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表具師の仕業

8月の札幌での作品展示会のための準備が進んでいます。
作品はもう4月末の段階で全て書き終えています。
開催日程から逆算して、やはり3ヶ月は
準備に要したいです。

額装(作品を額に入れる作業)は自分でしますが、
「裏打ち」は、プロにお願いしています。
(裏打ちとは、書いた作品のシワを伸ばし、
厚めの和紙を貼り付ける作業のこと。
シワシワ、パリパリのまま、額に入れたら
綺麗じゃないべさ?)

北海道には残念ながら、
表具師、裏打ちの職人さんがいなくて
(私の個人的な見解としては、北海道には
江戸時代がないから、そのような仕事がなかったので、
職人が育っていない、と考えています)
大阪梅田にある田中表具店の田中一生さんという
表具師さんに毎回お願いしています。
(田中さんとの出会いは、インスタです!)

先程、田中さんから
「裏打ちが仕上がりましたので、今日発送しますね!」と連絡がありました。

大小、約30枚程の作品を、ものすごく早く仕上げてくれました。
特に急いでお願いしたわけでもなく、
たぶん1ヶ月はかかるだろうな〜と思っていましたが、びっくりするくらい早くて、
なおかつ、毎回とても綺麗にやってくれます。

届いたらまず、
落款(印鑑)を押していきます。
私の場合は、わざと落款は裏打ちの後に押しています。
理由は2つ。
ひとつは、裏打ちを仕上げて、完璧に綺麗な状態の作品を見てから押す場所を決めたい。
もうひとつは、印泥(落款を押すための赤い泥)の
乾き方によっては、裏打ちの時に滲んだり
汚れたりする可能性を消しておきたい。
印泥って、墨より乾きにくいです。

落款を押したら、額に入れていきますが、
わざと額より大き目に作品を作っているし、
裏打ちの紙も作品より更に2〜3センチ大きくなってます。
なので、額に合わせて一枚一枚、カッターで
カットしていきます。

画仙紙(書道用の紙)はカッターでは
紙を製紙した時の目が引っかかって切りにくいのですが
裏打ちした後だと、切りやすいです。
でも、作品自体が50センチくらいと大きいので
慣れるまではコツがいります。

額装までをプロにお願いする書道家が多いですが、
私は、この、額に合わせて作品をどこでカットするかを決める作業が好きなので、
自分でやります。

私の門下生たちにも、
自分でやってみるのをオススメしています。


さて、大阪から私のめんこいめんこい作品たちが
遠路はるばる届くのを楽しみに待ってます…♫

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