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イギリスのお菓子とメイズ・オブ・オナー

イタリア語を勉強したり何度も現地に行ったりして、長いことイタリア縁はとても強かったのですが、実はイギリスも好きなんです。
むしろシンプルに(?)好きなのはイギリスのほうじゃないかというくらい。
といっても、私の「好き」は波があるので、あまり意識がいかないという状態のときも長かったように思います。

思い起こせば、写真の綺麗なお菓子の本が好きで外国の文化がわかるようなものを毎日毎日眺めていた時期がありました。
(眺めるだけではなく、お菓子教室に通ったことも。でも、作るよりも本(印刷物)を見るのが好きだったみたいです。)

もともとヨーロッパが好きですし、となると必然的にイギリス、フランス、またはアメリカのお菓子についての本をよく目にすることになり、おそらくその流れでハーブ研究家の北野佐久子さんの本を愛読するようになりました。

「イギリスのお菓子」「イギリス料理を召し上がれ」「イギリスのお菓子Ⅱ」「美しいイギリスの田舎を歩く!」などなど。
北野さんが訪ね歩いたイギリスの町やイギリス人のお宅でであったお菓子や料理、ティールーム、ガーデン、ピーターラビットのようなお話の舞台のことなどを読んでは憧れていました。

先日ひさしぶりに本を手にとったら、そのころの感覚が蘇って懐かしくて。
ジンジャー・ブレッド、ショートブレッド、フラップジャックス、ヴィクトリアン・サンドイッチ(ケーキです)、メイズ・オブ・オナー etc.
名前を見るだけでも毎日のように本を眺めていた時が蘇ります。

特にメイズ・オブ・オナーというチーズのパイは、北野さんの本で知り、食べてみたくて、イギリスで唯一作っているお店を訪ねて行ったくらいです。

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2年くらい前に北野さんの本を見ながらスケッチしたもの。
今度もうすこしちゃんと描いてみよう。

16世紀の王、ヘンリー8世が愛したお菓子だそうですが、お店を訪ねていったとき(1993年。昔だ!!)は詳しく知りませんでした。
でも2、3年くらい前のEテレ「グレーテルのかまど」で取り上げられ、詳細を知ることができました。

メイズ・オブ・オナーとは身分の高い侍女たちのことで、その中に2番めの奥方になるアン・ブーリンがいたそうです。ヘンリー8世が彼女たちと食べたお菓子だったのでメイズ・オブ・オナーと名付け、レシピを門外不出にしたとか。

このオリジナルレシピは18世紀に何者かによって流出され、ニューエンズという人物が手に入れてお店を作ったのだそう。
今でもレシピは金庫に入れられ、職人にはレシピを口外しないようサインさせるのだそうです。
その、リッチモンドにあるNewensというお店を、キューガーデン(王立植物園)に行く時に訪ねてみました。

「グレーテルのかまど」でも取材されていましたが、歴史のあるイギリスらしい店構えで、ティールームも併設されています。
お茶と一緒にいただきたかったけどティールームは満席で、仕方なく買って帰ることに。
一人だったのですが、1つだけというのもなんだから、2つくらい買ってホテルで食べることにしました。
でも、私の英語が下手すぎたのか意思疎通が今ひとつで、メイズ・オブ・オナー2つに、もう一種類のケーキを1つ、全部で3つ買うことに。
お店の人がにこにこ感じが良くて、訂正できずに笑顔につられてそのまま買って帰りました(笑)。

「グレーテルのかまど」であらためてお店とティールームを見て、また行きたい!と思いました。
その頃の私は、キューガーデンも入ったらすぐ出てきてしまったくらい植物にあまり興味がなかったのですが、花の写真を撮るようになってから「なんて勿体ないことを・・・」と思ったものです。
またイギリスに行くことがあったら、キューガーデンとNewensを訪ねてみたい。
当時は、メイズ・オブ・オナーがヘンリー8世とアン・ブーリンが食べたものと同じレシピだと知らなかったけど、それ、すごいことですよね。
なんだかもう、いろいろ惜しいですが、
まあ、そんなものなのかもしれません。

ちなみにヘンリー8世は6人の妻がいて、アン・ブーリンは斬首されています。その印象が強くて残虐な王のイメージがありましたが、非常に魅力的な人物でもあったそうです。

関係ないけど、イギリスといえばジェレミー・ブレッドの「シャーロック・ホームズ」も好きで、いま毎週再放送をやっていて、観ています。
以前にほとんど観ていて覚えているけど、あのイギリスのオドロ〜な感じが好きなんですよね。

書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。サポートいただけましたなら、自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。