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『フミオ劇場』まとめ

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昭和初期生まれ“めちゃくちゃ系父“のエピソードを小説風連載にしたものです。 家族が被った数々のネタを書き残しておこうと、昨年よりnoteで始めてみました。 80%実話で、20%…
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フミオ劇場 9話『嵐の新婚生活』(義妹 純子の回想)

フミオ劇場 9話『嵐の新婚生活』(義妹 純子の回想)


【少し時代は遡ります。フミオが堺から追い出される前、フミオの弟と結婚した京都のお嬢さん、純子の話です】

「三男坊さんぇ」
 
 純子は母親から

 責任の重い長男でなく、次男か三男へ嫁がせたい。由紀男さんは三男やし兄嫁さんも2人いてはるからアンタも心強いでしょう

 そう諭され素直に安心した。

 トントン拍子に話は進み、三度目に会ったとき

「すぐ上の兄貴がうちへ来てるいうから、紹介するわ

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初恋やったら何してもええのんか?

初恋やったら何してもええのんか?

初恋の相手は中学の同級生、それはよくある話だが、その子の名前をまるッと娘に名付けた男がいた。

しかも、妻や親兄弟ほか誰にも知られることなく、姓名判断の本を熟読するふりをしながら、
自然な流れで命名していた。

犯人は自分の父だ。

中学生の頃、部屋で宿題をしていると父が入ってきた。

焦げ茶色の古いアルバムを抱えている。

「お、おったか。これワシの中学の卒業アルバムや」

「中学の? ふ~ん。

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