![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74467810/rectangle_large_type_2_a964b46133ada7d162b6dff3869a55d4.png?width=800)
牧場の八方よし ~「良い牧場」とは~
「持続可能な資本主義」という本をご存知でしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1647352367087-mnyy8AAtoC.jpg?width=800)
今回は過去に読んだのとは違う視点、すなわち本書を「持続可能な畜産」のアナロジーと仮定して読んでみた感想を書いていきます。
つまり、本書の随所に出てくる「資本主義」を「畜産」に読み替えて、頭の周りに立ち上がってくるイメージをつかむという作業です。
概要は、利益の追求だけを目的とした資本主義は限界にきているし、それを薄々みんなわかっているけど簡単にやめるとこはできない。
それでも、これまでは違う価値基準の「いい会社」が投資家や消費者から選ばれ、ゆっくりと手堅く成長している。
そのような「いい会社」が増えて、持続可能な資本主義のあり方を、各企業のミクロな活動をつなぎ合わせて模索していく内容です。
ここでいう「いい会社」の条件は2つ
「これからの社会に必要とされる会社」
「経済性と社会性を両立している会社」
そのまま牧場で言い換えてみましょう
「これからの社会に必要とされる牧場」
「経済性と社会性を両立している牧場」
となります。
畜産のこれまでを振り返って
畜産業において鶏と豚は大規模化が進み、法人化されている農場が多いでしょう。
牛はまだまだ小規模家族経営が多く存在していますが
家畜の生産寿命が長いために事業体の変化がゆっくりなだけで
徐々に養鶏や養豚に近づいています。
現に、小規模農家は廃業しているものの
中から大規模農場が規模拡大し、メガファーム化の流れがあります。
規模拡大に対して国の補助金などの追い風もあります。
統計的には、農家戸数は減少しているのに、飼養頭数は乳牛、肉牛ともに増加しています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74340141/picture_pc_96524726c3baed163da3b3b60d01b915.gif?width=800)
一軒当たりの飼養頭数が増えているとされていますが、みんなが少しずつ増やしているわけではありません。
実際は現状維持の小規模農家と
大規模農家がさらに大規模化する二極化が進んでいます。
小規模と大規模では牛の飼い方も、経営の在り方もまったく変わってきます。
大規模化、法人化の流れが進めば
「農家」というよりも「企業」としての在り方が求められ
「信頼される会社」と「信頼される牧場」は同義となっていくのではないでしょうか。
だから、この本で語られる「見えざる資産」を大切にできる
![](https://assets.st-note.com/img/1647353472184-QCbANhAS9y.png?width=800)
そういった効率至上主義のその先の
長期的視野で、時間をかけて人財を育成し
健康な牛と健康な土壌を大切にし
牧場を私物化せず、社会に安全でおいしい畜産物を届ける「社会の公器」ととらえる
地域や社外の関係者のことも大切にする
そんな「良き日本の牧場」を目指すことが
持続可能な畜産へとつながると言えそうですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1647353648489-wPuNQzUf64.png?width=800)
本書が提案する「八方よし」の経営と、牧場の八方よしの例です。
ぜひ皆さんのご意見も聞かせていただきたいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1647353707524-HSyoKNo9TJ.png?width=800)
さて、今日はここまで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?