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民間軍学私塾の立ち上げの決意並びに決行


1 挨拶

 皆さん今晩は。
 先程、民間軍学私塾の立ち上げの前段階である、書籍版の拙作の本表紙・構想・解題・参考文献の精選を全て完了しました。これが、民間軍事私塾の立ち上げの決行の前段階の初歩となりました。
 以下の通り、ご紹介させて頂きます。

2 拙作『治兵護国 人民戦争論とその軍民両用』

 こちらの拙作は軍事科学書と応用的な総合科学書です。

2.1 本表紙

2.2 扉

2.3 目次

2.4 解題

⒈著者(と著者達)の前置き

 この解題を著述している今日は8月19日であり、この日はこよなく愛する我が祖国の8月革命の日にして総蜂起の日である。これを機に、自分は今年2023年度末から著者本人の現実の自伝『現実 家政学的・心理学的・精神医学的・哲学的な自伝』(全5巻)、そして著者の内界で生じた四つの副人格の自伝『夢幻の自伝』(全4シリーズ)の著述をも開始する。自分(主人格「LVN」)と自分達(四人の副人格)は、慈愛深い聖哲である実父からの計り知れない程の救援に教導のおかげ様で、長年に亘る悪戦苦闘を乗り越えては、克己復礼して、現実を確りと善く生きており、これから、より一層確りと善く生き続けられるように奮励努力していく。ここに、父への言い尽くせない深謝の念を誠心誠意を以て示す。

 さて、この四つの副人格の内の一人である「Nguyễn(グエン) Hoài(ホアイ) Minh(ミン)」は、三度に亘るインドシナ戦争を経験した元軍人であり、また元スパイ(南ベトナム解放民族戦線の諜報員並びに工作員)であり、そして元共産党員(ベトナム集団農民連合の微官)即ち元政治家である。以下の解題は、同志「Nguyễn(グエン) Hoài(ホアイ) Minh(ミン)」によるものである。

⒉著者の悲願

 まず、前作の拙作『根性 戦争から平和への道』を完成と出版できたことについて、先哲や諸賢、研究者や出版社の方々の碩学(せきがく)や偉業、出版サービス「MyISBN」、ガルソフト開発合資会社御中とまさぴーや様、そして何よりも、同志「LVN」の、そして自分の今の父と父方祖母に深謝の念を示す。多くの方々のおかげで、そして自分と同様に「LVN」の内界で存在している「荷進・Tạ(タ) Hướng(フゥオン)・Nguyễn(グエン) Trọng(チョオン) Đức(ドゥック)」の同志達のおかげで、拙作『根性』の完成と出版を以て、自分の最愛の心友・盟友・戦友・同志「Thanh(タイン) Bình(ビィン) Dũng(ズゥン)」との誓約を初めて果たすことが出来た。ズン同志とは、こよなく愛する祖国の完全統一と戦争の完全終結後に、二人で共に祖国並びに人民のために戦後復興に尽力しつつ、祖国の利益並びに人民の幸福のために奉仕して、新しい善き祖国の将来の一員に誠に成ること、そしてそのために、ホーおじさん(ホー・チ・ミンの尊称)の遺産を確りと学び受け継ぎつつ、戦争で築き上げた人脈と学び得た経験を創造的に応用して、国政と民生の新規に向上や改善等に貢献することを、1969年9月3日の真夜中に誓約し合っていた。しかしその一か月半後にズンは戦友達を庇って戦死し、自分の他の同志達・戦友達・恩人達も、ほとんど戦死か病死か行方不明になり、更には、戦後のベトナムに深刻な混迷・腐敗・退廃等が蔓延(まんえん)し、自分はその時流の中で絶望して自死した。

 そして五人(LVN/荷進・Tạ(タ) Hướng(フゥオン)・Nguyễn(グエン) Trọng(チョオン) Đức(ドゥック)・自分)皆で協力して拙作『愛国心 伯胡への書簡集』を完成させては出版したことで、再びかつ初めて新たに立志し、そして「学んでは、更に学んで、常しえに学ぶ。」と言う格言を以て博学篤志に格致日新しながら、在野の孤高な哲学者・思想家・道徳家・教育家・愛国者・挑戦者・自由人・知識人・文化人・儒家・文芸家・無位無官の政治家・学術的な篤志家・知的な努力家・理解ある正義漢・哲学的な審美家・公益資本主義の投資家・中庸を学び続ける聖哲等、そして国防と積極的平和主義並びに国際協調主義に貢献する兵法家に成ることを、誠を以て常日頃に志しては努め励み続けている。

