アッシジお散歩ツアー(2) サント・ステファノ教会〜コムーネ広場
アッシジお散歩ツアー(1)では、聖フランチェスコ聖堂から、てっぺんに木が生えたサン・ジャコモ門(19:40頃)のそばを通るところまでで休憩。
そこからまたお散歩を続けていきたいと思います。
しばらく、てくてくと歩いていきます。さきほどの聖フランチェスコ聖堂を背に、右側が平野と駅のある側で、山の方向に向かって。
両側の家を見てもわかるように、アッシジの町はベージュに近い淡いピンクの石でできていて、夕日があたると薔薇色に染まるんです。町の裏側が採掘場だったという話を聞いたことがあります。
しばらく行くと、車が停められている見晴台のような場所に出ました。(22:17頃) イタリアらしい真っ青な空。ここからの眺めも最高ですね。思わず深呼吸をしてしまいます。
いま思い返しても、こんなところに3ヶ月も住んで、なんて幸せだったんだろうと思います。当時も思っていましたが、時が経ってこうして町の様子を見ると、またしみじみ。
そこからすこし歩いていくと、サント・ステファノ教会の入り口に着きます。
*サント・ステファノ教会(26:23頃)
この教会は、1150年頃に作られているそうで、アッシジの中でも古い教会です。フランチェスコが生まれたのが、1181か82年ですから、それよりも古い。
サント・ステファノの鐘は、フランチェスコの苦悩の時に鳴ったと、どこかで読んだのですが、酒井しょうこさんは「酒井しょうこと辿る聖フランチェスコの足跡」の中で、「フランチェスコの臨終の時、教会の鐘も自らの悲しみの音を鳴らしたと言い伝えられています。」と書いています。
観光客は少なく、とても静かな聖堂です。中に入ると石壁の古さ、消えかかった壁画など、タイムスリップしたように当時の空気感で満ちています。映像では、奥に赤い聖衣を着た聖ステファノの像があります。この写真を撮った時は、手前に立っていました。
石の壁の反響音は独特で、この響きを聞くとイタリアの教会を思い出します。
古い教会がお好きな方はぜひ映像を見てみてください。12世紀の空気を一瞬でも感じられるのでは、と思います。
教会を出てまた階段と坂を上がっていきますが、この石畳の坂道がお気に入りでした。ここからも平野を眺められるので、上から下ってお散歩していました。
上がりきったところでサン・パオロ通りに出ます。ここからまっすぐ歩いて行くと、町の中心コムーネ広場です。
*コムーネ広場(32:04頃)
ひらけた場所に出てきました。コムーネ広場です。
中世都市の印象が強いアッシジですが、古代ローマ時代アシジウムという都市でした。詩人プロペルツィオを輩出したことを誇りにしていた、とあります。
コムーネ広場は、ローマ時代の公共広場があったところだそうです。
目をひくのはポポロの塔と、その隣のミネルヴァ神殿。
進行方向逆から見たところです。建物の壁の飾りは春のお祭りのため。
ミネルヴァ神殿は紀元前1世紀に作られていて、円柱が印象的です。中は16世紀にキリスト教の教会に改装されています。カメラは教会の内部にも入っていますが、ここには1度くらいしか入った事がありません。内部はバロック様式で、あまり好みではないもので。
5月のあたまにある春のお祭りカレン・ディ・マッジョでは、ミネルヴァ神殿前がメインのステージになります。
聖フランチェスコ聖堂のジョットーの連作フレスコ画の1枚目にも、ミネルヴァ神殿が描かれていますが、実物とは違う様式になっています。フランチェスコがまだ家を捨てる前の場面です。
「アッシジの知的障がいの男が聖フランチェスコの前に自分の服を敷いて尊敬を表した。彼はフランチェスコが将来、すべての人々から尊敬される偉大な人となることを神から知らされていた」
(聖堂で購入したジョットのフレスコ画のガイド本。日本語バージョンあり)
*ヴォルタ・ピンタ(35:58頃)
広場沿いにある建物(プリオリ館)の通路の天井に絵が描かれている場所があります。16世紀の装飾だそうで、この絵がグリーティングカードになって文具店で販売されていました。
この通路を抜けたところにトラットリア・パロッタというレストランがあり、私の大家さんもオススメだったりするのですが、残念ながら入ったことはありません。
何年も前にTVで、女優の夏菜がここでトリュフ(ウンブリア州の名産)のパスタと、アッシジの伝統?のデザートを食べていて、美味しそうだったので、今度行ったときは必ず入ってみようと思っています。
しかし、この感染症の状況で、どのお店もどうなっているのか、、それが心配です。
では、今日はこの辺で。
この後、フランチェスコの生家跡にある教会から、聖キアーラ聖堂のほうへ歩いて行きます。
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