク・チョーさんの親睦会でお手伝い

      Vol.038 先月、マーク・チョーさんの親睦会をお手伝いする機会に恵まれました。会場は、サルト銀座です。 さて、マーク・チョーさんとは……。 メンズファッションに詳しく、とくにクラシックなスタイルに関心のある方は、よく知っている人物だと思います。2010年、26歳のとき、香港とニューヨークにセレクトショップ「アーモリー」を開いた、共同オーナーのひとり。昨年は、香港のショップの拡張&リニューアルも果たしました。 主のわたしは、ファッションエディターとして、ジャーナリス

      • オレンジワインという哲学

        Vol.037 こんなタイトルだと、多くの方が「なんだか、むずかしそう」と、引いてしまいそうですが、今回は、白ワインとオレンジワインとの境界線について。境界線はふたつの目安があると、主は考えています。 いま、東京のワインバーをにぎわせているのは、疑いなくナチュール系のワインです。狭義にとらえるなら、オレンジワインですね。ワインが入ったグラスを灯りにかざすと、結構、濁った液体にみえます。 その「濁り」の正体はなにか? 発酵時のブドウから排出された成分の「オリ」。それが「

        • 第2回ヴィーノサローネ試飲会&即売会を終えて

          Vol.036 2023年11月11日。ヴィーノサローネの第2回試飲会&即売会を開催しました。今回もサルト銀座店の協力を得て、同店2階を会場としてお借りしました。また、あらたな試みとして、ワインの即売もやってみました。 試飲会は前回同様、2回にわけての展開です。 15時と17時、それぞれ1時間半ほど。 試飲したワインは、ヴィーノサローネが販売する白ワインの2種「スキオペット」と「カンテ」に、主が個人的にストックしたトスカーナ州のロゼワインを加えて計3種類です。本来は、ロゼワ

        五感の満足に近づく、ワインの役目

          インポーター開催の試飲会で、予期せぬ収穫

          Vol.035 ヴィーノサローネが取り引きする、インポーターの試飲会に参加しました。春の開催にも伺い、今回が2度目。前回試飲したワインの味をもう一度確認することと、ヴィーノサローネで販売中の"看板ワイン”「スキオペット、フリウラーノ」の理解を、より深めることが目的でした。 1965年に誕生した「スキオペット、フリウラーノ」は、いまは亡きオーナーのマリオ・スキオペットさんが、当時ドイツで展開していた、先進的な醸造技術“ハイパーオキシデーション”を取り入れて造った革命的なワイ

          インポーター開催の試飲会で、予期せぬ収穫

          【緊急告知】11月、ヴィーノサローネ試飲会を開きます

          Vol.034 11月11日(土)、ヴィーノサローネの試飲会を開催します。 会場は、高級お直しの名店として知られる「サルト銀座本店」です。 先の7月に、はじめての試飲会をサルトさんで行いましたが、大変好評だったため、再び開催の運びとなりました。 今回も1部と2部にわけて催します。 1部/15:00~、2部/17:00~。 どちらも同一ワインの試飲ですが、ミニトークショーでは、アドリブによって話題が広がる可能性が大。前回7月の試飲会がそうでした。 試飲するワインは、

          【緊急告知】11月、ヴィーノサローネ試飲会を開きます

          「イタリア土着品種」の伝導、その後のアクション

          Vol.033 ヴィーノサローネには、いくつかの使命があります。そのひとつが、「イタリアの土着品種の魅力を伝える」ことです。昨年、ヴィーノサローネの立ち上げ準備と並行して、当店のコンセプトを伝えるために、真っ先にnoteで展開しはじめました。そのあと、インスタをアップし、ECサイトのベイスをオープンしました。 およそ1年半をとおして、ヴィーノサローネにアクセスする方々に、どうすればイタリアの土着品種を楽しんで理解してもらえるのか、考えてきました。 まず、身近な知人たちに話し

          「イタリア土着品種」の伝導、その後のアクション

          30年前の本から、イタリアワインを逆照射する

          Vol.032 わたくしごとになりますが、最近、古い倉庫を解約して、新しいストレージを契約したため、仕事の合間を縫って、新ストレージにこもり荷物の整理をしています。 保管していた多くのものは、本や写真集、カタログ、そして美術展の図録でした。遡ること、四半世紀前に借りた倉庫のため、わたしの記憶では、段ボールは服で充満していると思っていました。しかし、箱を一つひとつ開けていくと、実際はほとんどが書籍でした。 段ボールのなかに眠っていた本に、こんな一冊がありました。『田中康夫のソ

          30年前の本から、イタリアワインを逆照射する

          第1回開催、ヴィーノサローネ試飲会後記

          Vol.031 先週土曜日(7月22日)に、ヴィーノサローネのはじめての試飲会を開きました。会場は服のお直しの名店、サルト銀座の協力を得て、銀座本店2階をお借りしました。 試飲会は、15時、17時の2部構成。当初、計11名の応募がありましたが、残念ながら、おふたりが当日キャンセル。少数ゆえに距離感が縮まり、みなさんにイタリアワインの魅力を伝えやすかった感じがしました。ちなみに、2名の女性がご参加くださいました。 「イタリアワインの“本質”にであう」がヴィーノサローネのテーマ

