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傾聴力を持たない保健師活動は凶器にもなる?

傾聴力身につけたら人生変わった 保健師なべこです。

以前は上司や同僚から「なべこさんの言うことってピントずれていること多いよね…」「的外れだよね…」と、言われ続けていたわたしが…
今では「この妊婦さんの心のケアはなべ子さんお願いね!」「赤ちゃん訪問はなべこさんで!」と保健師には珍しく、名指しで指名されるまでになりました。
なんでわたしが指示されるようななったのかなーと考えると、
気付いたんです…
【傾聴力】のすごさに!

今回は、傾聴なくして保健師活動することは、凶器でしかない…というお話をしようと思います。
なぜなら
傾聴力なしで正論を相手にぶつけると、
ただでさえ不安を抱えた妊婦さん、お母さんを、不安の渦につきおとしてしまうから。

今回は両親学級に来た妊婦さんとのお話の中で、感じたことをお話します。

両親学級に来た妊婦さん29週目、初めての妊娠生活です。
妊婦健診で、子宮頸管が短いと言われた…とショックを受けておられました。

傾聴しながら話を聞いていたこともあり、
両親学級の最後の方には、その妊婦さん…
晴れやかな顔で帰っていかれたことが印象的でした。

これから、傾聴なしで話を聞いた場合と、傾聴ありの会話を具体的な言葉を使って比べてみます。

◎傾聴なしの場合…
・頸管は何センチだっだんですか?
・仕事は立ち仕事ですか?
・休めないんですか?
・休めないなら診断書書いてもらったらどうですか?
・赤ちゃんの命を守れるのはママしかいませんよ。
・この時期はおなかが張りやすいものですが、自宅でも最低限の活動にしていつでも楽な姿勢とるようにしましょう。

…なんか責められている気持ちになりますよね…

理由は気持ちを受け止めていないから、質問が尋問のようになってしまったことが原因です。

◎次に傾聴ありの会話です…

・それはご心配ですね。初めての妊娠だし不安な気持ちでしたよね。話してくれてありがとうございます。
・仕事は立ち仕事ですか?おなかに張りを感じた時に休憩したいと言える雰囲気ですか?
・自宅で家事をするのがしんどいときには、ファミサポや食事の宅配サービス、洗濯はお父さんにコインランドリーに行ってきてもらうと言う方もいらっしゃいますよ。
・休むと職場の他のスタッフに迷惑がかかると、罪悪感を感じてしまうのですね…。
もし他の同僚で妊娠される方がいて、無理して仕事をされていたことがわかったとき、あなたはどう思いますか?責めますか?

傾聴ありだと、気持ちを受け止めているので同じことをいっているのに印象が全然違うことに気が付くと思います。

気持ちを受け止めるには、まずはしっかり相手の思いを聞いて、一緒に感じ、共感することがポイントです。

妊婦さんは無事に出産するまでずっと不安がつきません。
その不安な気持ちを受け止めて、温かい共感的な理解をすることで多くの妊婦さんは救われます。
直接的に感謝の気持ちを言われなくても、あなたの温かい声かけのおかげで、孤独で不安を抱えたたくさんの妊婦さんは感謝しています。

わたし自身も、一人目の出産の時に切迫早産で入院したりしましたが、
産後に出会った保健師さんに大変だったねー。と共感してもらい、
とても嬉しかったのを覚えています。

不安でいっぱいの妊婦さんと接する時には、共感なしの正論や保健指導は
時として、相手の心を鋭く傷つけてしまうことがあります。

しっかり相手の気持ちを受け止め、共感する言葉をかけ、傾聴を中心とした保健指導をすることはは、たくさんの悩める人を救うことを学べました。


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