書道家 関吉久美

札幌市在住の書道家です。 独自のメソッドでアート書道教室を 札幌7ヶ所、東京、川崎、名…

書道家 関吉久美

札幌市在住の書道家です。 独自のメソッドでアート書道教室を 札幌7ヶ所、東京、川崎、名古屋、大阪、神戸にて開講。 お手本は無し。受講生が自ら「ゼロからイチ」を生み出したものを大事に。それを活かして「イチからニ」へのアドバイスを提供します。 古典書道をリスペクトした現代アートを。

最近の記事

もう一人の役割②

前回は、emotionの赤平陽子さんに 今年の銀座での展示会についてお力添えをいただくことになりました、 で終わっていました。 今回は、陽子さんが何をどうお考えになって このお仕事に向かわれているのか、 関吉久美をどう見てるのか、アート書道をどう見てるのか、 そのあたりのことを、彼女のブログに書いているので、 それを紹介したいと思います。 __________________________________ 「陽子さんにブログを書いてほしいです」 とてもありがたいご

    • 作品展の意義~もう一人の役割①

      門下生44名との合同作品展示会まで、 ついに1か月を切りましたね。 続々とみなさんの作品が出来上がってきています。 (私のは、あとひとつ、取り掛からなければなりませんが…) 昨年も同じ場所で開催しました。 終わってみて、もうすぐに私は「次」を考えていました。 それなりに充実感はあったけれど(達成感かな)、 満足感は満たされていませんでした。 (大満足が100だとしたら、35くらい、でした…笑) それは 「私や門下生のお知り合いやご家族の方しか来なかった。 全く新しい人た

      • フィナンシェ…か

        久しぶりの投稿です。 かなり間が空いてしまいました🙏 しかも、写真が「書道じゃない」。笑 でも、私が記事を書くんだから 書道に繋がります。 土曜日の夜にやっている 「ジョブチューン」という番組をご存知ですか? 色んな飲食店(チェーン店)やコンビニの食べ物を その世界のプロが、合格か不合格かを判定。 今週は、ローソンのスイーツを スイーツ界の巨匠7人が判定しました。 さて、この写真です。 こちらは、ローソンの新商品の「フィナンシェ」。 私も一瞬「ん?」と思いましたが、

        • 門下生作品講評【No.15】

          ◉北広島なごみ教室 佳瑞さん 『道』 これは、何も考えず、無心で、 偶然中の偶然にできたもので… 「あー…勝てないな〜…」と  良い意味でお手上げの作品です。 講座が始まってすぐの間もない頃に 「先生、こんな感じで…道、でもいいですか…?」 え…!!すごくいい!!!! しんにょうって、ものすごく難しいんです。 どうしても普通の習字っぽくなっちゃう。 こんな発想、素晴らしい! そして、なんだか可愛いらしい! 猫ちゃんにも見えてくるし! 「首」の部分もかしこまってなくて良い

        もう一人の役割②

          門下生作品講評【No.14】

          ◉大阪教室 光蘭さん 『残』(途中経過) 一本二色技法、いわゆるグラデーション。 一本の筆で、一気に二色(薄い墨と濃い墨)を 書くというやり方。 これは、理屈はわかっても、 薄墨の調合や、乾いてからじゃないと どのくらいの濃さかわからない、など 薄墨を作ること自体が難しいです。 更に、一本の筆に 2種類の墨をつけるのですが、 つけ方も難しい。つける量が難しい。 筆の動かし方も難しい。 そんな難しいやり方に あえて拘って、なんとかこれでやり切りたい、 との思いが光蘭さ

          門下生作品講評【No.14】

          門下生作品講評【No.13】

          ◉名古屋教室 千智さん 『画』 これはもう千智さんらしい、 メルヘンチックな作品ですね。 実はここに至るまでには “偶然”と“ヒラメキ”が作用しています。 最初は、先月の続きで「水玉」という文字に 取り組んでいました。 色々と試行錯誤してたくさん書いたけれど、 やはり先月書いたものの方が良い。 ただし、 「玉の点を、薄墨でもう少しはっきりと 足しましょうか」とのアドレスをしました。 薄墨って、とても綺麗ではあるけれど、 その濃度の調合がとても難しい。 たったひとつの点

          門下生作品講評【No.13】

          門下生作品講評【No.12】

          ◉川崎教室 寺園千尋さん 『雨』 なんと千尋さんは、鹿児島県の知覧から 毎月飛行機に乗って通って来ています。 かごんまですよ!! 北海道から、鹿児島県から、集合です。笑 さて、千尋さんも おうちでたくさん書いて持って来てくれました。 上の横線は、紐持ちで行ったり来たりで 書いてます。 一番特徴的なのは、 たくさんの四角!薄い色の四角です。 「これは何で書いたんですか?」 「これは、割り箸です。丸い割り箸に この長さ(四角の辺)に墨を塗って、 転がしたんです。」 へぇ

          門下生作品講評【No.12】

          門下生作品講評【No.11】

          ◉札幌手稲教室 本間智美さん 『明』 智美さんは長く通われていて(たぶん5年くらいかな…) 3年前に、私ともう一人の生徒と3人で 札幌のギャラリーで共同展示会をやった方です。 絵本作家でもあるので、 絵画的な造形が得意なんだと思います。 さて、ペタペタと版画技法で 模様作品をたくさん生み出していて、 その中から 「先生、これを、脈と派とかの、こっちの 右側のツクリ、にしたいんですけど… でも、そうすると、左側に、月とかサンズイとかを 書かなくちゃならないですよね… だと