          第1回開催、ヴィーノサローネ試飲会後記

          【緊急告知】ヴィーノサローネはじめての、試飲会を開催します

          Vol.030 ついに、ヴィーノサローネの試飲会を開くことになりました。 ファッションの仕事でもお世話になっている、お直しの名店サルトさんにご支援いただきまして、銀座本店にて催します。 開催日時は、7月22日(土)/15時~、17時~。 どちらも内容は同じで、各一時間程度の予定です。 ヴィーノサローネのECサイトがオープンして、そろそろ1年になりますが、ずっとリアルな試飲会の場を持ちたいと構想を練っていました。 どんな場所がいいのだろうか? ファッションとの共通性を考えた

          【緊急告知】ヴィーノサローネはじめての、試飲会を開催します

          ”ブドウ飲み”というワインの比べ方

          Vol.029 ヴィーノサローネは、イタリアの土着品種の豊かさを知ってもらえるように、各ブドウの個性を伝えることに努めています。イタリアワインの“本質”に近づくためのひとつの方法として、あまり知られていないけど、とても重要な土着品種で造られたワインを、当店のベイスで販売しています。いきなり宣伝で恐縮です。 なぜ、土着品種なのか。Vol.18でも述べていますが、土着品種は、やはりイタリアワインの広がりを体感できるからです。広がりというのは、土着品種が各産地のテロワールや気候と

          ”ブドウ飲み”というワインの比べ方

          「ファッションとワインのであい」を言語化する

          Vol.028 ヴィーノサローネが、イタリアワインを多くのひとに楽しんでもらうために掲げた第一のコンセプトは、「イタリアワインの“本質”にであう」です。 すでにVol.023のnoteで書いたため、是非、こちらも読んでいただきたいのですが、今回は、ヴィーノサローネが、もうひとつキーワードとしている「ファッションとワインのであい」について、綴ります。 メンズファッションの編集を生業とする主は、もう随分前から、ファッションとワインとの関係性が気になっていました。むかしもいまも、

          「ファッションとワインのであい」を言語化する

          2006年、「アルナルド・カプライ」の取材が大きなヒント

          Vol.027 少々前になりますが、雑誌『メンズプレシャス』2020年春号で、“メンター”についてコラムを執筆しました。本来なら、主(あるじ)が本業とする、ファッションの世界で恩恵を受けた人物をメンターとするところかもしれませんが、イタリアワインの分野から選びました。そのメンターとは、イタリア・ウンブリア州のモンテファルコに、ワイナリー「アルナルド・カプライ」を構える、オーナーのマルコ・カプライさんです。 マルコさんとは、2006年、東京で開催された「アルナルド・カプライ

          2006年、「アルナルド・カプライ」の取材が大きなヒント

          ヴィーノサローネのショップカードができました

          Vol.026 すでに近しいひとには手渡したり、お店に置いてもらったりしていますが、先日、ヴィーノサローネのショップカードが完成しました。 デザインしてくれたのは、ヴィーノサローネのアートディレクター的存在のTさんです。Tさんについては、Vol.006で書いていますので、こちらを是非どうぞ。 どんなプロセスでショップカードをつくったのか? 今回はその話です。 主(あるじ)が最初にイメージしたことは、ショップカードを手に取ったひとが、すぐにアクセスしたくなるデザイン。色は1

          ヴィーノサローネのショップカードができました

          「テロワール」を感じとるよろこび

          Vol.025 ワインを飲むとき、あるいはテイスティングをするとき、大きく3つに分類して、ワインの味わいを楽しむ方法があります。「ブドウの果実」「発酵」「テロワール」です。 「ブドウの果実」とは、ワインをグラスに注いだとき、最初に鼻をくすぐる香りと味わいです。「かすみ草のような香り」「レモン、グレープフルーツの匂い」、あるいは「南国フルーツのような完熟感」というように、果実が発する香りをかぎわけることです。 「発酵」は、酵母がブドウに含まれる糖を、アルコールと炭酸ガスに分

          「テロワール」を感じとるよろこび

          土着品種を意識した瞬間

          Vol.024 時を遡ると、イタリアワインとしてはじめて主が認識したワインは、キャンティでした。それまでは、フランスワインとイタリアワインとの区別もあいまいで、ひとくちに「ワイン」として飲んでいたと思います。20代はじめの頃でしょうか。 キャンティは、土っぽさが香り、口いっぱいに広がる渋いタンニンを感じ、しびれるような風味がしっかりと舌に残ったことを覚えています。 後々、キャンティは、サンジョヴェーゼ種で造るワインと知り、そうか、強いタンニンは、地元トスカーナの名物料理、

          土着品種を意識した瞬間