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読書雑記帳

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読書中・後の雑感をまとめています。
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#日記

寛容であることの重要さ―ヴォルテール『寛容論』―

毎月のように参加している読書会に今月は参加できても聞き専になる見込みである。そこで今月紹…

van_k
4か月前
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豊かな風情、複雑な課題

ある日の昼下がりのこと。出先でブックカフェに入った。 多彩なジャンルの本の中に1冊の本を…

van_k
8か月前
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日常の切り取り方

向田邦子、この人の中にはどういうフィルターがあったのだろう? 読書会では同著者の別の本、…

van_k
9か月前
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「無駄」とは何なのだろう?―西成活裕『無駄学』―

「無駄」とは何だろう? 仕事の場で言うならば、伝票やExcelなどへ何度もデータを転記するこ…

van_k
11か月前
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欲しい?いらない?―宮部みゆき・吉田尚令『悪い本』―

哲学カフェで紹介された本をいくつか買って読んでみた。その感想をまとめておこう。まずは『悪…

van_k
1年前
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『モモ』をどう読み解くか?

先日の読書会における課題本『モモ』。その時のやり取りの中、そしてその後に考えたことをまと…

van_k
1年前
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困難な時にこそ「原点」に立ち戻る―熊田千佳慕『ファーブル昆虫記の虫たち(5)』―

次回哲学カフェの課題本は絵本『もこ もこもこ』である。それもあり、何年ぶりかに絵本を読んだ。絵本を買い、読む中で、ある絵本作家を思い出した。熊田千佳慕である。 熊田千佳慕のライフワークを追ったNHKのドキュメンタリーを観たことがあり、それ以降、気になっていた人物である。 ファーブルの『昆虫記』の絵を描くことを亡くなるまでライフワークにしていたという。結果的に5冊が刊行された。 書店で見つけたので、迷わず購入。買ったのは5冊目、結果的に最終巻となった1冊である。帯に書かれ

普段はブックカバーをつけないけれど…

本を買うとき、店によっては、こちらからお願いしていないにもかかわらず、店員がブックカバー…

van_k
1年前

読書会レポート”好きだけど人には紹介しづらい本”を紹介し合う

先週末、いつもの通り、月に一回の読書会が開かれた。テーマは「好きだけど人には紹介しづらい…

van_k
1年前
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観察者を観察する何者かの存在を感じる小説―朝井リョウ『何者』―

『何者』に用意された落とし穴。落ちました。見事なまでに落とし穴にハマったことに気づいたと…

van_k
1年前
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次世代技術が持つ可能性とリスク―小林雅一『ゼロからわかる量子コンピュータ』―

次世代技術について学べるとともに、「ゼロから」という意味を考えさせられるものあった。 量…

van_k
1年前
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読書会より―”恵み”が”災い”に変わるとき 吉村昭『破船』―

「好きじゃないけど、読んで良かった」というなら、読んでみようではないか。ということで、紹…

van_k
1年前
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読書会より―人間が持ち得る残酷さに目を向けるルポ 森村誠一『新版 悪魔の飽食』―

読書会で紹介された本を、たまには各参加者が紹介した本を1冊ずつ読んでみよう、ということで…

van_k
1年前
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読書会より―『一九八四年』③洗脳の無限ループとしての「二重思考」―

『一九八四年』だけで3回目…。だが、「二重思考」に触れないわけにいかない。そして、読書会メンバーのマガジンにこの面倒な長文をダラダラと3回…これでいいかは…いつかどこかで考えることにして、二重思考へ。 二重思考とは前回紹介した党のスローガンとも関係する。もう一度記しておこう。 「過去をコントロールするものは未来をコントロールし、現在をコントロールするものは過去をコントロールする」 このスローガンからすれば、過去は「改変されうる」ものである。しかし、党は過去を改変すること