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邦画まだまだイケル!「検察側の罪人」

※画像と見どころ、あらすじは「シネマトゥデイ」から引用。

見どころ

『クローズド・ノート』『犯人に告ぐ』などの原作で知られる雫井脩介のミステリー小説を、木村拓哉と二宮和也の初共演で映画化。東京地方検察庁を舞台に、人望の厚いエリート検事と彼に心酔する新米検事がある殺人事件の捜査をめぐってすれ違い、やがて二人の正義がぶつかり合うさまが映し出される。『突入せよ!「あさま山荘」事件』などの原田眞人監督が、正義の意味を問うドラマを骨太に描き出す。木村と二宮の演技対決に注目。

あらすじ

東京地方検察庁刑事部に配属された検事の沖野啓一郎(二宮和也)は、有能で人望もある憧れのエリート検事・最上毅(木村拓哉)と同じ部署になり、懸命に仕事に取り組んでいた。あるとき、二人が担当することになった殺人事件の容疑者に、すでに時効が成立した事件の重要参考人・松倉重生が浮上する。その被害者を知っていた最上は、松倉に法の裁きを受けさせるべく執拗(しつよう)に追及するが、沖野は最上のやり方に疑問を抱き始め……。


木村拓哉は大根役者?

奇しくも同じ検察官を描いた「HERO」という映画化もされたドラマをご存知だろうか?


「HERO」は笑いを意識した、検察官を茶化すドラマであるのに対し(特に2はひどかった)、「検察側の証人」はストイックにリアルを追い求める。

さて、「HERO」がヒットした際、こんな情報が一人歩きをした。「木村拓哉は大根だ」と。

本作をご覧になった方は、寝も葉も無いデマだと断言できるだろう。本作をご覧になっていない方に、こんな言葉を送りたい。

大根が、正義を追究しつつ、殺しに手を染める検察官を演じられますか?

「HERO」と同じ職種である検察官を演じながらも、全く異なる人間を演じきった木村拓哉にブラボー!

クリントイーストウッドがほれ込んだ「二宮和也」

「二宮和也」と聞けば否応なく、「硫黄島からの手紙」が頭に浮かぶだろう。クリント・イーストウッドが監督を務め、二宮和也に出演のラブコールを送ったのは有名な話だ。


「戦争映画は嫌いだ!」という方も、「GANTZ」はご覧になった経験は無いだろうか?

なるほど、名優にして名将のイーストウッド監督が惚れこむのも、頷ける。

本作はアイドル2人が主演だが、浮ついたシーンは一切無い。とにかくシリアスで、リアルだ。それは本作の監督が、原田眞人である点が大きいだろう。そう、『突入せよ!「あさま山荘」事件』のメガホンをとった名匠である。


「突入せよ!「あさま山荘」事件」に出演した役所広司は、『孤狼の血』で健在ぶりを強烈にアピールしている。その後進として、二宮和也が続く。邦画界には他に岡田純一もおり、しばらくは後進で頭を悩まさずに済みそうだ。


「吉高由里子」は日本の3代女優だ


「日本の女優は?」と聞かれて、あなたは誰の名前が浮かぶだろうか? 長澤まさみ? それも無論、間違いではない。

私が日本の女優で頭に浮かぶのは「真木よう子」と「柴咲コウ」だ。

特に柴咲コウの「黄泉がえり」はぜひ、ご覧になってほしい! 柴咲コウは「黄泉がえり」にて歌姫を演じ、その歌唱力も高く評価されている。また、単館の映画館を潰させない運動をしており、日本映画に大きく寄与している。

そんな二人に負けない演技力と存在感を示したのが、「吉高由里子」だ。本作にて吉高は、冷静にして感情的、そして俗物的な欲望を持っているという、複雑な役を演じきった。二宮が被疑者を追い込む名シーンは、吉高由里子の涙があって初めて成立する! と断言できる。要チェックな熱い女優であることは、本作をご覧になられた方なら、きっと首肯してくださるだろう。

※無論、本作の名シーンは異常な被疑者を演じきった「酒向芳」氏の貢献が大きいことを念のため、記しておく。名作が名作たり得るのは、悪役が非道を貫いた作品だけだ。「十三の刺客」の「稲垣吾郎」が、非常に分かりやすい好例である。

スターウォーズも、失態続きのスカイウォーカー一族ではなく、パルパティーンが全9作で悪を貫いたからこそ、唯一ヒットした「スペースオペラ」として、歴史に名を刻んでいる。


邦画はハリウッドに勝てるか?

さて今回も、このテーマに行き着く。ハリウッド、特にマーベルの勢いは凄まじく、邦画は劣勢だ。原田眞人監督の「燃えよ剣」が控えているが、東宝が3部作を拒否したのは事実であり、実に頭が痛い。東宝、ガンバ!

邦画が生き残る方策は、下らないルールを捨て去ることだ。全裸監督がサブスクに逃げた事実から、目を背けてはいけない。

1つ、提案したい。オウム真理教によるサリンテロは、邦画でしか描けない

一連のテロを「医者が狂うまで」「教祖」「大宮の科学防護隊」の3部作として描き切る度胸と体力があるのなら、邦画はハリウッドに立ち向かえると断言できる。


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