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おとぎの国シントラと地の果てロカ岬へ−1

リスボン郊外の街シントラを知ったのは、ずいぶん前に仕事場の同僚が旅行しておもしろかったと教えてくれたのがきっかけです。

リスボンから直通電車でわずか40分と日帰りが可能なので、2度目のリスボン旅行の時にシントラを訪れました。

シントラは深い森に囲まれ神秘的な宮殿が点在する、ちょっと不思議な場所です。世界遺産にも登録されていて、イギリスの詩人バイロンが ”この世のエデン”と称したことでも知られています。海が近いので古くから貴族の避暑地となっていました。

シントラの見所はなんと言ってもおとぎの国に出てきそうな宮殿巡りです。終点駅のシントラに到着したら、そこからバスで宮殿に向かいます。

まず宮殿の中でも一番人気の、ペーナ国立宮殿 (Palácio Nacional da Pena)に向かいました。

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ペーナ宮殿はイスラム様式、ゴシック様式、マヌエル様式、ルネサンス様式といった複数の建築様式が混在した、19世紀の異国情緒あふれるロマン主義建築の代表として有名です。

ポルトガル女王マリア二世の夫フェルナンド二世が、1755年に起きたリスボン地震で廃墟となったジェロニモ修道院を改修して建てさせた王家の離宮です。

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とにかくお菓子で出来たお城のように赤や黄の色使いがカラフルで、遠目でもとても目立ちます。おとぎの国から出てきたような佇まいです。

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宮殿への入り口はタイルの色合いやアーチの形がモロッコで見たようなデザインなので、イスラム様式だと思われます。

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植物と華をモチーフにしたシャンデリアが凄くきれいでした。壁の装飾はとても細かく、息をのむ美しさです。ここが一番好きな空間でした。

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ちょうど展示品のお掃除をされていました。床のタイルのパターンも可愛らしいです。

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広い敷地内ではあらゆる場所が写真スポットになっているので、飽きずにぐるぐる見て回る事が出来ます。

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トリトンの門の上ですごい形相でこちらを見ているのは、ギリシャ神話に登場する海神トリトンの像で、世界の創造を象徴しているそうです。

これはマヌエル様式と言って16世紀初めに生まれたポルトガル独自の建築様式で、ゴシック様式の影響を受けています。珊瑚や貝殻など海のモチーフを使用して、豪華絢爛な装飾が特徴です。

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剣士が戦っている姿を描いた珍しいアズレージョ(ポルトガル伝統の装飾タイル)もあります。

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赤い塔の周りを囲むウォール・ウォークからの眺めは最高ですが、柵は低いし通路が狭いので高所恐怖症の私にはちょっと怖かったです。

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ここからペーナ宮殿の後に向かった、ムーアの城跡が目の前の山頂に見えます。

色々な建築様式の集合体でまるでテーマパークのようなペーナ宮殿ですが、そのちぐはぐさも良い意味で訪れる人の興味をそそるのではないでしょうか。写真で見てどうしても行きたくなったという声をよく耳にします。一度見たら忘れられない夢の宮殿なのだと思います。

これはまめ知識ですが、フェルナンド二世はドイツのバイエルン州にあるノイシュヴァンシュタイン城を建てた、ルードヴィッヒ二世の従兄弟にあたります。

ノイシュヴァンシュタイン城には行ったことはありませんが、こちらもおとぎの国のお城として有名です。ルードヴィッヒ二世はワーグナーに心酔し、オペラに登場する中世騎士道の世界観に憧れて夢のお城を築きました。けれどもどちらの王も城の完成を見ることなくこの世を去り、偶然なのかもしれませんが共通点が多いです。

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ペーナ宮殿の外にいたかわいい子犬です。

To be continued...

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