MD.PhD Soichi Muraoka

医療に革新を United Vision & Company CEO MD…

MD.PhD Soichi Muraoka

医療に革新を United Vision & Company CEO MD. PhD 村岡 聡一 医療法人あさかぜ 理事長 福岡市中央区医師会 専務理事 福岡市在宅医療医会 副会長 九州大学医学部 臨床教授 福岡大学医学部 臨床教授 循環器専門医

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在宅医療におけるICT導入のメリット

前回の記事で、令和6年度診療報酬改定におけるICTを活用した医療と介護の連携に関するお話をしましたが、国が点数を付けてICTの活用を促進している背景には、地域包括ケアシステムの課題としても挙げられる、情報の非連携・人材不足による従事者の負担増加・サービスの地域格差・患者ニーズへの適応不足等があると予想されます。 これらの課題を解決へと導くためにはICTの活用が必要不可欠です。 また、当院は24時間365日対応の在支診ですが、在宅医療におけるICTの活用によって、地域包括ケ

    • フルビット免許(免許証が消える?)

      マイナンバーカードは携帯に組み込まれることになりそうです。 マイナンバーカードも免許証もそのうち無くなるかもしれません。 そこで今日はプライベートのお話です。 私は乗り物好きです。 特に飛行機と車が好きで、人生の目標に飛行機のライセンスがありましたが諦めました。 当時は佐賀空港で飛行機のライセンスが取れたのですが、社会情勢の変化でプライベートでのライセンス取得の取り扱いがなくなりました。 そこで以前から目標だったフルビット免許証にコツコツ取り組んでいます。 フルビット免許証と

      • 病院経営の現状

        病院の7割が赤字と言われます。 この10年ほどで建築費も、人件費も1.5倍になったにも関わらず。 診療報酬は1.5倍にはなっていません。 これからの医療現場は高齢化がさらに進み、医療依存度や介護依存度の高い方がこれまで以上に入退院を繰り返し、在宅医療のニーズの増加ともあいまり、地域医療連携の量も質もさらに高いものが求められるようになっていきます。 例えば、患者さんの各々のステータス(例えば自宅で療養しているのか、緊急で入院が必要な状態なのかや、逆に退院を控えているなど、例え

        • 心不全治療におけるGDMTとAIの親和性

          2006年に『がん対策基本法』が成立いたしました。 2018年に『脳卒中・循環器病対策基本法』が成立いたしました。 日本人の死因の第一位は『がん』であり、次に『心疾患』になります。 一般に『心不全』は『がん』よりも予後が不良といわれます。 高齢化で心不全の患者さんの増加により「心不全パンデミック」という言葉も用いられます。 心不全は標準治療という言葉より、最適化という言葉が使われます。 表題はfantastic fourという心不全治療においてとても重要な薬剤です。 『がん』

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          RWDをいかに管理、活用していくか

          『次世代医療基盤法』が、創薬力を上げるために内閣府の健康・医療戦略推進事務局で推進されています。 いかに洗練されたエコシステムを構築していくのかが大変重要であると言えます。 ①大規模かつ多様(リッチ)な情報をアウトカムを含め集積する(DB構築) ②データの信頼性の担保 ③プライバシー(個人情報)保護とセキュリティ対策 がポイントになります。 個人情報保護に関しては匿名加工、仮名加工などがありますが、そもそも個人の識別情報とその他のデータをうまく分離させて格納する方法もあると考

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          たったの15年先 ToCしかない

          8月26日、厚生労働省は 2040年ごろの医療のあるべき姿を展望した資料を提示しました。 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001294917.pdf 2040年の医療現場をAIにイメージしてもらったのが表題ですが、 おそらく2040年の病院は今と大きな変化はない状況だと思います。 しかし、現実には医療提供体制を大きく変える必要があります。 「急性期医療」の提供体制を縮小し、 医療や介護依存度が高い高齢者の「回復期医療」を手厚

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          心不全療養とDTXについてChat GPTに...

          心不全療養にIoT、DTX(デジタルセラピューティクス)、SaMD(プログラム医療機器)、EHR/PHRを組み合わせることで、治療の質を飛躍的に向上させることが期待できます。これを心不全療法士の活動と絡めていくことで、患者の生活や治療に大きな変革がもたらされるでしょう。以下に具体的にどのような効果があるかを示します。 1. IoTを活用したリアルタイムのモニタリング: 心不全患者は頻繁に体重、血圧、脈拍、酸素飽和度などをモニタリングする必要があります。IoTデバイスを活用

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          正しい医療DXとは?

