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2023年6月の記事一覧
ブラウン管の向こう側/歴史コラム「佐竹氏」
わたしの出身地の山の中に、かつて炭鉱で栄えたが石炭を掘り尽くしてしまい丸々廃墟となった街がある。商店、学校、団地、病院、そして墓地──テレビの心霊番組華やかりし頃、そこも最恐の心霊スポットとして紹介された。当時高校生。しょっちゅうバイクで通りかかるその場所にどんな悪霊、死霊がいるのか!リポーターは有名女性霊能者の方と大槻ケンヂ氏。大ファンだったわたしは、ブラウン管に釘付けとなった。
リポートはロ
飢餓海峡(Famine sector)5 日高屋は無かった
ダブルラーメン。どんぶりにかかる虹の架け橋────
さて、日高屋はお好きですか?サブカルチャーとの親和性も高い日高屋。わたしは好きだ。とくにレバニラ炒めとチャーハンを頼んでチャーハンを40%食べた所でレバニラ炒めを全部チャーハンの上にひっくり返す説明不要のド定番「レバニラチャーハン」が好きだ。
しかし、2001年、新世紀の訪れに沸き立つ街並みの中に、まだ日高屋は無かった。代わりに「全国ラ
それはロボットではない
「今日R階のワイヤーメッシュが7t車で搬入なんですけど鉄筋屋さん他現場がヤバくて来れなくなったんで、とんかつさん揚げてもらってもいいですか…?」
とんかつ、揚げる──小麦粉玉子に、パン粉をまぶして──ではない。
ワイヤーメッシュとは鉄の棒を100mm間隔で縦横に溶接した1畳(1820x910mm)の物体で、それをクレーン車を使って屋上にカラッと揚げてくれませんか?という某ゼネコンさんからのご依頼
アイアンマウンテン報告2
【前回まで】スカートをはいた男性がいきなりあらわれて自販機のジュースの補充をしました。
26年前──新宿の24時間営業のゲーセンで、わたしは「鉄拳3」をやっていた。深夜1時を回っていたがまだ対戦者はひっきりなしだ。
その時わたしは住む場所をなくし、頼れる知り合いもいない状態。荷物はギターと着替えのカバンのみ。財布には5000円弱。外は雨。
逃げるように入った狭いゲーセンで、ホームレスなのを周囲
アイアンマウンテン報告
工事現場の午後、先週から降り続いていた雨が急に上がり晴れ間がのぞいた。それとともに雨で中止になっていた作業が一斉にスタートした。
「ウオオオーッ」
梅雨の晴れ間の大運動会だ!
「ポンプだ!バケツだ!スポンジだ!」「ネコでガスバーナー持ってこ~い」「ドラムをひっぱれ!送風機を回せ!」「今だ!地墨を出せ!」
濡れていた服が乾く間もなく、全員で現場から水を掻き出す。「水替え」と呼ばれる作業だ。当然わた