15歳で社会に出る
次男は知人の会社で働き始めた。
肉体労働はきつかったと思うが丈夫な身体を生かして働いた。
大人の中で働くことで自分も大人になったような嬉しい気持ちだったのかもしれない。
実年齢より上に見られることを嬉しがっていた。
鏡の前で腰袋を装着し工具を入れたり出したりしていた。
新しいランドセルが届いた時も鏡の前で嬉しそうに、からったり下ろしたりしていたなと思う。
嬉しい時にとる行動は成長しても変わらない。
働き始めた次男は毎日大量の洗濯物を出した。
洗濯カゴに入れられた湿って汚れた仕事着からは次男の動いた1日が感じられた。
次男の職場は、仕事の日に日給から2千円を先払いしてくれる。
その2千円を毎回コンビニでほぼ使ってしまう次男。
仕事を無断で休んだ場合は罰金として給料から1万円引かれる決まりがあった。
それが合法かどうかは知らないが、そういう所で働いていた。
仕事が終わった後は元気いっぱい遊びに出かけた。
朝早く起きて、体を動かし、よく食べ、よく遊び、眠る。充実した日々だったんだろう。
でもそんな無理な生活は続かず、ついに寝坊する。
起きられない、休む、そんな日が増えてきた。
働いてもないのに1万円引かれる。
自分で決めた働くという選択だったが、仕事と遊びを両立させる意地もなく、働いているのに給料は少ないという本人もやる気がなくなるであろう結果だった。
次男は家に少しお金を入れてくれていたが、月末にはお金を貸して欲しいということもあった。
お金を使い切って遊び、起きられず仕事を休んで寝ている。
こういう状態が続いても様子を見ながら見守れる親もいるのかもしれないが、うちは違った。
親子関係の修復に努力していた夫もさすがに堪忍袋の尾が切れかかっていた。
もう時間の問題だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?