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「教育機会確保法とCOCOLOプランについて知ろう!」に参加して

「教育機会確保法とCOCOLOプランについて知ろう!」に参加して

先日、NPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネットワークしまねスクールノマドコミュニティ」が主催するセミナー「教育機会確保法とCOCOLOプランについて知ろう!」に参加してきました。

今回は、文部科学省の生徒指導室室長補佐官である上久保秀樹さんからの講演があり、不登校や教育の多様な選択肢について深く考えさせられました。

教育機会確保法について

今回のセミナーで特に印象的だったのは、教育機会確保法に関する内容です。この法律は、不登校や学校に行けない子どもたちの支援を目的としており、その中で以下のような記載がありました。

「不登校は問題行動ではない。不登校は誰にでも起こり得ることであり、不登校というだけで問題行動であると受け取られないように配慮をします。」

教育機会確保法についてのパンフレット
https://www.mext.go.jp/content/20231018-mxt_syoto02-000021384_001010.pdf

正直、私はこれまで不登校に対する認識が浅かったことを痛感しました。多くの人が、学校に行けないことを「問題行動」と捉えがちですが、この法案の趣旨を知ることで、不登校の子どもたちに対する社会全体の理解を深める必要性を感じました。

COCOLOプランとは

また、COCOLOプランについても触れられました。これは、永岡桂子先生文部科学大臣を務めていた時に提案されたプランで、現在設置認可申請中の通信制を準備する際に私自身も参考にしていた資料です。このプランは、すべての子どもに学びの場を提供し、多様な学びの選択肢を整備することを目的としています

島根県の現状と全国的な課題

会の中では、現在の不登校の現状についても議論がありました。島根県は全国でワースト4に位置しており、全国では不登校の子どもが34万人を超えて、35万人に迫ろうとしています。少子化が進む中で、逆に不登校は過去最高を記録しており、これは教育機会を取り巻く状況に深刻な問題があることを示しています。

学びの場の多様化


この問題を解決するためには、通信制や定時制、ホームスクールなど、学校以外の学びの選択肢を普及させる必要があります。そして、それぞれの立場でできることをやり、協力し合って社会全体で支える仕組みを作っていくことが求められます。

アメリカに行った時、「学校に行くだけが学ぶ場所ではない」と強く感じました。日本もそろそろ、学校に通うことがすべてではないという考え方を取り入れる時期に来ていると思います。全日制がダメだという話ではなく、他の学びの場を提供することが今の時代には必要だということです。

当事者の声に耳を傾ける

今回の会では、不登校を支援する立場の方や、実際に不登校の子どもを持つ保護者の方々の声も聞くことができました。特に印象的だったのは、当事者の方々が語る「何に困っているか」を理解してくれる学校や人がどれだけ重要かということです。

ある保護者の方は、我が子が不登校になった時、初めて情報を集めるようになったが、学校に尋ねても十分な情報が得られなかったと話していました。学校側には「子どもが学校に戻ることを望む」という立場から、どうしても学校以外の学びの選択肢を積極的に紹介しづらいという事情もあります。実際、私も教員として同じような立場に立つことがあり、できることに限界があると感じています。

行政の役割と課題

また、講演者である上久保さんが語った、教育支援センターを設置した経験も印象的でした。地方で教育長を務めていた頃、保護者から「あと1年早ければ、うちの子も支援を受けられたのに」と言われたそうです。この言葉が、行政の取り組みがどれだけ待たれているかを痛感させます。支援があれば助かったという声が多く、今後はこうした支援をもっと早く、広く提供する仕組みが必要だと感じました。

それぞれの立場でできることを

この会を通じて、「それぞれの立場でできることをやる」という重要性を再認識しました。学校や行政、そして地域社会の一人ひとりが、自分のできる範囲で取り組み、協力し合うことが課題解決につながるのだと思います。

かつての日本には、地域社会でお互いを支え合う文化がありました。そのような社会を再生するためにも、デジタル技術を活用して、より多くの情報を共有し、つながりを深めることが大切だと感じました。

まとめ

不登校問題は、単なる個々の家庭の問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題です。私たち一人ひとりが自分にできることを見つけ、それぞれの立場で協力し合いながら解決策を模索していくことが必要です。これからも、もっと多くの声に耳を傾け、支援の輪を広げていきたいと思います。

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