『生まれたことを恥ずかしいと思ったことはない』


みなさんこんにちは、リトです。
昨日の記事には多くの反響をいただき、ありがとうございました。

未だに西尾さんの企画した意図とはかけ離れていたのではないか、私がこうしてカミングアウトをすることで、みなさんにいらぬ気を遣わせてしまったのではないか、と心配になっておりますが、
まあ、公開するしないは私が決めたことなのでそれは良いとして。(良いのか)

もうこの際、全部ぶちまけてやろうと思います。

1.婚外子とは

婚外子、ドラマやドキュメンタリー、いや、今の時代だとアニメとかのほうが身近なのかもしれませんが、ご存知の方も多いと思います。
例えば芸能人だと三船美佳さんとか。漫画だと進撃の巨人のヒストリアとか。
つまり、婚外子とは、“法律上の婚姻関係にない男女から生まれた子供“です。

事実婚状態のカップルとか、籍を入れていない人たちから生まれた子供も該当しますが、
まあ、今回の場合は妾の子です、早い話。

私は婚外子です。
父がお妾さんに生ませた子供です。
私の母は、そのお妾さん。
父には当然のことながら正妻がおり、その正妻との間に出来た子供もおりました。
それが、昨日の記事に登場した兄にあたります。

もうこの時点で「えぇー!信じらんない!不潔よ!」となる人もいるでしょう。
それはそれでいいのです。正しい反応です。

実際、面と向かって言われたこともあります。
「汚らしいから近寄らないで」とか
「妾の子とかマジで気持ち悪い」とか。
「お母さんが妾の子と付き合うな、って」とか、
「死んで生まれ直したほうがいいんじゃない?」ってのもあったかな。
田舎ですからね、噂が回るんですよ。
だから小学校時代の同級生とかは、みんな結構、私の境遇を知ってたんじゃないかな。

ああ、そうそう。
コレ、側から見るといじめっぽく見えますが、いじめじゃないんですよ。
いじめってのは、一方的にやられて、誰にも相談出来なくて、周りにも味方がいない、ってのがいじめだと私は思ってるので。
私の場合は周りに味方も友達もいましたし、そもそもそいつら全員言い負かしてボコボコにしてるのでいじめじゃないんです。

それに、彼らの気持ちを否定する気はないです。
ほら、不倫って、今の時代だと本気でぶっ叩かれる対象じゃないですか。
そこにどんな事情があったとしても、本人たちの間にどんなやりとりがあったとしても、どんなに他人が推し測れない想いがあっても。
無条件に叩き潰してボコボコにして尊厳踏み潰してもいい対象になってるじゃないですか。

だから別にいいんです。
私が父と母から生まれたのは変えようのない事実なので、それはもう仕方ないことなんですよ。
叩かれるのも蔑まれるのも。
仕方のないことと割り切ってるので。

2.知らされたのは子供のころ

正確な時期は忘れてしまったんですが、恐らく10歳かそこらの話ではなかったかと思います。
私が両親にそのことを告げられたのは。

それを聞いた時は、そりゃ驚きましたけど。
でも、なんていうか、正直、個人的には飛び上がるほど驚くことでもなかった。

世間にいる婚外子ってたぶん、ある程度地位がある男が作るのが多いと思うんですよ。
社長とか、歌舞伎の世界とか、芸能人とか。
んで、コレ、皆さんが思うよりも意外と普通に世界に転がってるんですね。

もちろん私みたいにぶちまけちゃう人は少ないから、ほとんどは誰にも知られずに暮らしてるんだと思うんですけど。
いるんですよ、それなりに。
特に昭和の時代なんて、当たり前とまでは言わないけど別段珍しいことでもなくて。
私は父の交友関係を見ていて、その“珍しくない“ってのを前から知っていたので、「ふーん、ウチもそうなんだ」みたいな感じです。

ドラマみたいに「どうして隠してたの!?」とか「2人とも最低!!」とか、そんなのないです。
ココ、現実ですし。
あまりにもあっさり受け入れたので両親は面食らってましたけど、今思えば、私がこういうえげつない話(例えば旦那の病気の話とか)を他人から聞かされても平然としてるのは、コレがあったからなのかもしれないです。

