自己決定性とパブリックへの回路のアナロジーとしての、トロッコ問題
バイト前に、『「死」とは何か』というタイトルの、本を目にする。といっても、これから書く内容は、この本には関係がない。「死」という文言を目にして、私が頭に浮上せしめたのは、「トロッコ問題」だった。
この」「トロッコ問題」に関しては、『世界を知るための哲学的思考実験』の書評を書いたときに、勉強したことがある。
突然に、ポケットからスマホを取り出し、過去の自分が残したこのnoteを見て、私はまた新たに考察をしなければならないという念に駆られたので。
タイトルにもあるので、想像は出来ると思うが、
この「トロッコ問題」を、自己決定とパブリックへの回路のアナロジーとして考えていく過程を書いていく。
まず、トロッコ問題とは、簡単に言えば、
自分が電車の運転手であるが、電車は凄まじい勢いで走行している。このまま走行していると、目の前にいる五人の従業員を死なせることになるが、路線を変更するなら、その先には一人。
この時、どのような選択をすべきかという、道徳的命題というやつだ。でもこれだけで何方かを選ぶというのは、どうもありきたり。
なぜかというと、基本的にこの命題は、「功利性」を判断基準にされがちだからだ。、『世界を知るための哲学的思考実験』の書評にも書いてあるが、参考になる文章を引用する。
ここでトムソンが提示するのは、「権利が功利性に優先する」という考えである。歩道橋のジョージについて言えば、彼が太った1人を突き落とせば、「その人の権利(生きる権利)」を侵害することになる。(岡本裕一朗、2019、59)
トロッコ問題で気を付けなければいけない点は、「権利」を判断基準に含む必要があるということだ。もしかしたら、多くの人は、五人より一人の方が少ないからという功利的(最大多数の最大幸福を求めるもの)判断をする。
しかし、「権利」、正確には「生きる権利」ということも考慮に入れなければならない。いやいや、戦場ならこんな理性的思考など、目標達成への邪魔者にしかならないけど。
「権利」という問題が関わってくることで、事態はやはり複雑になる。トロッコ問題において、方向を変えて、一人の方を選ぶということは、あなたはその人を「殺す」と判断したのことと同義である。死なせるのではなく、「殺す」のだ。
ここで、「自己決定性とパブリックへの回路」とのアナロジー的な考えが出来る。いやもっと深刻かもしれないものだが。
自己決定性とは、他者に危害を与えない限りにおいて、自由を尊重するものだが、どこかでその自由を制限しなければ、パブリックへの損害に繋がり、どこかで個人をフリーライダー的行動から、公共や社会的利益の為に行動させなければならないというもの。
ま要は、個人と集団や公共の利益が対立するということだね。多分ね。
自己決定性とパブリックへの回路
そして、「権利」という観点を加えた「トロッコ問題」
これらから私が考えたものは、個人の「権利」の在り方云々だ。(その場で思いついたから、ボロボロかもだけど)
トロッコ問題が示すのは、個人が生きる権利を保持している状態そのものが、既に他の誰かへの危難や損害を内包しているという事態だ。
個人がどうすればいい、という問題ではなく、その「個人」の存在そのものが、何故か他者への不利益につながるということだ。
これについて、あなたはどう考えるだろうか・・・?
他の集団や公共を優先することが、個人の権利、もしかしたらそれも「生きる権利」を侵害することがあっていいのだろうか。と、(そういえば、こんなことを以前記事にしたことがあったきが・・・。)
ま、焼き増しになっていなければいいのだけれど。
個人の権利、そして、功利性。
例えば、それが自分自身だったとしたら、どうするよ。自分が「生きる権利」を保持している、つまりは生きている状態そのものが、他者への不利益につながるのだとしたら、それは、正当化できるものなのか。「善い」ことなのか。それとも、自分の権利が堂々と侵害されていくことは、では「善い」ことなのか。
それは誰にとっての「善い」だ?
ああ
どこまで云っても、行っても、答えが出そうにないか。どちらも正しいってやつか。これがアンチノミーってしろもんか、イヌマエル・カントさんよ。
なら、本当に理性の悪い癖だ。性癖だ。悪癖だ。
こういう問題を考えること、論理的思考に慣れること、答えのない問いに思いをはせることが重要なんですよ~、なんて真っ白な歯みたいに、薄気味悪い文言を幾多聞いてきた。でもそれが学問か。パースペクティブ論か。てか答えはどう出せばいいんだい?
閑話休題
んでもって、記事もこれで終わりにしよう
と
今日も大学生は惟っている。
引用文献
岡野裕一郎.(2019).世界を知るための哲学的思考実験.朝日新聞出版
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