見出し画像

「ヴィーガンは老けるのが早い」は本当か?

ヴィーガンであるという話をした時に、よくこんなことを言われます。

「老けるのが早いんじゃないの?」
「肌が汚くなるって言うよね」
「肉を食べないと体臭がキツくなるらしいよ」

本当か調べてみました。

まず肉に含まれる栄養素について整理してみます。肉にはタンパク質やビタミンなど多くの栄養素が含まれています。タンパク質の中にはアミノ酸があり、そのアミノ酸が筋肉増強や脂肪燃焼、疲労回復やリラックス効果に役立ちます。

その一方で、WHOの発表によると加工肉や赤肉には発がん性があり、ベーコンなどの加工肉を毎日2切れ食べると食べると大腸癌のリスクが18%赤肉を毎日100g食べると17%上がると言われています。

また、肉やバター、牛乳、卵などに多く含まれる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は心疾患のリスクを10%程度上げるということがハーバード大学の研究で分かりました。

最後に、卵や肉、魚に含まれるコレステロールは細胞膜を構成し強くするのに必要になります。体内のコレステロールの4分の1は脳に集中していて、脳からの情報伝達に大切な役割を果たしています。しかし1日のコレステロール摂取目安は600mgで毎日卵や肉、魚、菓子類を食べているとすぐに基準を超過してしまいます。

つまり、肉や動物性の食材を食べることで(しかも毎日肉を食べる人にとっては、意外にも少ない基準量)、病気になるリスクが高まる。これが肉を食べることのデメリットです。

一方で、野菜を中心とした植物性の食材しか摂らないヴィーガンのデメリットはあるのでしょうか?ヴィーガンは野菜しか食べないことで、肉に含まれる下記の栄養素が不足していると言われています。

・タンパク質
・ビタミンB12
・カルシウム
・ビタミンD
・オメガ3
・鉄分
・亜鉛

このうち、ビタミンB12以外は豆類や海藻、きのこ、ゴマ、ナッツ、エゴマ油、アマニ油などで摂取可能です。ビタミンB12だけが植物性の食材からは摂れず、不足すると貧血などを引き起こす可能性があります。厳格なヴィーガンはビタミンB12をサプリメントで摂取する必要があるようです。

また英オックスフォード大学の研究では、「骨折リスクが高まる」「脳卒中リスクが上がる(前述の通り、コレステロールが足りず、60%が脂質でできている脳に栄養が行き渡らず脳卒中リスクを上げてしまう)」などの研究結果が出ています。

ヴィーガンが「浅黒い」「肌が汚い」「老ける」「臭い」などと言われているのも、必要な栄養素を必要な量摂れていないからだと言われています。しかし植物性の食材からでも摂取できる手段はあり、食材や必要な栄養素を正しく理解し摂取すればむしろ健康体でいられるのだと思います。

肉の食べすぎは良くないですが、適量であればむしろ栄養素的には良い影響がある。野菜は健康に良いですが、栄養素が偏りすぎてはいけない。何事も極端は良くないということです。ヴィーガンへの悪い印象があるのも、必要な栄養素を理解せずに「ただ動物性のものを控える」だけのヴィーガンとなっている人が多いからではないかと考えています。

※本記事はあくまで個人の見解です。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?