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ムリに言語化しなくてもよくない?

「この気持ちを言語化できる能力なんて、自分にはない……」
「そうそう!それを言いたかったんだよ!あぁ〜スッキリした!!」

前者は言語化できない自分を責め、後者は第3者の言語化に共感しています。両方とも「言語化できていない」ことに対する反応です。
小説を読んだときや、誰かの発言を聞いたとき、どちらかの感情を抱いたことがあるはずです。

小説なんか、よくもまあ、その気持ちを字面で表現できるな、と感心する機会が多いです。だからこそ、感情移入がしやすくなり、より楽しんで読むことができます。
字を追ってるだけなのに、キュンキュンときめいたり、ゾワゾワ鳥肌が立ったりします。想像に直接訴えかけてくる。

じゃあ、あらゆる感情を言語化できればいいのか?

ぼくはそうは思いません。

ここで「感情」に絞っているのは、言語化において感情を文字化するが、いちばん難しいと思っているからです。

仕事のやり取りで、「ちゃちゃっといい感じにやっておいて」のような、抽象概念を相手に投げるのは、配慮がないです。この作業指示を言語化するのは、感情を言語化するより簡単です。
いつまでに、どこまでの完成度で提出してほしいか。これ以外の要素も含めて、明確に伝えられます。これから逃げては、仕事になりません。

一方、「感情」を文字にするのは困難を極めます。
嬉しいけど悲しい、好きだけど好きじゃない。どっちの感情にもならない、中途半端な感情。これを的確に言い表せる方は、少ないはず。

ぐっしゃぐしゃの感情を、適切に整理整頓できれば、このいま自分が持っているキモチを伝えられるのに!!

口をへの字にし、手をワキワキ動かしながら、悔しさを感じたことでしょう。
もちろん、自分もその一人。「その気持ちを文字で表せないなぁ」「なんか薄っぺらいな……」と思うことばかりです。

けど、最近は、別にムリに言語化しなくてもいいんじゃない?と思うようになりました。
たとえば、自分の好きな異性のタイプ。◯◯がタイプ!と言っても、その理由を問われたら、なんとなく好きになります。
好きなものに対する感情を、そんな明確に言語化できないでしょう。好きなもんは好き、以上!!

こういった感情を言語化する際、下手にカッコつけないで、とにかく好きなんだ!の気持ちを素直に書くのが最適。
「分かった、分かったって!あなたがそれを好きなことは、よぉ〜く分かったから!」
ウザがられるくらいしつこく書けばいいんです(笑) 好きな気持ち以外でも、嫌いな気持ちに悲しい気持ちでもなんでも、繰り返し文字に起こせば伝わるんです。

なんとも言えない感情だったら、そのまま書けばいい。嬉しいんですけど、悲しい気持ちもあります。シンプルだけど、下手に装飾するより絶対伝わります!

ムリに言語化しなくてよい、と言語化から一歩距離を取ることは、感情を文字にしやすくする第一歩です。
いま言語化不可の感情が、いつかきっと、文字で表せるようになりますから。

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