見出し画像

先生の言葉は今日も生きている

先生の旅立ちのとき

昨日、中高で担任してもらって以来30年お世話になった恩師が旅立ちました。

北海道生まれ、関東育ちのカープファン。サラリーマンをしていた先生は「これはワシのやる仕事ではないと思った」と脱サラして教員に。そこから何故か広島の地へ。どこの団体にも属することなく軍都廣島の歴史を若い人達に伝えながら平和活動することをライフワークにされていました。

若い頃はボクシング部で鍛えた強靭な肉体と精神。どうしょうもない負けず嫌いな先生のパワーは軟式テニス部顧問としても伝説になっています。

2018年に見つかった肺癌。大手術を乗り越え生還。このとき「5年生存率なんて宝くじみたいなもの」と先を見据えて腹を括っておいででした。

「来なかったら死んだと思え」とまで言っていた現役生徒さんたちの文化祭を見届ける約束もその秋に果たしました。

翌春には見事、教壇に戻りました。

2021年1学期の時点で余命をとうに1ヶ月越えていました。教員生活と抗癌剤治療を両立させるのは並大抵のことではなかったはず。そこへいよいよ肝臓への癌転移が見つかり治療専念やむなしと決断。

先生のFacebookにはつい先日のバレンタインデーまで昔の教え子たちの訪問が絶えず続いていた模様が記されています。

クリスチャン(プロテスタント)の先生はお役目を全うして神様のところへ旅立たれました。

61歳でした。

先生のことを綴ったnote

 
先生の言説~コロナと自己責任論

ワシの言説を文章にして世にだせとの約束どおり、先生のFacebookから拝借していたものをここで公開します。  トップ画像は先生が昨年春に撮った満開の広島平和公園の桜です。

先生の言葉は生き続けます。

以下 先生のFacebookより
――――――――――――――――

昨日の授業のこと。ある生徒が突然「コロナに罹るのって自己責任ですか?」と質問してきた。これは看過できないと思って生徒全員に呼びかけた。「自己責任なんて言葉を不用意に使うな。君らのお父さんやお母さんの中にも医療関係者や介護福祉の仕事に就いておられる方がいるだろう。その人たちは今非常に高いリスクのなか患者さんやお年寄りのために尽くしている。その人たちが運悪く感染してしまった。その時、君は自己責任って言うか?自己責任って自分のせいっていう意味だぞ。その人たちは悪いのか?だからみだりに自己責任なんて言葉を使うな。それとな、コロナみたいな感染症、気をつけていても、誰がいつ感染するかもわからない。この危機に際して国民の命・安全を守る責任はどこにある?政府だな。勘違いするな、個人のできることは限りがある。そして国民の命を政府が守れない、守るに必要な政策を実行できないなら、そんな政府は潰していいと、何百年も前から言われてるんだよ。この話は覚えておけ。」中1の4月に肝心なことを伝えるいい機会になったと思う。

【追記】ありがとうございました

この記事が参加している募集

熟成下書き

忘れられない先生

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?