#23 羨ましさのさきに
お散歩をするときは、いつもイヤホンをつけている。今日歩き始めると、はずそう、と思った。風が強くて木の葉がわさわさと音をたてている。桜の花びらはひらひら舞っている。お花をじーと眺めて観察しているおばあちゃんがいる。
向こうから2歳くらいの子供を抱っこしたお母さんが歩いてきた。小さな子供を連れてゆったり散歩している(ように見える)親子と出会うと、羨ましい気持ちになる。自分が同じような時期には、早くひとりの時間が欲しいと、もがいていたはずなのに。目の前のお母さんも、もしかしたらい