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読書雑記帳

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読書中・後の雑感をまとめています。
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#読書

豊かな風情、複雑な課題

ある日の昼下がりのこと。出先でブックカフェに入った。 多彩なジャンルの本の中に1冊の本を…

van_k
8か月前
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『モモ』をどう読み解くか?

先日の読書会における課題本『モモ』。その時のやり取りの中、そしてその後に考えたことをまと…

van_k
1年前
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哲学の"聖地"で何を見たのか―立花隆『エーゲ 永遠回帰の海』―

年末に立花隆の特集番組を観た。その番組で取り上げられた本を最近読んだ。 立花が1982年にエ…

van_k
1年前
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本への理解を深めるための新たな試み

最近、読書の時に試していることがある。メモを取りながら読み進めることだ。 昨年は読み終え…

van_k
1年前
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「ひとつの言葉」が持つ意味・感性を大切にするということ

「ひとつの言葉をいらないと感じることは、その言葉が表現する大事なものも、おなじようにいら…

van_k
1年前
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頑張りすぎな社会・人へのアンチテーゼ ―ダダイスト辻潤の「ユルさ」ー

20世紀前半を生きたダダイスト辻潤のエッセイ「浮浪漫語」はここから始まる。このエッセイ、始…

van_k
1年前
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「データ」とどう付き合うかを改めて考える

前回は「成長」の方向性についての雑感をまとめてみた。 今回は「データ」との付き合い方について。 先日ブログに書いた以下の本では、科学におけるデータの重要性を以下のように語っている箇所がある。この本、いいか悪いかは別として、色々と考えさせられる。 一見すると、ごもっとものように聞こえる。確かにデータは重要だ。マクロな視点で言えば、経済対策の効果を測るためにはGDPの増減を見なければわからない。また、ミクロな視点で言えば、家計簿をつけないと、無駄な支出がどの分野にどの程度ある

より良い社会のあり方とは?―斎藤幸平『人新世の「資本論」』ー

前から気になっていた本が古本屋で安く手に入ったので、買ってみた。斎藤幸平の『人新世の「資…

van_k
1年前
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“失敗”から学ぼう!―マシュー・サイド『失敗の科学』―

「失敗」や「ミス」。正直、後ろめたい。誰かから責められそうなものである。よく、研修などで…

van_k
1年前
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歩みも考えも深化させる大切さ―ヤマザキマリ『歩きながら考える』―

確か2020年の冬だったと思うが、初めてヤマザキマリの書籍『たちどまって考える』を買って読ん…

van_k
1年前
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読書会より~先人たちの文化や考えから学ぶ~

11月の読書会も無事(?)終わり、ある人は展覧会へダッシュし、ある人は失敗談を語り、それぞ…

van_k
1年前
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日本最北の書店で買う「日本最北限」の地を讃える歌集

前回の記事で書いた、稚内での散策中、本屋を見つけた。最北の本屋かもしれない、そう思いつつ…

van_k
1年前
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日本一の秘境駅への誘い―『礼文華観光案内 微改訂』―

「秘境駅」というのをご存じだろうか?鉄道で行くのも、クルマで行くのも、場合によっては徒歩…

van_k
1年前
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"地域限定"の本―『芸備線 中国山地の沿線物語 東城駅~三次駅』―

今夏、広島県庄原市にある東城というところへ行った。旧出雲街道沿いに栄えた町だ。近年は過疎化が進んでいるものの、Google Mapを見る限り、かなり雰囲気が良さそうなところであったので、行ってみた。 芸備線に乗っていくと、1日に4本しか走っておらず、しかも1両編成の列車に乗客は3人のみ、途中駅から乗ってくる人は皆無…。移動手段としての列車の役割はとうに終えてしまった印象が否めない、そんな列車に乗って向かった。 その東城で昼食を取った際に、その店の本棚にあった本が、今回紹介