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立ち返って、新たな一歩を歩み出す。

 事実を確認しよう。彼女は14歳の兵士だった。彼女は市場の中で手榴弾を投げた。彼女はその過程でベトナム人も殺した。これは犯罪でテロ行為だ。14歳の子どもにこんなことをしろと言えるか?ボクなら無理だね。
 すべてのベトナム人を代弁できないけど、ボクのような人間なら彼女を「テロリスト」と言うだろうね。
 彼女はベトミンに利用されたんだ。自分が何をしているのか、彼女も分からなかっただろうね。かわいそうな少女。
 〈ベトナム解放〉とは何か。解放後のベトナムに本当の平和は訪れたのか―民族の独立に半生をかけた南ベトナム臨時革命政府の元閣僚が、血をはく思いで指導部の矛盾と変質、権力と抑圧を告発し、解放のからくりと正体を証言によってあばく。

1 違えられた約束を再び守り返して

 著者の主人格「LVN」には、夢の記憶を通じて生じた複数の副人格が存在する。その内の一人である「Nguyễnグエン Hoàiホアイ  Minhミン」(第一次・第二次インドシナ戦争とベトナム共産党での活動を経験した記憶の持ち主)が代表者として、この記事を著述する。

 現在、日本で、ベトナムの犯罪率がますます激増し、その凶悪性や巧妙性は、ますます増していっている。
 また、違法することなく、不道徳的・非倫理的な仕事や活動を行い、虚飾や欺瞞・搾取を行っている社会的・経済的に財力や地位のある在日ベトナム人達が、着実に成功を収めていっている。自分は、この醜態に強く恥じ、激しく憤り、そして、深く悲しんでいる。
 かつて、自分がベトミン(ベトナム独立同盟会)の一員として、「Thanhタイン Bìnhビィン Dũngズゥン」を始めとする、多くの戦友達・同志達と共に、一致団結・相思相愛・愛国心・誇り等を以て、命懸けで数々の激戦を勝ち抜き、多くの苦痛や危難、憎悪や悲痛、そして愛する人々の死別(戦死・惨死)を通じて、こよなく愛する祖国ベトナムの独立を勝ち取った。
 しかし、その革命・勝利等の「約束」は違えられたのだ。最初から、全てが、虚偽・欺瞞に満ち溢れた有名無実なものであったのだ。
 そして、ベトナムの南北統一から46年以上も経ったが、祖国の旧弊は依然として蔓延っており、革命の道徳や綱紀に、理論や理念はもはや完全に形骸化かつ退廃してしまった。大衆に反省や進歩はほぼ無く、それどころか、大衆は貪るように、醜く保身や利己ばかりに走る。
 また、外国では、後先を考えずに犯罪を犯しては、全く悪びれず、狡猾に違法や露見せずに、悪事を働くベトナム人は甚だ多く、もやは、国内外での、ベトナムの伝統的な美徳であり、純朴で誇らしい国風であった、愛国心や団結力は、天が定めた時運に基づいて、もはや消えつつある。
 自分もまた、その消えつつあるものの一部であろう。しかし、どうせ消えるのであれば、存在している内に、天を仰いでは、意を誠にして、全身全霊で奮励努力するまでだ。
 同志「ヴォー Thịティ Sáuサウ」のように、その大志や無念、そして、約束が違えられた志士達・先人達・有徳者達・愛国者達等は、枚挙にいとまがない。
 だからこそ、自分は、「温故知新」に努め励んでは、違えられた数々の約束を再び守り返して、世界史・人類史の「徳」に関する脚注の一つになる。
 亡くなった戦友達・同志達が、もしも意識を持って、生者の世を見た時、

