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#16 限界から自由になる・人生を語るフランス語

stand.fmで紹介した言葉と収録内容の概要です。
音声はこちらからどうぞ。 
https://stand.fm/channels/5fafb858c646546590cea001

写真は、 deux sèvres 県にあるmarais poitevin 自然公園。
「前から行きたいと思っていたのよ。」とフランスの友人家族が連れて行ってくれました。
緑のヴェニスと呼ばれていて、小舟で、緑豊かな森を散策できます。

https://www.marais-poitevin.com/

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Quand quelqu'un vous dit que quelque chose est impossible, rappelez-vous qu'il parle de ses limites, pas des vôtres.

誰かに「それは無理だよ」と言われたとき、その人は自分自身の限界を話していて、あなたの限界ではない、と思い出してください。

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何かに挑戦してみたいとき、何かを実現したいとき、よぎるのは、「できるかしら」という思いや不安。

そんな時に周りの人から、「それは、むずかしいのでは…。」と言われると、ますます無理なのでは、と思いますよね。

周りの人の価値感、自分で無意識に創り出す限界、そこから自由になることは、とても大切だなと感じています。

そんなことを考えていた時に、フランスのニュースで、劇場公開される映画の紹介を見ました。
治療不可能な癌にかかり、死を宣告された40代の男性と、自身の息子であるこの男性を失うことになる母親の物語。
母親役に、カトリーヌ・ドヌーブ、息子役はブノワ・マジメルが演じています。
息子を支える主治医を演じるのは、実際にNYで癌の専門医として働いているガブリエルさん。この方が、監督にとって、映画のテーマのインスピレーションとなったそうです。

ニュースの最後に、映画のワンシーンでのドヌーブの一言が聞こえます。
”Accomplissez-vous.” 

s’accomplir という代名動詞の命令形。
実行する、成し遂げられる、自己を実現する、自己を開花させるという意味がありますが、ここでは、「自分の人生を十分に生き切る」という意味で使われているのでは、と思います。前後の流れがわからないので、推測ですが。

ニュースの最初の方で、ブノワ・マジメルが、インタビューで、こんなに強烈なシナリオ、役柄は体験したことがなかった、この経験の後、物の見方が変わった、と語っています。

普段の生活の中で、自分の命が終わる時を意識することは少ないですが、本当はもう決まっているのでしょうね。

ニュースのナレーションは、次の言葉で始まります。
”Comment vivre lorsque l'on sait que l'on va mourir. Et comment accepter la perte d'un enfant.”

「死ぬことがわかったら、どのように生きていくのか。子供を失うことを
どのように耐えるのか。」

重いテーマの映画ですが、その中に、命、生きることも語られているようです。ニュースのナレーションの、un film lumineux (光輝く映画)という言葉が印象的でした。
日本でも公開されるといいなと思っています。

ニュースのナレーションの一部の書き起こしを見つけたので、そちらもアップしておきます。
フランス語を勉強されている方には、聞き取りの練習に役立てていただければと思います。

https://www.lci.fr/culture/video-cinema-de-son-vivant-sort-en-salles-ce-mercredi-2202532.html

(時間が経つと、ビデオが観られなくなることをご了承くださいませ。)


Comment vivre lorsque l'on sait que l'on va mourir. Et comment accepter la perte d'un enfant. C'est l'histoire de Benjamin, la quarantaine, atteint d'un cancer incurable, l'un des plus grands rôles de Benoît Magimel.

Aux côtés du malade, c'est un médecin humaniste, le docteur Gabriel Sara, cancérologue à New York qui a inspiré le film, et il joue son propre rôle. "Son travail, il est philosophique, il est métaphysique, il est même, je dirais, spirituel", raconte Emmanuelle Bercot, réalisatrice. "Je me vois comme un coach, un guide pour ces malades. C'est mon job de les entraîner à vivre cette période de la façon la plus belle, la plus digne, la plus paisible, la plus sereine et la plus productive", raconte le Dr Gabriel Sara.

Ce film est marqué par un tournage difficile, interrompu plusieurs fois par la pandémie de Covid et par l'accident dont a été victime Catherine Deneuve. C'était un AVC pris en charge immédiatement lors du tournage, dans un hôpital. C'est une histoire dense où la mort rode et pourtant, la vie s'invite à chaque plan. Un film lumineux.

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