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ケンブリッジでティータイム

イギリスで初めてスコーンを食べたのは二度目に行った時でした。
(「イギリスはおいしい」の林望さん曰く、スコーンではなくスコンだそうだけど)
一度目のイギリスは友人とのバックパック旅行に近い節約旅、しかも最初の到着地だったので、ティールームに入った記憶がありません。スーパーで買ったバナナやパンや総菜を公園のベンチで食べる写真はあるんだけどね。

2度目のイギリスは、イタリアのペンフレンド達を訪ねる旅からの帰国途中で、ロンドンを経由地にして数日滞在したのでした。
大学町に憧れて、ロンドンから行きやすかったケンブリッジに日帰りで行ったとき、スコーンでお茶したくて、キングスカレッジ・チャペルが見えるカフェに入ったのです。
90年代のことで、今このカフェはあるのだろうかと調べてみても、名前もなにも覚えてなくて、すっかり変わってしまっただろうと思います。

今ならテーブルの上を絶対撮るのだけど、当時はフィルムだし、食べ物を撮る発想がなかったです、残念。
薔薇の季節で、教会を見ながらのお茶はとても印象に残っているので頑張って描いてみました。

イギリスのティータイムに憧れていたのに、ポットの中を見たらティーバッグだったのにちょっとがっかりしたのを覚えています。
てきとうに描いてみたら、スコーンでか過ぎた!と思ったけど、検索するとイギリスのスコーンって、でっかいんですね。
スコーンがいくつあったとか、カップはどんなだったとか全く覚えていませんが、頭の中のぼんやりとした思い出の情景を描き出せるって、良いなと思いました。

大学町に憧れたのは、映画「モーリス」(1987年)の影響もあると思います。
ヒュー・グラントが出ていて、ざっくりいうとイギリス上流階級のボーイズラズな話。明るいところはなく、イギリスの上流階級の暗さと重さのある長い映画でした(2時間20分)。
もう1度見たいとも思わないけれど、ケンブリッジの大学の食堂のシーンだったかな、それにとても魅了されて、ケンブリッジやオックスフォードといった伝統あるアカデミックな場所に憧れたものです。
(だからのちのち日本の大学職員にもなった)

でも行った当時、あまり詳しいガイドブックを持っていなかったのか?
チャペルなど入れる大学施設があったはずなのに、入れないものと思ってほとんど観光していないのです。
ああ、もったいない。
散歩して、お茶して、どこか上から見渡せる場所には登ったみたい(写真がある)。
ロンドンと比べて町がこじんまりかわいい印象で、頭脳もないのに「留学したい!」と思いました(笑)。
覚えているのはナショナルトラストのショップがあったこと。入ってみたら可愛いお土産ものがいろいろ売っていました。

何十年もたってしまったので、たいした記憶がないけれど、できることならイギリスの田舎町をもっと訪ねてみたい。
今ならもっと、いろいろなものを目と記憶に焼きつけられる気がします。


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