自分が妾の子だった以上に驚くような話ってなかなかないですよ。
これ以上だとなんだろう。
「あなたは橋の下からもらわれてきた子なのよ!」くらいですかね。
流石の私も、橋の下から拾われてたらちょっと傷付きますね。

でも現実はそうじゃなくて。
私は間違いなく母と父の子なんですよ。

3.傷つかなかった理由

自分が妾の子だと知っても傷つかなかったのは、ウチが、普通の家庭となんら変わらなかった、ってのもあると思います。

父の仕事の都合上、紆余曲折はありましたけど、本当に普通の家庭なんですよね。
父は毎日家に帰ってくるし、母も父の仕事を手伝っていたので昼間は家にいない日もありましたけど、夜は全員揃ってご飯食べるし。

休みの日には遊びに行って、時々どっかに旅行して、世間一般の家庭と変わらないんです。

だから私は少なくとも日々の生活では、自分が妾の子であるのを意識することはなかったし、数ヶ月に1度、父が正妻のところに戻る日があっても、母はものすごく気が強い人ですから、父が翌日には帰ってくるのを疑わずに、普通に「いってらっしゃい」なんて送り出していたし。

正妻がいるからなんだって言うの、私は私よ!っていうのが母の性格ですから、ひとり自宅に残されてメソメソするようなタイプじゃないんです。

母がメソメソしないのに、私が勝手に凹んでメソメソ泣いてるのもおかしな話じゃないですか。
だからなんか、うん。「そういうもの」としか思えなかった、というか。
いつしか“妾の子“であることは、私にとって当たり前になっていってしまったんですよね。

4.親の矜持

ただ、昨日の記事で私と兄を比較するような言動を母が取ったのは、まあ、間違いなく「正妻の子に負けてほしくない」というのがあったんだと思います。
母だって妾のくせにって馬鹿にされてきたんでしょうから、まあ、私を使って見返してやろう、って心理は理解出来るんです。
プライドがあったんでしょうね。

でもね、自分らで戦うならまだしも、子供使って戦うのは無理なんですよ。
だって、ただの子供ですから、私たちは。
母の思い通りに動くロボットでもないし、持ってるスペックだって人それぞれなんで。

兄と同じ道に進むのは無理です。
私は私ですから。
人を救いたいとも人の役に立ちたいとも思ってない人間を、無理やり勉強させたところでいい方向に進むわけないじゃないですか。

私が不登校になってからは、母もそれがわかってきて、私自身のやりたいことに目を向けてくれるようになりましたけど。
やっぱりそれがいちばんキツかったかな。

5.恥ずかしいと思わなくていい

冒頭で記したように、婚外子ってのは蔑まれて当然の立場だと思ってます。
それは婚外子である私だから言える言葉です。

馬鹿にされて当然、見下されて当然、ゴミを見るような目で見られても当然なんですよ。

でも、それがなんなんですかね。

言いたい人には言わせておけばいいんです。
だから私は言いますよ。誰に対しても。
自分が婚外子だって、堂々と。
だって別に恥ずかしくないですから。
たかが生まれの話じゃないですか。

蔑まれて見下されて馬鹿にされても、
そいつら全員ぶん殴って前向いてやりましょうよ。

私には父と母がいて、もう会えないけど兄がいて、それは私の中では普通のことなんです。
普通のご家庭と同じ。
特別なことじゃない。
まるっきり普通とは言えないかもしれないけど、特別じゃない。
だから私たちは堂々としてていいんです。
誰がなんて言おうと、絶対に。

私が反骨精神の塊みたいに生きるのって、たぶんここが最初の根源なんですよ。
兄と同じで、“生まれ“というどうにもならないものを蔑まれてきたから、自分の力でどうにでもなるものは、どうにかしてやろうって考えるんだと思います。

私の中の心の支えみたいなものがもしあるとしたら、両親からの愛情も間違いないけど、兄や他の人からもらった言葉もそうだけど、たぶんそれ以上に「私がやることに誰にも文句を言わせない」ってずっと思って生きていたからだと思います。

まあ、それを真正面から堂々と言えるほど、大した地位の人間になれなかったのが悲しい話なんですけどね。

だから目指すのかもしれないですね、小説家。
もし売れて顔と名前が知れ渡ったら、兄もどこかの空の下で「おお!」と思ってくれるかもしれないですしね。

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