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獣医さんとやってみよう自由研究

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2023年3月の記事一覧

犬に桜の葉と種子は食べさせないようにしよう

犬に桜の葉と種子は食べさせないようにしよう

フォロワーの方のわんちゃんが仔犬の頃に桜の葉を食べて入院したとご報告いただいたので,調べられる限りまとめてみました。
■原因物質
アミグダリンAmygdalin(種子):バラ科の植物の種子にはアミグダリンAmygdalinという物質が含まれています。アプリコット,桃,桜,プラムなどです。桜と一口に言っても実際には様々な属,種類があるため日本でよくみられるソメイヨシノに具体的にどの程度含まれるかは不

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中毒17:犬のカフェイン中毒【中毒】

中毒17:犬のカフェイン中毒【中毒】

カフェインは犬に中毒を起こします。チョコレートに含まれるテオブロミンよりも早く吸収され,中枢神経を興奮させ落ち着きがなくなったり,高体温,頻脈などがみられるようになります。軽度の症状は1kgあたり20mgから出始めます。コーヒー100mlにはカフェインが60mg含まれますので注意しましょう。

■原因物質
カフェイン。中枢神経を興奮させる作用があります。カフェインは植物由来のメチルキサンチンという

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中毒16:犬のマカダミアナッツ中毒【中毒】

中毒16:犬のマカダミアナッツ中毒【中毒】

【マカダミアナッツ中毒】

犬にマカダミアナッツを与えるとふるえや元気消失などを起こすことがありますので与えるのはNGです。原因物質は特定されておらず,カビ毒や同定されていないナッツの成分,混入物など色々と仮定されています。誤飲例では犬の体重1kgあたり2.4g程度から症状が出始めると報告されています。

■原因物質
不明ですが,候補としてナッツ自体の成分,製造過程での混入物,マイコトキシンなどが

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中毒15:ペットのヒキガエル中毒

中毒15:ペットのヒキガエル中毒

もうすぐ啓蟄(けいちつ)。冬眠していた亀やカエルが目覚める頃,という意味だそうです。我が家の亀は高齢のため今年は冬眠させませんでした。みなさんのお宅はいかがでしょうか?

さて,お散歩などで犬や猫がカエルに遭遇して食べちゃったらマンソン裂頭条虫に気を付けよう!と大学では教わりました。が,ヒキガエルの場合は毒液にも注意です。ヒキガエルの毒は心臓に毒性がある物質が含まれています。毒はヒキガエルの仲間全

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