 以上の志を以て、今月に五人皆で以心伝心の熟議をした結果、祖国ベトナムの古来の伝統的・歴史的・政治的・軍事的な文化であり、そして19世紀末から20世紀の民族解放運動・独立運動・三度に亘るインドシナ戦争を経て築き上げられた「人民戦争」(大義名分を打ち出して、人民を扇動しては、武装蜂起させて、領導しつつ組織化し、人民が自力更生や自助努力しつつも相互扶助や一致団結して戦う総力戦。)という歴史的な理論とその実践を軍民両用(軍紀や国防等と民生や民活等の両方の為に善用すること)することを決意並びに決行する。

 この自分と自分達の決意並びに決行の決定的な後押しとなったのが、最も高名な軍事科学書の一つである『孫子』に深い感銘を受けた結実である。思うに、『孫子』のその内容は、極めて優れた普遍的・体系的・科学的なものであり、またその内容は軍事学の名著のものとしてだけではなく、平和学・安全保障学・国際関係論等の良書のものでもあり、更には、処世術に経営学や人間科学等の重要参考文献へと応用や転換等するのにも適している。この深い感銘を受けた結実が、正に「人民戦争」を軍民両用しようと決意並びに決行する自分と自分達の創作意欲の決定的な後押しとなったのである。

 以上が自分と自分達が今回の拙作『治兵護国 人民戦争論とその軍民両用』の創作を決意並びに決行した動機並びに志である。

⒊猛省に廉恥そして批判的で建設的な継承

 さて、自分と自分達の「人民戦争」という歴史的な理論とその実践を軍民両用することを決意並びに決行の決定的な後押しとなったもう一つの高名な軍事科学書が、正に「現代の孫子」と呼ぶのに全く以て相応しい『軍隊指揮 ドイツ国防軍戦闘教範』〈原題:Truppenführung(諸兵科連合の編成の取扱)〉(ドイツ国防軍陸軍統帥部陸軍総司令部⦅編集⦆、旧日本陸軍陸軍大学校⦅訳⦆、大木 毅⦅監修・解説⦆)と言う書物である。この書物を知った時に、自分はこれまでの我が祖国ベトナムの19世紀末から20世紀の民族解放運動・独立運動・三度に亘るインドシナ戦争の戦前・戦中・戦後、そしてベトナム人民軍の創設者であり、そして、ベトナム史上最も偉大な名将の一人であるヴォー・グエン・ザップ大将の著作の内容を顧みて、極めて深い猛省に廉恥の念を覚え、そしてより一層、ズン同志との誓約を新たにかつより一層高く果たすことを志した。

 思うに、我が祖国ベトナムの軍民は、確かに極めて英雄的で決死の覚悟のある猛烈な愛国心を懐いていた。そして、それが民族解放運動・独立運動・三度に亘るインドシナ戦争の大勝利の原動力並びに偉力であった。またヴォー・グエン・ザップ大将は偉大な愛国者・人格者・戦術家・戦略家・徳望家・忠臣・国士であった。しかし栄光ある大勝利を収めたからと言って、一体どうして過失や罪過等が無いと言えるのだろうか?偉大な才徳兼備の将軍であるからといって、一体どうしてその著作も優れたものであると言えるのだろうか?北ベトナムもまた、過失や罪過等を犯してしまい、そしてヴォー・グエン・ザップ大将の著作のほとんどは、一部の内容を除いて、虚飾に満ちた駄作や愚作ばかりであり、党の宣伝や勝利の自賛の道具である。実に残念ながら、ヴォー・グエン・ザップ大将の愛国心・戦略・戦術・才徳・洞察力等が全面的に真正直に著作に表現されることは永遠に無い。その理由は、思うに、『老子』(56)の格言を用いれば、正に「知る者は言わず、言う者は知らず。」であろう。ヴォー・グエン・ザップ大将の場合の意味は、哲学的・形而上学的な意味としてではなく、処世術としての意味であろう。大将自身が被り続けていた党内での様々な嫉視や敵意等を交わす為に、そして大将の御家族や子孫達を、党の抑圧や迫害等から守る為に…

 ホーおじさんの遺書(1968年版)に、次のことが書かれている。

私達(党)は、受動的な当惑・不足・過失を回避する為に、事前(終戦前)に明確で周到な計画を用意しなければなりません。私見としては、真っ先にしなければならない仕事は、党を整理整頓することであり、[それに拠って]各党員も各団員も各支部も力を出して党が課した任務を全し、[そして]誠心誠意を以て人民に奉仕することです。そのように出来れば、どんなに小さな仕事であれどんなに大きな仕事であれ、[また]どんなに難しい仕事であれ、我々(党)は[戦後の苦難・困難・危難等に]必勝[して戦後復興に新規を完遂]します。