          門下生作品講評【No.11】

          門下生作品講評【No.10】

          ◉札幌発寒教室 小野里裕子さん 『零和』 前回に続いてこちらも 「一本二色」の技法を使ってますが、 こちらはその技法で書いた線は 完全に「模様」として構成しています。 それにしても ここまで綺麗に、そして特徴的な線を 書けるなんて素晴らしいです。 (前回も書きましたが、私はこの技法は苦手です。) ただ単純に、スーーーっと筆を動かしているのではなく、 時間もかけて、力も込めて、時に筆を転がして、 グラデーションがより美しく出てくるように ゆっくり考えながら書いています。

          門下生作品講評【No.10】

          門下生作品講評【No.9】

          ◉札幌エルプラザ教室 増田ミサさん 『Apple』 「一本二色技法」…技法としては書道界でも 水彩画の世界でも、古くから使われている技法ですが、 この名前は、私が勝手につけました。笑 筆一本で、二色をいっぺんに書く。 黒とグレーのグラデーションを表現する。 これは、墨の調合が難しいです。 二つの墨(濃いのと薄いの)の 濃さの差が大きすぎると綺麗なグラデーションにはならないし、 差が無さ過ぎると二色にならず、 混ざってしまって一色になります。 そして、書くときに、 筆に

          門下生作品講評【No.9】

          門下生作品講評【No.8】

          ◉北広島なごみ教室 駒谷敦子さん 『童』※未完成。途中経過。 長らく古典書道をやっていて とてもストイックに取り組まれる方です。 ひとつの事に集中し、どこまでも極めたい、と 追究する方です。 (私はすぐ飽きちゃいます…) “紐持ち”の線でいきたい。 この書き方で、ひとつ良い作品が出来上がってるのですが (それを尚もブラッシュアップしたい!との事でしたが、 私は「もうこれ以上は無理だよ…そのくらい、この作品は良いよ!直すとこない!」と ブラッシュアップをストップしたくらいで

          門下生作品講評【No.8】

          門下生作品講評【No.7】

          ◉北広島なごみ教室 鹿島すみ子さん 「天」※未完成。途中経過。 この作品の肝は、 左側の「にじみの世界」と 右側の「にじまない世界」との対比です。 左側はわざと滲むように 薄墨が乾かないうちに墨を書き入れています。 尚且つ、 背景の薄墨も2色使ってますし、 下の方は丸をいくつか重ねて模様にしています。 すみさんが拘ったのは、これです。 滲みの世界と滲まない世界の “境界線”です。 見えますか? 薄墨が、境界線を作っています。 これがあるから、 2つの世界の違いがハッキ

          門下生作品講評【No.7】

          門下生作品講評【No.6】

          ◉大阪教室 鷲見美保さん 美保さんは愛知県在住ですが、 今回はご都合により名古屋教室に来られないので、 スケジュールに合わせて各地の教室に 参加しています。 道外教室5ヶ所は全てコンプリートしてます。笑 (あとは北海道の教室ですね) さて、こちらの大阪教室の皆さんも 10月の銀座展示会に向けての作品作りですが、 美保さんは色々試した結果、今日は 「紐持ち」で模様的なものを書くことに。 しばらく何枚か書いて、そして 「先生…これを“訓”という字にしたいんですけど、 どうや

          門下生作品講評【No.6】

          門下生作品講評【No.5】

          ◉川崎教室 薄衣律子さん 「My life didn’t please me,so I created my life. coco chanel」 薄墨(淡墨)を表現のひとつとして選択する時、 まず薄墨を作る所からやりますが、 必ず「水から先」です。 水に、墨(墨汁)を筆先につけて少しずつ足していきます。 そして試し書きをしながら、調節していきます。 (墨に水を足してもいつまでも黒いです! 私のオススメは「青墨」です。 その名の通り、少し青みがかった薄墨になります。 (猫

          門下生作品講評【No.5】

          門下生作品講評【No.4】

          ◉名古屋教室 間宮眞理子さん 『石』 眞理子さんは、タイミングが合わず、 まだ「紐持ち」の書き方を習っていませんでした。 私も、指導の仕方の記憶を引き戻しながら、 伝えました。 久美愛玩(弊社オリジナルで製作した筆)は、 使用する毛(豚毛、狸毛、羊毛)と毛の長さ、 軸の重さと長さにこだわって作りました。 私の理想の書き味になるように作りました。 その久美愛玩の軸の頭の「紐」を持って書きます。 とにかく軸を寝かせて、紐を引っ張って、 ズズズーーーとずって、毛の腹を使って書

          門下生作品講評【No.4】

          門下生作品講評【No.3】

          ◉川崎教室 水口ようこさん 『I’m soooo good!』 今回は、滲まない紙を使用しています。 画仙紙の中にも、滲み方のレベルが様々で、 たまたま、ようこさんがお持ちになっていた この紙は、液体が吸い込みにくく、 表面に液体が溜まってしまうものです。 「先生、この紙ではダメですかねぇ…」 これがダメだ、というわけではありません。 水彩画のようなやり方でやれば それはそれで独特な表現になります。 この紙の場合、 薄墨をたっぷり、どぼっと、紙に置きます。 表面張力で

          門下生作品講評【No.3】