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アメリカで出会った100の光景 No.14<大自然の絶景>グレイシャーのとろけそうなアイスブルーの氷河湖


氷河と砂漠とオーロラ。わたしの3大見てみたいもの。
その一つである氷河を見に行くことになった。その名もずばり「グレイシャー(氷河)国立公園」。
カナダとの国境に接しているこの公園にシアトルから陸路で向かったところ、想像以上に遠く、途中のなんてことのない町に1泊するはめになった。そしてようやく着いた公園がまた広くて、アメリカの広大さを改めて感じることになったのだった。

しかし、行くのが大変であればあるほど、着いたときの喜びも大きい。
公園に入るとすぐに、氷河で削られた尖った頂の山々が目に入ってきた。上の方には氷河も見える。そして目の前に広がる透明な湖。なんというすがすがしさ。
8月とはいえ、水は冷たい。それでも泳いでいる人がいる。アメリカだなあ!


氷河湖を上から眺めるトレイルを歩く。長いトレイルだ。
しかし山道には緩急があり、ずっと辛いわけではない。
マイペースで雄大な景色を眺めながらのトレッキング。振り向いて、歩いてきた道の遠く長いことに満足する。


緩やかだったトレイルに分岐点が出てきた。今までの緩やかな道とは、明らかに違う斜度のキツい細い砂利道の出現。しかしその砂利道こそが、このトレッキングの一番の目的、氷河湖を見るためのトレイルなのだ。
・・・行くしかないじゃない。

山頂まではほんの1km。されど1km。
これは間違いなく今まで歩いた中で、一番辛い1kmだった。
本当に10m、いや5mおきに足を止めて、あがった息を整えないと先に進めない。
途中で止めようかという気持ちに何度もなり、都度自分の心を奮い起こして歩を進めたものの、実際に引き返した人を見て引き返すのも勇気だと気づいて、足を止めた。
同行の夫には、「ここで待ってるから」と言って一人で行ってもらうことにする。
しかし、たまたま戻ってきた人に日本語で「もう少しだから頑張って!」と声をかけられて再び奮起。カタツムリくらいのスピードで進んでいると、戻ってきた夫と再会。今度は二人で山頂へ向かい、ようやく山頂に着いた。

先に着いていた人たちにハイタッチで迎えられ、岩の間から下を覗き込むと・・・
ついにアイスブルーの湖が現れた!

なんてきれいな色!氷河湖の独特の色だ。
そして数時間前まで見上げていた氷河よりも高いところまで、自分が登ってきたという達成感。
感動は歩いた距離に比例する。このときの喜びは確かに苦しみよりも勝った。

実はこの2日後、再度この湖を見るトレイルを歩いた。
今度は、湖畔近くまで行くトレイルだ。

氷河湖は近くで見ても美しい色をしていた。浮いている氷は、砂がついて汚れていたけれど。

氷越しの冷たい風を受けながら、全身筋肉痛のわたしは思った。
ひょっとして、こんな風景が見れるんだったら、2日前の苦しいトレッキングはいらなかったのでは!?

グレイシャー国立公園(モンタナ州)
Glacier National Park

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