「確かに私達は、騙されては、利用されて、棄てられてしまった。しかし、私達の犠牲とその死等は、後世の人々によって、ちゃんと意義のあるものとなったのだ!」

と本当に思ってもらえるように、自分は、善く生きては、確りと学んで、次々と挑んでいく。

2 立ち返って

 以下は、人生初の拙作であるが、今、増訂版の作成に取り組んでいる。もう一度、精確かつ徹底的に訂正して、新たに補篇増補し、第4版を出版する。

3.0 新たな一歩を歩み出す

 そして、上記の拙作に続いて、第二作品として執筆中の拙作が、下記である。

00_商量録_徳の行商と時の推量(表紙)-1

00_商量録_徳の行商と時の推量(表紙)-2

以下が、解題の一部である。

3.1 祖国ベトナムとベトナムの実態への批判詩

自分と自分達は、誰かの為に手紙を書きたいが、誰に書こうか?
そう、本当に誰一人として、いないのだ。涙が零れるばかりだ。
自分と自分達は、誰かと語り合いたいが、誰と語り合おうか?
そう、本当に誰一人として、いないのだ。口を閉じてばかりだ。
自分と自分達は、誰かと一緒に学びたいが、誰と一緒に学ぼうか?
そう、本当に誰一人として、いないのだ。風の音ばかりがする。
奴等には、財力・地位、権力・名誉、そして機会が多くある。だが自分と自分達には、何も無い。
奴等は、光が当てられ、視線が向けられ、音が起こり、声が届けられ、そして、人望が多くある。だが自分と自分達には、誰も無い。
口から美麗で巧妙な虚言を吐き出して、詐欺を働いて搾取し、
目には人々の賛同と服従の姿が映って、無批判を好ましいとし、
耳には喝采と成功の報が流れ込んで、ひたすら貪り続けて止まず、
心は意図して無知無学で居続けて、努め励む学者を馬鹿にし、
実利と名声の功に狂喜乱舞して、問い疑う賢き善人を排斥する。
最悪なのは、怒りや憎しみを以て狂い、暴力に走ることである。
まだ良いのは、喜びや楽しみを以て暫く(しばら)間忘れ、休むことである。
より良いのは、寂しさや悲しみを以て知り、忘れないことである。
最善なのは、喜びや楽しみを以て学び、努めて行うことである。
天地は無道であり、国家は無徳であり、社会は無学であり、個人は無知である。望みは絶たれてしまった!なんと狂おしいことよ!
自分と自分達は、孤高を以て、徳を学び知っては、幸福を以て、道を知り学ぼう!ああ、嬉しくて楽しいことよ、哲学への深愛は!

3.2 ホー・チ・ミン主席の詩「折字」

囚人出去国患時始見忠人憂愁優点大 竹閂出本
囚人しゅうじんが出て去れば、みらいとなってくにを為すのだ。
わずらいはじまりが過ぎた時に、始めてまごころを見るのだ。
ひと憂愁ゆうしゅうが有ってこそ、すぐれた点が大きくなるのだ。
かんごくたけのかんぬきを開けば、本物のりゅうが出て来るぞ!

3.3 表題の由来

天地の為に心を立て、生民の為に道を立て、去聖の為に絶学を継ぎ、万世の為に太平を開くのだ。『張子全書』(拾遺)/『近思録』(論学 2:96)
 上記の格言と、中国の春秋時代に存在していた小国であり、商人と商業が盛んであった「鄭」と言う国の名宰相「子産」の格言「政は、必ず徳を以て為して、立つ所を忘れることが決して無いようにしなければなりません。」(『史記』:鄭世家 定公四年)と、『論語』を実践的かつ革新的に詳解した日本資本主義の父「渋沢栄一」翁の「士魂商才」や「道徳経済合一説」等に深い感銘を受け、そして前述の父の強い助言から、今回の拙作の表題を『商量録 徳の行商と時の推量』と名付けた。
 変化は、「『存在』が、存在して来たし、今もなお存在しているし、これからも存在し続ける。」ということそのものである。故に、やはり「人間として生きる」とは即ち「『学び問うては、学び知って、学び行う。』という意識的な生命活動とその行為を、死ぬまで繰り返す。」ということであり、またつまり、「『時間』即ち『変化』に適応する。」ということであろう。故に、「時の推量」という副題を設けた。
 自分は、利己主義をはじめ、利益至上主義や経験至上主義、拝金主義や縁故主義、形式主義や事なかれ主義等が蔓延し、自分自身も含めて、先入観や固定概念等に囚われがちである世の中で、道を志しては、徳を懐いて、学を愛し、独立した、自由のある、幸福な人生を成し遂げることを目指しているため、故に、「徳の行商」という副題を設けた。
子貢はこう言った、「ここに美しい宝玉がございますが、箱に仕舞って、隠しておきましょうか?それとも、善き商人を求めて売りましょうか?」
師はこう言った、 「売るとも!売るとも!私は商人を待っている者だ!」
『論語』(子罕 9:12)
 自分もまた、金銭・労力・時間、そして「徳」を費やして、時代を越えて、数多くの先哲の「美しい宝玉」即ち「道」を買い、それからまた、独自の「美しい宝玉」即ち「徳」を創って、善き商人を求めて、売ろうとしている、善き商人になることを志している。また、その商魂は、生存中だけではなく、自分の死後である後世にも、善き商人を求めて、売ろうとしているのだ。

4 過去と共に現在を生きて、未来へと進んで行く。

 同志「ヴォー Thịティ Sáuサウ」の死からもうすぐ60年になる。当時、同志「Thanhタイン Bìnhビィン Dũngズゥン」をはじめ、当時の自分達よりも若い年下の女子であった彼女の死は、第一次インドシナ戦争の勝利に近付きつつあった時流にて、自分達の士気や愛国心を鼓舞し、その後の第二次インドシナ戦争の自分達の精神的な支えとなぅった鑑の一人であった。
 しかし、前述の通り、現実は…。言葉で言い尽くせない、数々の苦しみや悔しさ、怒りや憎しみ、悲しみや絶望が、自分の心の中で満ち溢れている。

  しかし、それらを遥かに越えて、いずれ、それらを全て包み込んでは、和らげて、融かし変えてくれるものが、自分に在る。それが、やはり他ならぬ「愛国心」であり、そして、前世で学び得た「革命精神」「革命道徳」、そして、「忠義愛国」である。
 さらには、最愛の同志であり、目前で、手榴弾によって死別した戦友の「Thanhタイン Bìnhビィン Dũngズゥン」の遺徳である。

 さあ、世界は終わりつつあり、そして、始まりつつある世界が在る。生きて学んでいこう!

5 紹介情報

 相互扶助を以て、新しい人生を、新しい社会を、新しい国家を、新しい時代を、創造していきましょう!


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