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「イタリア土着品種」の伝導、その後のアクション

Vol.033
ヴィーノサローネには、いくつかの使命があります。そのひとつが、「イタリアの土着品種の魅力を伝える」ことです。昨年、ヴィーノサローネの立ち上げ準備と並行して、当店のコンセプトを伝えるために、真っ先にnoteで展開しはじめました。そのあと、インスタをアップし、ECサイトのベイスをオープンしました。

およそ1年半をとおして、ヴィーノサローネにアクセスする方々に、どうすればイタリアの土着品種を楽しんで理解してもらえるのか、考えてきました。
まず、身近な知人たちに話しかけ、その反応をみてきました。この7月には、ヴィーノサローネのはじめての試飲会を開催。初対面の方々にイタリアの土着品種の魅力を語ると、主が思っていたよりも、みなさん聞き入っていることがわかりました。聞き慣れない品種に十分に興味があるようです。しかし、そうだとしても、土着品種のワインを選んで飲むまでには、まだ距離があると感じています。

主が土着品種の魅力を語るとき、おおむね、このように進めていきます。
1、20州あるイタリアでは、それぞれの州でワインが造られています。
  <まず、イタリアはワイン生産に適した国であることを知ってもらう>

2、それぞれの州に根づいたブドウが、いわば土着品種です。
  <地元のブドウこそが、地域の個性を表す品種であること>

3、イタリアには、4,000種ほどの土着品種があります。
  <ワインの産地として、圧倒的な多様性があることで、個性的なワインが造られる>

この基本的な3つのトピックから、土着品種を使ったワインの可能性を探り、ヴィーノサローネで現在販売中の白ワイン3種の土着品種、フリウラーノ、ヴィトヴスカ、リボッラジャッラを解説します。
多くの方に知られている白ワインの品種は、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、リースリングあたりです。それらの風味と比較しながら、イタリアの3種の土着品種を位置づけると、味や香りのイメージがクリアになるようです。実際、試飲した後、品種の持ち味を実感する方が多くいます。

次の段階は、文化(カルチャー)の話です。ちなみに、文化は「畑を耕すことを意味する、ラテン語のクルティヴァルが語源で、それが派生してカルチャーとなりました。
イタリアの歴史、地元の風習、ブドウが育つ環境……。そんなテーマに、土着品種の魅力を重ね合わせます。たとえば。
「イタリア各地の土着品種は、その土地に根ざした成長を基本に、テロワール(土壌)との相性、気候との闘い、造り手が学んだ手のかけ方とが混ざり合って、土着品種のよりよき個性に繋がり、醸造・熟成を経て、唯一無二のワインに仕上がるのです」と伝えています。

さらに、ヴィーノサローネは、「イタリアワインとファッションのであい」を具体化することも使命のひとつのため、ワインとファッションとのつながりを、身近な話題で関連づけたりもします。
クラシックな紳士服を題材にして、メンズの仕立て服でいえば、ナポリのしなやかな服づくりに対して、ミラノのやや構築邸な仕立て方があります。服を形づくる地元の方法論の視点から、産地特有のおおらかさと厳格さを、ワインの特徴に結びつけることもできます。

こうしたアクションを繰り返し、土着品種の理解に近づけています。

次回の“ディアリオ ヴィーノサローネ”に続きます。

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