好きな曲は好き~ニュークリアライザー/カラスは真っ白~
はじめに
今日はカラスは真っ白の『ニュークリアライザー』という曲についてお話しします。
この曲は、カラスは真っ白の沢山の曲の中でも一番好きな曲です。
カラスは真っ白を知ったのはおそらく中学生の頃、塾の先生にお勧めしてもらったバンドです。
ロックでポップで軽やかな歌い口調で、そして強烈にインパクトのあるメロディー。
特に、緩急の使い方が私好み過ぎて大好きです。
祇園精舎の鐘の声と一緒
耳を劈く悲鳴のようになるギター、明確で純粋無垢に伝わってくるドラムからこの曲は始まります。
あまりにも流れるように軽く歌が始まるため、そのまま気にせず聞き流してしまう雰囲気です。
ただ、私はこの矛盾した歌詞が気になって気になって仕方がありません。
『過ぎた未来』って、一見矛盾しているように見えませんか?
私は初めから引っかかってしまいました。
何度も何度も聴いて最近は、なんとなく自分の中で理解できる解を見つけた気がするので、お話しします。
『ちょっとだけ遠く』とは歌っている間に過ぎ去ってしまうたった2小節後のことを言っていると思いました。
この曲はだいたい♩=180ぐらいでしょうか。
そうするとだいたい1小節当たり1秒ちょっと、2小節で3秒ぐらいでしょうか。
歌い始めてから約3秒後には『遠く』はもう既に過ぎてしまった2小節前にとっての『未来』だったということでしょうか。
さて、ここから何を伝えようとしているのか。
『探し物を 探せなくなっただけ』と絡めるともっと理解できるような気がしました。
前半は現在にとっての未来もすぐに過ぎてしまうもの。
探し物も、その物がなくなったわけではなく探せなくなってしまっただけ。
そう簡単に考えてみようよ。
そんな風にまるで「平家物語の」語りだしと同じように言われている感覚でした。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
無感情無感覚無常に生きる
次の歌詞です。
ここはゲームで例えて表現しているのでしょうか。
何度もゲームオーバーになって黒い画面に自分の顔が映るように
そして何度も残酷にもリプレイの表示がうかんでくるように。
これらから無表情だと感じました。
毎日の繰り返しやルーチンワーク、同じ失敗や成功を繰り返しすぎて、そのことに何の感情もわかなくなってしまったのではないかと考えました。
前文で無表情を抱えたまま曲は進みます。
無表情で、無感覚で無常に生きていることは、同時にただただ惰性で生きているような感じです。
そんな風に惰性で生きていても呼吸をしているのですからあたまと心臓は酸化します。
これが老いです。
惰性で何も考えずに生きていたら、「選択」が難題に思えるようになります。
他の人がどんなに簡単に選ぶことができることでも、簡単に選ぶことができなくなるのです。
そんな風に生きていたとしても、周囲の人は理解してくれません。
きっといろんな選択を迫るでしょう。
しかも提示される選択肢は、その周りの人が選んだ選択肢です。
本人の前に提示される前にあらかじめもう選択された状態で提示されるのです。
そんなことにたいして『しばりつけないで』と言っているように感じました。
この前半のサビまでの歌詞を通して、私はまた両親のことを考えていました。
どうやって両親に私の気持ちを解ってもらおうおとして話しても、何度も何度も気持ちを話しても、
両親がする行動が嫌な理由も、傷つけないように話しても、
全部、全部無駄なんです。
受け付けないし、私の意見なんて重要ではないと思っているからだと思います。
そうやって何度抵抗しても無駄だから私の中に諦念感だけがどんどんたまって、心身共にぼんやりと麻痺していく。
それが両親の愛する方法だろうが、知らんが、『選択できない善悪でしばりつけないで』の気持ちです。
バッドエンドに続きがあるの?
サビです。
人生を映画だとしたら、エンディングはハッピーエンドかバッドエンドかなんて言葉があります。
このように、「今後の展開はどう予想する?」と聞いているのでしょうか。
ただ、バッドエンドを想像したとして、続きがあるのでしょうか?
この歌詞ではある前提で聞かれているような気がするのです。
大森靖子さんの歌の中で『死ぬことが人生において唯一のけっかなのだから』とあるように、死が結果だとしたらそれ以上に何かあるのでしょうか。
あるのならば教えてほしいぐらいです。
死んでも終われない未来があるんですか?
ここでは「バッドエンドの未来への扉を閉ざさず、書き換えるよ」と言っている気がします。
文字面のようにただ考えれば良いと思います。
人生の選択肢はあって、それぞれの道にそれぞれの扉がある。
例えバッドエンドへの道を選んだとしても、その道を書き換えるから大丈夫だよ、という励ましでしょうか。
難しいですね。
未来は見えないもどかしい安心感
私はここにとても共感できる歌詞があります。
『ストーリーの先までも隠したまま進む もどかしい安心』という歌詞です。
未来はわからなくて、もどかしく感じるときの方が多いかもしれません。
それでも、現在からは見えないから今好きな方を選ぶことができるという安心感もあるということでしょうか。
また、将来が見えないほうが悪いことよりも良いことを自由に想像しやすいので、安心感を感じるということでしょうか。
これは完全に両親と私で想像していました。
こんなにも大切にしたい人に、私の感情を無視されるのなら、もういっそ関係どと消し去ってみてしまいたい。
両親の主張が納得いかない。
私への要求の意味が分からない。
私の感情をする理由がわからない。
全部両親の中の計算した希望なのかもしれませんが、
私を変に偏らせた意味づけをしないでほしいです。
『バッドエンドの続きはもう いいでしょ』は、先のことなんて考えすぎてもわからないから、と言ってくれているような気持ちになりました。
人生の選択肢を選ぶ場面で不安で手が震えてしまいそうになるけど、扉を開いて
そして、自分がその道に立つことができていることを確認して、
歩んで行けると確信して、
これまでのこともこれからのことも全部君のものだからね
と言ってもらっているような気持ちです。
さいごに
この曲はカラスは真っ白の緩急が上手という良さが前面に出ている曲だと思っています。
ちなみにカラオケで歌うと『書き変わるから』の入りが半音なのか全音なのかでいつもこんがらがって上手く歌えません。
ぜひ聞いて、口ずさんでみてください。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
♡励みになりますありがとうございます。
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