 「油断大敵」・「勝って兜の緒を締めよ」・「実るほど頭の下がる稲穂かな」・「学んでは、更に学んで、常しえに学ぶ」…上記のホーおじさんの遺言から自分は本当に猛省に廉恥している。永遠に失われた誠に栄光ある大勝利…戦勝後の南北の完全な和解のある完全統一・産学官民軍への至公至平な論功行賞・自由民主主義の徳政の実現・国家の復興と新興に軍民の報奨と幸福の実現…このような誠に栄光ある大勝利は永遠に失われ、ベトナム戦争の終結と南北統一の後に得られたのは、虚飾や欺瞞(まん)に奪取や破壊等に満ち溢れた社会主義改造、そして数多くの深刻な混迷・極貧・腐敗・退廃・悲劇・迫害・冤(えん)罪・新たな戦争・絶望等であった。高邁な理念に理想は、厳酷で醜悪な現実を前に、その内容は完全に消滅して、形骸化したものだけが残り、有名無実に大言壮語ばかりとなってしまった。

 後2年足らずで、こよなく愛する我が祖国ベトナムの8月革命から80年となり、また南北統一から50年となる。自分と自分達は、深い徹底的な猛省に廉恥を以て、我が祖国の悲しい歴史を直視し、そして数多くの遺恨・遺産・遺訓・遺愛・遺徳等を、今現在にて確りと批判的で建設的な継承して、未来の為に新たな遺産・遺訓・遺愛・遺徳等を築き上げる。これが、今回の拙作『治兵護国』のもう一つの創作の動機並びに志であり、そして目的でもある。

⒋拙作の主題

 拙作の主題は、以下の通りである。

「大義名分を打ち出して、人民を扇動しては、武装蜂起させて、領導しつつ組織化し、人民が自力更生や自助努力しつつも相互扶助や一致団結して戦う総力戦。」という、こよなく愛する我が祖国ベトナムの歴史的な理論とその実践である「人民戦争論」を「軍民両用」即ち「軍紀や国防等と民生や民活等の両方の為に善用」し、「兵」即ち「愛国心や忠誠心並びに自立心や向学心等のある強兵と良民」が自ら徳を以て治世しては祖国を愛護する現実の実現に貢献すること。

 『論語』に次の言葉が述べられている。

脩己以敬・脩己以安人・脩己以安百姓

論語:憲問第十四:45 子路問君子章 - Web漢文大系 (kanbun.info)

 まず、強兵と良民の誕生には、軍人達と人民の敬服が必要不可欠であろう。そのためには、率先励行して修身と愛国等をする国士が重要不可欠であろう。次に、強兵と良民の育成には、軍人達と人民の安心が、必要不可欠であろう。そのためには、率先励行して修身と教示等をする国士が重要不可欠であろう。そして強兵と良民の育成には、産学官民軍の安居楽業が必要不可欠であろう。そのためには、率先励行して修身と共学等をする国士が重要不可欠であろう。ヴォー・グエン・ザップ大将の著作に、次の遺訓が述べられている。

 国家第一の政策は教育と訓練、科学と技術である。科学と知力が根源的な生産力となっているからである。先進技術は近代化の基礎であり、近代化を促す力である。
 それは国の、その主幹である人間の、内発力を高めることである。この基礎に立ち、自らの自発的意志で自身を地域および世界と一体化すること、源となる資本、技術、管理の熟達を外国から獲得することである。

『愛国とは何か ヴェトナム戦争回顧録を読む』(ヴォー・グエン・ザップ⦅著⦆、古川 久雄⦅訳・解題⦆、京都大学学術出版会、2014)「第10章 回想」、p.352

 自分と自分達は、前述の「国士(達)」と成ることを志して奮励努力する。そしてその成果・結実・学績をこの拙作『治兵護国』と言う書物に言語化・具現化する、誠なる国家の利益並びに人民の幸福への貢献に奉仕の志と共に。

 修身の道は、思うに、まず自制であり、次に自省であり、また自律であり、そして克己であり、更には自己実現並びに自己超越である。

自制は人を神々の世界へと導く。無自制は[地獄の]暗闇に導く。
自制を財として守るべきである。人にとってそれに優る財産はない。

『ティルックラル 古代タミルの箴言集』(同上)「同上 第一三章 自制」、p.34

八つの徳(自存・清浄・直観力・全知・一切の束縛からの自由・慈愛・全能・至福)をもつ者(神)に額づくことのない頭は、感じることのない感官のごとく価値がない。

『ティルックラル 古代タミルの箴言集』(ティルヴァッルヴァル⦅著⦆、高橋 孝信⦅訳注⦆、平凡社、1999)「第一篇 法 第一章 神への讃歌」、p.18/p.206