          医療DXの本質は何でしょうか? 誰のために何をDXするのでしょうか? 民間が新しいサービスやプロダクトを考えるとき ・顧客は誰なのか? ・顧客が抱えている問題または顧客のビジネスチャンスは何か? ・顧客のメリットの中で一番(一つだけ)大切なのは何か? ・顧客の要望はどうすればつかめるか? ・顧客はどんな体験ができるのか?(カスタマー・エクスペリエンス) についてしっかり考える必要があります。 どのようなサービス概念で何を実現したいのか? Service diagramをし

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          9/12 多職種連携研修会のお知らせ

          9/12の第1回中央区多職種連携研修会で 「ICTによる多職種連携」として お話します。 医療DXとサスティナビリティ・トランスフォーメーション、 AIと医療なんかについてもちょっと 欲張りな内容です。 医療保険の歴史についてもお話しします。 take home messageは難しく感じるかもしれませんが、 公演を聞いてもらえればなるほどねと思ってもらえると思います。 やっぱサスティナビリティだよねこれからはとか イノベーションにはセオリーオブチェンジじ

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          Med-Gemini by google

          誰もが簡単にAIを利活用できる時代になり、今現在はChat GPTかGeminiが一般的に最も利用される生成系、対話型、大規模言語モデルとしての汎用AIでは双璧をなしています。 双方使用してみて、やはりそれぞれにキャラクターの違いがあります。 Geminiはgoogleの検索エンジンと連携していて、より最新の情報に強く、事実確認しやすいところは大きいと思います。レスポンスも早いです。 Chat GPTはどちらかというと自然でクリエイティブな文章の生成に適しているようで、情報の

          RWDとシンギュラリティ

          日本の医療は公的社会保障制度を基本にしています。 医療計画などもあり公共事業の側面があるとも言えます。 一般的な産業と比較したときの大きな違いがそこにあります。 それが何に影響するかということですが、 公共の福祉に配慮することに重きが置かれるため、 生産性というところが配慮されてこなかったと考えます。 2025年問題ですが 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になります。 入院患者の平均年齢も大幅に向上しており、このトレンドは持続します。 高齢化すると、疾病も増え、病歴も複

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          Pubcareで変わる在宅医療の現場

          現在は国の誘導もあり、在宅医療に取り組む病院が増えています。 現在国の方針として、急性期を減らし、慢性期等を増やし、在宅医療も増やす方向です。 こういった中で『地域包括ケア病棟』が増ています。 『地域包括ケア病棟』の施設基準で https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000638365.pdf 病院でも在宅医療を行う必要が出てきています。 昨日も訪問診療の同行研修に病院の方がお見えになりました。 こちらの病院は紙カルテの運用であり、

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          災害時の医療提供体制について(BCP)

          今年は大きな災害がから年が明けました。 災害が発生すると 1. 医療ニーズが高まる 2. 医療へのアクセスが困難になる 3. 医療のクオリティが低下する といった問題が生じます。 現在BCP(Business Continuity Plan)事業継続計画が求められます。 レジリエンシー(Resiliency)の向上を必要とします。 これには代替策が必要となります。 1.医療ニーズが高まる ・負傷者の急増 災害により、多数の負傷者が発生し、通常診療に加えて緊急対応が必要とな

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          令和6年度 診療報酬改定 生活習慣病管理料 療養計画

          令和6年度 診療報酬改定が本日より実施されました。 自院IDと紐付けして患者さんを管理できる機能がリリースされました。 これによって格段に患者さんの登録が便利になり、 自院内でEHRとして自由に患者情報の管理が可能になりました。 本日から自院でもPubcare Proでの療養計画書の運用を始めました。 昨日までオペレーションフローも含め少々心配していました。 患者さんが集中する土曜日でもあったため余計に不安もありました。 これまでは当院では紙ベースでの療養計画書での運用

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          Start up JAPAN 2024 に登壇します

          今週 5.16-16 東京ビックサイトで開催される Start up JAPANに登壇します。 人生100年時代を支えるヘルステックということでお話させていただきます。 国家予算100兆円の1/3を社会保障費が占めます。 今年医師の働き方改革、来年は団塊の世代が後期高齢を迎える2025年問題。 まだ明確なプレーヤーが存在しない中でこの極めて大きな社会課題をどう解決していくのか? 一つはヘルスケアプロバイダーの生産性の向上にあり、 二つ目に新たな産業を創成することで課題をビッ

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          2025年の地域医療構想の病床機能分化

          厚労省において、 地域医療構想による2025年の病床の必要量が示されています。 高度急性期(14%→11%)△3% 急性期(48%→34%)△14% 回復期(10%→31%)21% 慢性期(28%→24%)△4% 一般的に図の中で上位に位置するほど日数あたりコストがかかります。 急性期を3割削減し、回復期を3倍に増やす、 介護施設や、 在宅医療などは一概には言えませんが全体に医療コストは下がります。

          2025年の地域医療構想の病床機能分化