未完成協奏曲への想い

私には絵を描く前に必ず聴く音楽があります。

それは「未完成協奏曲」。
この曲はオペラ歌手の【錦織 健】先生が歌っております。
知っている人は知っている「ハーメルンのバイオリン弾き」の主題歌にもなった曲です。

曲調が全体的にクラシック調でありながらも、歌詞に乗せて錦織先生の透き通った声が絵のインスピレーション時の私の耳に伝わった瞬間に「…ああこれだ。このサウンドが聴こえたなら描けるぞ」とパッとキャンバスに絵を描く事が出来ます。

ハーメルンの原作も好きですが、芸術や美を求める私にとってはTV版の方が個人的に好きで、クラシック音楽の趣旨や、悲愴感や一人静かに音楽を聴くことへの楽しさ、そして何よりも「音楽」は人間が生み出した最高の贈り物だと知れた作品でもあり今でも記憶に残っています。

私の考えたストーリーを簡単にまとめると「悲劇のヒロインなる存在を助ける王子様の心境、あの時にあなたに出会わなければこの様な悲恋の気持ちも生まれなかっただろうに…」と言うことになります。

この曲を聴くとイントロの部分から既にストーリーは出来上がっております。

「青い月が浮かぶ古城の下、馬に乗りながら1人の男が何処かへと向かっている最中」

脚本とか演出なのではなく、その曲そのものが人生そのものなのだと私は受け取っております。

それちょっと解釈が違うよって思った方、音楽に詳しい方がいらっしゃいましたら是非ご教示のほど願います。

どう言った形であってもやはり最後には音楽がその演奏者の人生を物語っており(音楽との出会いや、切っても切れない縁の数々etc…)日々の生活には現実に音楽は裏で流れてはいないけれども、耳に管を通すといつもそこには自分だけの世界が広がっていると思うのです。

その音楽をイヤホンで流しながら私は自室の中で1人ぶつぶつと独り言を言いながらも「あーでもない、こーでもない」「消して消して曲げてまた消して、それでもまだ新しく描き直して…」と午前0時〜午前6時までの間いつも絵を描いているのだ。

こう言ってはなんだか語弊がある様に思えるが、同じ曲をリピートで何度も聞くのは一瞬の病的な発作の様なのかもしれない。

大好きだからという単純な理由からなのかというとそうでもない。

「心に来る。だがそれは歌詞だからじゃない。その歌の中に「ストーリー」を考えられる」からだ。

最後になりましたが私が夜型の人間故に、この様な時間帯になってからログインして夜の作品展覧会を催す事にしており、それ以前の時間帯に私の作品に好きをしてくださった方々や、コメントしてくださった方々へのお返事が遅くなってしまう事に対して今更ながら申し訳ない思いで一杯である事と、それに値…それ以上の作品を描きあげたいと思っております。