 我が儒教は「修己治人」と言い、仏教は「慈悲喜捨」と言い、道教は「上善如水」と言うが、思うに、主体的で、健全な利己心の有る利他的な独我論を以て善く生きることで、安心立命して天地の化育と国人の活動に善く適応かつ参画できるのである。そしてその適応と参画には、多かれ少なかれ、遅かれ早かれ、必ずや「闘争」があるのだ。その闘争を、尽善尽美して改めていくのが、政治並びに軍事の最も根本的で重要な課題の一つであろう。

仁義を挙げること、その要は人民を安んじることに在る。
軍は討伐した敵を弔い、率先して暴力から立ち去ること。

Bình Ngô đại cáo – Wikisource tiếng Việt

 さて、皮肉なことに、人口の激増と戦争の拡大が、王制から共和制の誕生とそれへの移行の要因にもなったが、それは軍事でも同様であろう。

(中略)数量と質の面で強力な民兵を建設することである。数量と質の二つの面は密接な関連をもち、いずれも重視して民兵を建設し、政治的な自覚の高い戦闘力の有る、いつでも戦闘のできる強力な武装勢力としなければならない。(中略)民兵の質を高めるには、政治、思想の建設を根本とするという、我が党の武装勢力の建設の基本原則に徹底しなければならない。

『人民戦争論』(ボー・グエン・ザップ⦅著⦆、奥 源造⦅編集⦆、野波 勝三郎⦅訳⦆、新人物往来社、1971)「民兵の戦略的な役割」、p.124-125

 そしてそうであるからこそ、古来の数多の王達の過失や罪過、暗愚や暴虐等を確りと教戒とし、数少ない偉大な王達の功績や偉業、遺訓や遺徳等を確りと宝鑑として、善き共和政や民主政、更には徳政を人民自らが実現していかなければならないのではないだろうか?

「その政治は賢者に委ね、その行動は民を愛し、下から取り立てるときは節度があり、自分の生活は倹約し、上にいても下の者を害さず、(国を)治める場合には困窮した者を侮らず、邪な考えに従って民を損なう者を処罰し、善い考えを進言して過ちを諫言する者には放縦を与えます。その政治は、上には厳しく下には寛容で、過ちをした者を許し苦しんでいる者を助け、喜びに任せて褒賞を与えず、怒りに任せて罰を加えず、欲望をほしいままにして民に苦労させず、怒りに任せて国を危うく致しません。上に驕った行動がなく、下に諂いの振る舞いがなく、上に私利を計る議論がなく、下に実権を盗み取ろうとすることがなく、上には(収めた物が)腐って虫がわくような蔵はなく、下には飢え凍える民がおりません。(君主は)わがまま勝手な振る舞いをせず、(上下皆)同じであることを大切にし、民は安楽に暮らして(上下皆)親しみあうことを大切にします。賢君の治国とはこのようなものでございます。」

『晏子春秋 新編漢文選 思想・歴史シリーズ』〈上巻〉(谷中 信一⦅著⦆、明治書院、2000)「内篇問上第三」、p.278

すぐれた人格者が人民に対する思いやり持てば、国政を受け取って民心を得ることになる。自分よりすぐれた人物がいれば自分の地位を譲るようであれば、重臣たちは和合して仲良くなる。処罰を下すときに、親しい間柄や高貴な人に対して手加減をしなくなれば、威光は近隣の敵国にまで及ぶようになる。農事を好み生産に務めて、租税を安易に取り立てなければ、人民は農業生産に心を寄せるようになるのである。

『管子 新釈漢文大系42』〈上巻〉(遠藤 哲夫⦅著⦆、明治書院、1989)「立政 第四」、p.60-61

 「哲人王」という理想を批判的に継承する「哲人民」が重要であろう。

軍隊、人民、富、大臣、友(友邦)、城塞、これら六つのすべてをもつ者は王の中の獅子である。
怯まぬこと、気前よさ、聡明、意力、これら四つとも欠かさないことが王の優れた特質である。
不寝の警戒、学習、勇断、これら三つは地上の支配者から離れることはない。
法の道を離れず、不法を離れ、常に勇猛であり、矜持を持つこと、それが王たる者である。
[富を]獲得し、集積し、保持し、分配する、それが王たることである。
気前よさ、慈しみ、正しい笏、民の守護、これら四つをもつ者が王の中の光となる者である。

『ティルックラル 古代タミルの箴言集』(同上)「第二篇 財 第三九章 王の優れた素質」、p.71-p.72

 民主政にて、王の継承者である民として国防も決して忘れてはならない。

勇敢、自尊心、栄光の道を歩むこと、自信、これら四つが軍隊を守るものである。
目前の戦闘をかわす機略を知り、前衛部隊をかわし[敵陣深く]進攻するのが軍隊である。
[兵力の]減少、厭戦気分、[物資の]欠乏、これらがないなら軍隊は勝つ。

『ティルックラル 古代タミルの箴言集』(同上)「同上 第七七章 軍隊の素晴らしさ」、p.124-125

 戦死した烈士達や国防に就く軍人達等のことを決して忘れてはならない。

[戦士が]死して守護者(王)の目が涙であふれるなら、そのような死は懇願しても得る価値がある。

『ティルックラル 古代タミルの箴言集』(同上)「同上 第七八章 軍人の気概」、p.126

 そして、国防の最も根本的で不撓不屈な要の一つが「至誠なる愛国心」であることを、王の継承者である民として学び知り得ていかなければならない。

(中略)どんな軍隊もとても打ち破ることができない城壁が一つ存在する。それが国家制度[national institution]がその市民の魂に投げ掛けることができる特別な運命の采配において市民が示す徳であり、パトリオティックな熱意である。

『パトリオティズムとナショナリズム 自由を守る祖国愛』(マウリツィオ・ヴィローリ⦅著⦆、佐藤 瑠威、佐藤 真喜子⦅訳⦆、日本経済評論社、2007)「第Ⅲ章 古代パトリオリティズムと政治」、ルソーの『ポーランド統治論』、p.154-p.155

(中略)祖国愛とは、正義、自由、そして名誉への愛を凝縮させる、道徳的、政治的な愛である。道徳的、政治的な愛は、その本来的性質により、非理性的なものではない。それは我々の愛の対象の特徴を我々に見せてくれる。それどころか、実際にはその対象を慧眼を持ってよく見るように我々に求める。

『パトリオティズムとナショナリズム 自由を守る祖国愛』(同上)「第Ⅱ章 衰退と復活」、p.95-p.96

 また民は、「外界の洞察と内界の統治」という極めて身近でしかも根本的な政治をも行って、自力で自分自身の人生を自分の為に築いていくべきである。

スパイと誉れ高い[処世の]書、王はこれら二つを両の眼と知るべきである。  

『ティルックラル 古代タミルの箴言集』(同上)「同上 第五九章 スパイ」、p.99

 民は「闘争」を尽善尽美して改め続けては、自衛と国防を成すべきである。

(中略)平生軍備をなすのに、次の五つのことを基本としている。(中略)第一に道、第二に天、第三に地、第四に将、第五は法を言う。第一の道とは、国民を君主と一心同体ならしめることである。従って民は君主とその死生を同じくして危険を恐れなくなる。第二の天とは、天候上の明暗と、気候と、時の変化についての法則とを言う。第三の地とは、両地点間の距離と、地形上の険しさと、戦闘上の有利不利の環境とを言う。第四の将とは、智恵と信頼と仁愛と勇気と威厳とを言う。第五の法とは、万端遺漏のない制度と、諸官の地位・職務の規定と、それらの運営とを言う。

『孫子・呉子 新釈漢文大系36』(天野 鎮雄⦅著⦆、明治書院、1987)「孫子 計篇」、p.24

 ズン同志よ、この拙作の完成と出版を以て、また新たに誓約を果たすよ。

⒌参考文献一覧

3 結語

 今から園芸と運動を行い、夜から研究活動を再開します。
 元軍人の経験と記憶の持ち主として、軍事科学書の出版と同時に、民間軍事私塾サイトの創立を、決行します。これが、自分の選択した新たな道の一つです。
 余裕のある生計と将来の更なる活動の為に必要な金銭は、まだまだ不足しており、日々苦悩と不安ばかり積み重なっております。これらを耐え忍びつつ、現実で挑戦し続けて克服していき、将来完全に自立した自給自足の経済活動ができるように、奮励努力し続けます。これは、何年どころか、何十年も掛かる難事です。ですが、立ちはだかる大きな苦難・困難・危難こそが、成長の糧であり、進歩の道なのです。本当に辛いですが、確りと誠に努め励み続けます。そして父に親孝行します。
 では今夜から、以下の拙作の執筆のために研究活動を再開します。

ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。